管理人は超〜つらいよ
マンション管理最前線
マンション管理人とは? 何者なんでしょうか? |
★まず最初に「管理人」なのか? 「管理員」なのか? ここからご説明したいと思います。
これ、どっちも同じです。どっちを使ってもいいです。ただ、一般的には「普段使うのは”管理人”。公的なものとか契約内容の中では”管理員”」といった使い分けがあると思います。例えば、ふだんは、「管理人さん! 階段で誰かがゲロしちゃったみたいよ、掃除しておいて」と住民が言ったりします。この時は「管理人」です。でも、管理会社と管理組合さんとの「管理業務委託契約書」の中では、「管理員」と書かれています。また、国交省の「標準管理委託契約書」では「管理員」となっています。そんなわけで、「口に出すときは管理人」「文字にする時は管理員」、その程度の認識でいてけっこうです。
なお、最近は、安倍総理や小池都知事みたいに「なんでもかんでも横文字にする」管理会社があって、管理人のことを「マネージャー」とか「フロントマネージャー」「フロントマン」「フロントクルー」とか「ライフマネージャー」とかその会社独自の呼び方をしているところもあります。清掃員も「クリーンクルー」とか呼びます。(レレレのおじさんかよ!)
さらに、一部の高級マンションやリゾートマンションでは、ホテル並の豪華なフロント施設を作り、「コンシェルジュ」「フロントコンシェルジュ」なんていう、ホテルみたいな呼び方をしているところもあります。ただ、名札に「フロントマネージャー」とか書かれていても、住民からは普通に「管理人さん!」って呼ばれていることが多く、その人自身も自分で「管理人です」と名乗っていたりして、そういう無意味なかっこつけのこっ恥ずかしくなるような横文字は定着しないようです。
★ついでに、「マンションフロント」という言葉もあります。これもややこしいのですが、マンション管理業界では、一般的に「フロント」と呼ばれる人は、マンション管理会社の営業社員で、そのマンションの担当者のことをいいます。「営業マン」と考えて下さい。
私も、「フロント」という言葉では、一般のマンション住民相手に意味が通じないため、「うちの営業社員から連絡させますので・・・」とか、「営業」という言い方をふだんはしています。
(マンション管理会社は、求人広告で「フロント募集」という文字を使うため、「ホテルのフロント員の募集」と間違えて応募してくる人がけっこういます)
普通は、フロント1名で7〜20棟程度のマンションを担当します。(20棟は多すぎ。こんな会社は、ブラックです) そして、このフロントの中には「管理業務主任者」という国家資格を持った人を必ず置かないといけないようになっています。(全員が有資格者である必要はありません。このへんの詳細は本ページでは割愛します)
さて、「管理人とは?」なんでしょうか?
平たく言うと、管理人室にいるおじさん・おばさん(おじいさん・おばあさんのほうが正しいかな)のことです。
注:上述のように、最近の「大規模な超豪華マンション」、ドラマ「砂の塔」に出てくるような高級タワーマンションでは、「一流ホテルライクなマンション生活」ということで、ホテルのフロントのような、いわゆる「受付」専門の職員を、マンションのエントランスに置くケースも増えています。「コンシュルジュ」と呼ばれることが多いです。この場合、ジジババではなく、きれいな若い女性とかを雇います。こういう大規模なところでは「分業制」になっており、「受付=コンシェルジュ」「清掃=清掃員」「警備=警備員」「その他諸々の仕事=管理員」といったように、「ホテル」とか「オフィスビル」みたいな構成になっていたりします。
本ページでは、そこまでの説明はできないので、一般的なマンションの「管理人」のご説明をしますので、ご了解下さい。(超豪華マンションは実情を知らないので、私には説明できないのです)
さて、話を戻します。
<どういう立場なの?>
普通、マンションの管理というのは「管理会社」に「委託」します。
管理人は、その管理会社に雇われた従業員です。立場上は会社員になります。といっても、正社員はほとんどいません。契約社員、嘱託やパートという位置づけです。その管理会社に出社することはほとんどなく、自宅から、担当するマンションへ出勤(直行直帰)するだけですから、会社本体のことはあまりよく知りません。
大きな管理会社では直系の人材派遣会社を傘下に持っていることがあります。この場合、管理人はこの派遣会社(要するに「下請け」ってこと)から派遣されてきます。その場合、教育研修は派遣会社内でやったりしているので、親会社のフロントマンとは「同じ会社の人間ではない」ことから、意思の疎通がうまくいかないことも多いです。(マンション住民としては「同じ会社の人間」と思われてますが) ひどいところでは「孫請け」という場合もあり、そうなると、現場の管理員は、その管理会社のことを何も知らなかったり、ろくな教育研修も受けてなかったりします。
私の個人的見解ですが、「管理会社が直接雇用した管理人」のほうが、管理会社のことを「自分の会社」と思いますから、それがベストじゃないかな?と考えます。下請けの場合でも、最低でも、「直系の人材会社からの派遣」にしてもらいたいです。管理会社とは関係のない「人材派遣会社」からの派遣は、愛社精神もゼロですし、教育研修もほぼありませんし、給料もピンハネが大きく、実際の管理人は最低賃金で働くことになり、当然ながら優秀な人材は派遣されません。
「任期」についてですが、高齢者の受け皿である管理人職は定年は高く、70歳は普通です。マンション住民から、「もっと居続けて欲しい」と要望があった場合は、特別に「延長可」といった制度を設けている会社もあります。最大延長75歳なんていうケースもあります。
マンションの中には、珍しいケースといえますが、管理会社にまかせず、完全自主管理のところもあります。世帯数30程度以下の小規模マンションでは、管理会社にまかせると1世帯あたりのコストが大きくなるため、自主管理にしてコストを下げることがあります。そういうところは、管理人が欲しい場合、管理組合が管理人を直接雇います。人材派遣会社を利用する場合もありますが、ピンハネ率がすごいため、高コストになるため、「直接雇用」する場合もあります。ただし、雇用すると、社会保険関係などがややこしくなるため、これを節約するために、違法ギリギリの「請負契約」のような形にしているところもあるようです。
この場合、管理人サイドからいうと、身分が非常に不安定になるため、定年後、「高度成長にがっぽり稼いだために潤沢な年金」をもらっているな、悠々自適な年金生活をしているような高齢者でないと勤まりません。
自治体が斡旋する「シルバーさん」を雇っているところもあります。これも非常に安価です。しかし、いずれの場合も「社会保険」や「労災事故」などでの不備があり、労働者側としては不利な条件になりますから、あまり、良い雇用形態とは思えません。人間を雇う限りは、きちんと雇用して、社会保険も完備させないといけないと思います。当然、有給休暇も付与しないといけません。
さて、このように、管理会社は管理組合から仕事をもらい、管理人は管理会社から仕事をもらっている関係になります。となると、マンションの住民は、管理人から見ると「お客様」ということになります。そういう立場で、「マナー違反の住民を注意する」といったことはやりにくいですし、実際、注意をしたら、その住民から、「お前ら、俺達の払った管理費で給料をもらっているくせに、客に対して注意をするとはなんだ!」って逆ギレされることはよくあります。ですから、「住民に注意をする」とか「住民を指導する」ということは、管理人にはやらせず、管理組合役員がやってほしいと思います。
また、「マンション住民」と「管理会社」を比較した場合、やはり、雇用関係のあるのは「管理会社」ですから、管理会社を優先することになります。そのため、「管理会社の不適切行動を、客である住民には言えず、隠さないといけない」ってこともあります。特に、その管理会社が、マンション分譲業者の直系子会社の場合、マンションの建物の「手抜き施工」を発見した時も、管理組合には、なかなか告げ口できません。
<どんな仕事なの?>
1.清掃
実際の日常では、これがメイン業務になると思います。業界大手D管理では、「おまえらは管理人じゃない。掃除人だ! しっかり一日中掃除していればいいんだ」と明言しています。
<ゴミ置き場> どこの自治体でも、週に3〜5回、ゴミ収集の日があります。今は、ゴミの分別が非常に細かく、かつ、厳密になっているため、ゴミに関する管理人の仕事はものすごく大変になっています。「ゴミの出し方のマナーを守らない人が大勢いる」「分別されていないため、回収拒否にあい、そのまま置いていかれる」「カラスや猫やホームレスに荒らされる」「外部から不法投棄ゴミを持ち込まれる」など、集積場は予想以上に汚れるのです。本来は「清掃業務」の委託契約範囲外であり、ゴミの分別は家庭内で行なわれるべきものですが、収集される前に、ちゃんと全部収集してもらえるように、管理人が「再分別・整理」をやらざるを得ないのが実情です。これが大変な労力です。大きなマンションでは、「各階ごとにゴミ集積場があり、ゴミ収集日は、管理人がそのゴミを全階から集めて、一階の集積場に運搬する仕事」なんていうのもあります。これも相当大変な仕事であり、この規模になると、「清掃専門員」が複数名必要になるでしょう。
そして、この仕事のしんどい面は、「ものすごくがんばっても何の評価もされない」ということ。昼間、仕事で外出している人には、管理人の仕事をしている姿は見えませんし、「ゴミ収集の終わったゴミ置き場は、きれいになっているのが当たり前」という意識では、その「きれいさ」の意味はわかりません。まして、マナーの悪い外国人住民が増え、ゴミ置き場の清潔維持は困難になっている今、ものすごく大変な仕事になっています。
<共用部分>
玄関ホールとか、共用廊下とか、階段とか・・・・ このへんが普通の住民が目にする「清掃作業」かと思います。
ところで、「共用部分の範囲」というのがちょっと問題です。管理委託契約書の中の契約項目では、厳密に読み解くと、「マンションの前の公道部分は掃除をしなくてもいい」となっていることが多いです。共用部分じゃないからです。しかし、現実にはそういうわけにはいかず、マンション周辺の公道や歩道も掃除しないといけません。ただ、上記のとおり、「本来の委託契約業務外」のことなので、「何メートルの範囲まで掃除する」と業務仕様書に決まっているわけではありません。その管理人個人個人の意識で「歩道は掃除するけど、その先の車道は掃除しない」と決めている人もいます。「車道は掃除しない」と決めていても、車道のど真ん中に「猫の死体」とかがあると、いくら管理人が「業務範囲外です」と拒否しても、住民から「気持ち悪いから早く始末して」「自動車がそれを避けて、交通事故が起きるかもしれないから」と言われることもあります。このように、場合によっては、マンション敷地からかなり離れた場所のものでも掃除をしたりします。
たまに、マンションのことにちょっと詳しい人が、「各部屋のバルコニーは共用部分なんだから管理人が掃除しろ」なんていう無理難題をふっかける住民のいます。無理なものは無理です。
ところで、共用廊下の手すりとかは「共用部分」だってことは誰でもわかりますが、「玄関ドアの表面」や「インターホンの機械」とか「廊下に面した窓ガラス、その面格子」なんかも、知らない人が多いと思いますが、実は共用部分だったりします。そのため、マンションによっては、それも「清掃範囲」にしているところもあります。でも、面格子とかちゃんと清掃したら、たとえ小規模マンションであったとしても、ものすごい時間と手間がかかります。また、この写真にもありますが、「電気メーターの上の部分」なんかもけっこう汚れるものです。
私個人の感覚では、規約上「共用部分」であっても、そういう部分は、その部屋の住民が掃除をすべきものではないか? と思っています。もちろん、そこを管理人や清掃員に掃除させてもいいですが、その場合は、それなりの「付加料金」を払うべきことであり、そこまで考えた、清掃時間や日数を算出するべきです。
こういう「細かいこと」は、管理委託契約書の「業務仕様書」には書かれていないことが多いです。また、労働者と雇用会社との「労働契約」の中にも書かれていなかったりするので、なにかとトラブルのもとです。きちんと細かい部分まで、契約書や業務仕様書の中に記載すべきだと、私は思います。(逆に言うと、こういうのが書面化されていない管理会社や管理組合は、「いい加減」ということです)
またまた細かい話で恐縮ですが、たんに「掃除する」というのではなく、実際の清掃業務では、その方法も問題になります。
例えば「掃き掃除」と「拭き掃除」。発音は似ていますが、実情は全然違います。「掃き」は、箒で掃くだけです。「拭き」となると、雑巾を使ったり、モップを使ったりします。労力としては、5倍くらい、「拭き」のほうが大変です。具体的には、マンションの顔である「玄関ホール」についてはしっかりきれいにして欲しいから「拭き掃除」という指定にして、階段や廊下は「掃き掃除でいいです」としている場合があります。
さらに細かい話ですが、「掃き掃除」は「掃く行為」ですから、主に地面とか床面に使う用語です。では、壁面はどうなのか? その場合、「塵払い」という用語を使用します。「各部屋の、壁面の電気メーターは塵払いする」とか使います。
また、「掃く」の手前にあたる「ゴミ拾い」なんていう用語もあります。これは、箒で掃くことはせず、「タバコの吸い殻」とか、そういう目につくゴミがあった場合に「拾うだけ」という意味です。これだと、管理人が館内巡回をしながらでも可能です。また、「共用遊び場」にある「砂場」とかも、箒で掃くことが難しいので「ゴミ拾い」という用語を使ったりします。
このように、専門的にはいろいろと方法が細分化されており、それぞれ、やり方や労力や効果が違います。業務仕様書にはここまで細かく書いておくべきなのです。
なお、こういうものは、「管理会社全体で統一すべきもの」ではなく、お客様である「管理組合」の「要求度」や「財政状況」に応じて、契約内容を変えるべきものです。例えば、当マンションのように、老朽化してきて、あちこちがボロくなると、多少清掃状況が悪くても、美観的にそんなに気になりませんから、高レベルな清掃は不要といえます。一方で、「新築出来たてできれい」「高級感あるマンション」の場合、ちょっとした汚れも目立つわけで、そういうところは、ホコリ一粒落ちていないような、丁寧な清掃が必要だったりします。その土地の住民の民度も大きな要因になります。
以前、管理会社ランキングで1位になった「長谷工コミュニティ」さんの機関紙を見たら、「当社では、面格子もきれいに掃除しています」と書かれていて、「さすが長谷工さんはすごいなあ」と感心したのですが、実際の長谷工さん管理のマンションを見に行ったら、「うちはそこは掃除しないよ」って、住民が言ってました。全社的にやっているわけでもないのに、そういうのを機関紙に載せちゃうのはアホだと思います。そこの住民がその機関紙を読んだら、「うちの面格子もちゃんと掃除しろよ!」って絶対に言い出すことでしょう。
それから、清掃は「頻度」も重要です。玄関ホールであれば、それこそ、「毎日実施」とすべきでしょうし、「階段」とか、ふだん住民があまり使わない場所であれば、「週に2回」とかでもOKでしょう。屋上なんかは「月に1回」でもいいかもしれません。こういう「頻度」も、業務仕様書には書かないといけません。
というわけで、一口で「清掃」とは言っても、このように中身は千差万別というわけです。
<除雪>
雪国では、清掃業務の一環として、「除雪作業」が業務仕様書に入っていることが多いです。一方で、めったに雪の降らない地方では、「除雪」という項目は一般的には清掃作業の中に入っていません。入っていない場合は、管理人はやりません。契約外の仕事ですから。もし、雪国ではない地域で、管理人が除雪をしていたら、それは、「管理人さんが善意で無料でやってくれている」と認識して下さい。ですから、その光景を見かけたら、「管理人さん、お疲れ様です。私が代わりますよ」と言って、住民であるあなたが除雪して下さい。それが住民の義務だからです。
<植栽>
植栽の量・面積や、経年年数(成長度ってことね)、その種類によっては、清掃作業がものすごく大変になります。
例えば「桜」。
春になると大量の花が咲き、その花びらが落下します。その掃除はものすごく大変です。(地面にこびりつくと、箒では掃けない) その後、実がなり落下します。この実は、実のままであれば掃除できますが、誰かが踏んだりして、中身がグチュウって出てしまうと、掃除は困難を極めます。そして、秋には超大量の落ち葉。このように落葉樹は清掃が本当に大変なんです。
常緑樹であっても、害虫がたかるような種類の植物だと、これも維持管理が大変です。樹の下が害虫の糞だらけになることもあります。
参考<特別清掃>
通常の「管理人や清掃員が行なう清掃作業」とは別に、月に一度程度「定期清掃」とか「特別清掃」と称して、複数名の作業員が専門の機械(高圧洗浄機とか電動ポリッシャーなど)・道具などを使って、おおがかりに共用部分を清掃することがあります。
これで、通常の清掃ではとれない、しつこい汚れをまとめて落とすわけです。これは当然、それ用の予算を組んで、専門業者(下請けがやる場合が多い)を呼んでやってもらいます。管理人業務とはあくまでも「別個」のものとなります。
なお、こういう「特別清掃」を定期的に行なうマンションでは、「どうせ、来週、特別清掃があって、機械できれいにしてくれるから、ここの部分は適当に掃除をしておいて、特別清掃に任せよう」という「調整」というか「無駄を省くための手抜き」というか、そういうことをする場合がありますが、事情を理解して下さい。
<清掃専門員の配置>
建物や敷地の構造によって違うので、いちがいに言えませんが、小規模マンション(約30室以下)や、約100室以下の中規模マンションの場合、管理人だけで清掃することは可能です。(中規模になれば、当然、フルタイム勤務が前提となります)
いっぽう、これを越えた室数になると、「管理人」とは別に「清掃専門員」を配置しないと、清掃が追いつかなくなります。200室とかになると、清掃専門員もフルタイムで働いてもらわないといけないでしょう。
※余談ですが、清掃作業というのは、住民に対して、一番目につく仕事で、「管理人はがんばってますよ」とアピールできる仕事です。このため、名誉欲のある管理人は、「清掃だけ必死にやる」という人がいます。そして、なるべく多くの住民(出勤のために玄関ホールから出て行く)の目につくように、本来の始業時間よりも早出して、玄関ホールの掃除を始める人がけっこう多いのです。ただ、プロから言わせると、こういうのは「ええかっこしいの素人」です。住民が多く通行するところで、清掃をしたらジャマだし、水を使ったりすれば、住民が転倒する危険性もあります。本来、清掃というのは、通行人が一番少ない時間帯を狙って、住民のじゃまにならないようにすべきものです。
これは「サービス残業」しているようにも思えますが、早出する管理人の中には「その分を早上がりする」人もいます。「普通に正規の時間帯を勤務しろよ」と私は思います。
2.受付業務
要するに、管理人室のデスクに座って、窓口に来る人や電話の応対をすることです。けっこう暇そうに見えますが、マンションによっては忙しいです。オートロックのマンションだと、中に入ってくる外部の人は少ないですが、オートロックでないマンションの場合、「ビラまき」「押し売り・勧誘」などが、しょっちゅう入ってきます。また、頼りにされる管理人さんは、住民の皆さんから、なにかにつけて用事を頼まれたり、相談を受けたりします。真面目で熱心な管理人さんだと、その分、業務が増えて大変です。その他にも、管理人が留守宅への荷物を一時預かりするマンションもあります。(新しいマンションは宅配ロッカーがあります)
当マンションのように、古いマンションになると、しょっちゅうどこかで「共用部分の修繕工事」が行われていて、そういう工事業者の応対もしないといけません。各部屋にしても、「リフォーム工事」が頻繁に行われますから、その対応も忙しいです。このように「部屋数が多い」「築年数が20年以上とかで古い」マンションでは、受付業務もなかなかに多忙です。
(工事業者はほぼ100%自動車でやってきますから、その車両の置き場の配置も大変な仕事になります)
<管理人はサンドバッグ>
上述の通り、マンション住民は管理人にとって「お客様」です。となると、お客様の多少のわがままには我慢をしないといけません。そういうことがわかっているマンション住民は、管理人をサンドバッグ代わりに使います。なにかムシャクシャしたことがあると、管理人に向かって悪口雑言を言いまくり、それでストレス発散をするのです。こっちが反論できないことをわかっていますから、言いたい放題です。
「最近、清掃がなってないぞ! しっかり仕事をしろ、馬鹿野郎!」とか大声で言って、「あ〜、すっきりした」と帰っていきます。
また、そういう「悪意のある人」だけでなく、単に、「愚痴を聞いて欲しい」という人も来ます。当マンションは単身高齢者も多く、他人と話す機会のない高齢者が、「無料」「じゃけんにされない」「反論されない」「じっと聞いてくれる」管理人に愚痴るのです。
管理人はこういう「精神カウンセラー」のような仕事もしないといけません。
3.点検・警備
よく、職業訓練コースなんかでは「設備点検こそが管理人業務の中心」とか教えているようですが、たしかに大事な仕事ではあるものの、私は疑問です。そういうことを教えると「私は機械が好きなんで」という管理人が集まってきます。機械のことが得意なのは良いことではありますが、実際の管理人業務は、機械以外のこと(人間の扱いとか)のほうが比重が大きいので、「機械は好きだけど、その他は苦手」という人が来られても困るのです。
管理人は最低でも1日2回、マンション内のすべての場所を巡回します。(※屋上は別で、「数日に1回」だったりします。) 階数のある大きなマンションだと、けっこうな歩数になります。マンションというのは、貯水タンクや電気室、ふだん使われない非常口など、住民の方が日常目にしない施設がたくさんあります。そういうところも見回ります。機械関係の点検は、見回りの際に、「目視点検」できるもの(「ポンプはちゃんと動いているか?」とか「消火器は指定の位置にあるか?」)はそうしますが、ひと目ではわからないものもいろいろあります。専門的な点検は、定期的に有資格である「設備点検員」が来て行います。ですから、管理人は機械に関してど素人でもできます。
「管理人が行なう設備点検」として主なものは、「管球点検」かと思います。要するに照明灯です。
当マンションの共用部には、非常誘導灯も含め、全部で200本近い照明器具があるため、平均すると、「1ケ月に5本くらい」は切れます。それの交換は大事な仕事です。ただ、その大部分は「脚立の上に乗らないと交換できない」ものなので、いわゆる「高所作業」というものであり、危険です。「脚立に乗るくらい簡単だよ」と言う人もいますが、マンションはオフィスビルとは違い、共用照明は野外に露出してますし、小さな子どもがいますから、その子があやまって脚立にぶつかることもあります。だから危険なんです。地震も怖いです。うちの場合は、清掃員さんに脚立を押さえてもらい、私が上に乗って交換します。つまり、「2人以上で作業する」ということであり、私一人しかいない曜日は、「明日交換します」ということにします。安い給料ですから無理はしません。なお、4mくらいの高さにある、本当の高所作業の電球交換の仕事もありますが、これは管理人はやりません。上述の専門設備点検に任せ、管理人は、脚立の下で、脚立を押さえる役をします。
なお、電球交換の仕事は、脚立を持って歩くため、けっこう目立って、いかにも「管理人がちゃんと働いている」という感じをアピールできるので、せこい私は、ゆっくりと、この仕事を行ないます。午前中にできることでも、午後4時くらいの「子供や奥さんたちがたくさん戻ってくる時間帯」を狙ったりする場合もあります。(ほんとセコイ)
ただ、この仕事も、徐々にLED化が進んでくると、「交換は不要」ってことになっていくと思います。管理人業務って、その中の変化(ゴミ細分化とか高齢化とか)によって大変になるものが多いのですが、これに関しては、LED化によって仕事が楽になるという、数少ないものかもしれません。
ご近所の「照明を全部LED化した」というマンションでは、「3ケ月に一個、交換するかしないか? って感じだな」って言ってました。(「4万時間持つ」と言われているLED電球ですが、一流メーカー品でも、不良品が発生するようで、数十個に1個はすぐにだめになるようです)
警備面としては、最近は犯罪も増えていますから、不審者には気をつけます。悪質な訪問商法なんかも発生し、怪しい変態警察官も出現していますから、「なるべく多く見回ってくれ」と頼まれるようになり、受付業務との兼ね合いも考えながら、巡回回数を増やす努力をしています。なお、警備の際に留意していることは、「見知らぬ人にも、大きな声で挨拶する」ということです。誰彼関係なく挨拶できるのは管理人だけですから、管理人ががんばります。犯罪者は「顔を見られる」「声をかけられる」ことを嫌がりますから、見知らぬ人がマンション内にいる場合は、相手の目をよく見て、「こんにちは!」と声をかけます。
※住民の中には、管理人を「警備員兼務」と思っている人がいますが、正式な警備員ではありません。「警備員」は法的な規制があって、ちゃんとした教育講習を受けていないとできない職種です。あくまでも別物です。ですから、危険な犯罪者がマンション内に入ってきて、鉢合わせしても、戦う必要などありません。自分の命最優先で逃げて構いません。命かけるほどの給料はもらってませんから。ただ、すぐに110番通報できるよう、巡回中でも携帯電話は身につけておくほうがいいと思います。(管理人によっては、携帯とかライトとかねじまわしとか・・・ そういう七つ道具をまとめて、ウエストバッグに入れて、常にお腹の前に携帯している人もいます)
4.報告・連絡
普通は業務日報を作成して、記録を残します。(防衛省とか財務省のように隠匿しません) 住民の方は、なにかあるとすぐに管理人に言ってきますので、けっこう書くことは多いです。 特記事項は、すぐに管理会社のフロントマンおよび理事長さんへ報告します。犯罪が多く発生するマンションでは、警察との間の連絡が多くなります。
5.管理業務補助
これ、業務仕様書の中にこういう言葉があるのですが、こういう抽象的な表現をされると、ある種「オールマイティ」であり、「なんでもかんでも管理人にやらせてしまえ!」という悪意を感じます。
これは、管理会社や、そのマンションごとに千差万別です。「管理費を延滞している人に督促をする」「簡単な経理業務」など、本来は管理会社の事務スタッフがやるべき仕事をあてがわれたり、「水道やガスメーターの検針」「郵便物の配達」など、「なんで管理人がやるの???」というおかしな仕事をやらされたり、「銀行へ行って、新たに入居する人の管理費引落登録をする」、「理事会に出席する」「総会の時に会場の設営準備をする。飲み物を買出しに行く」など、いろいろあります。「補助業務が管理人の主たる業務」になってしまうような、忙しいマンションにあたった管理人は、悲惨です。
6.その他
これは、管理会社の姿勢および管理人さんの個人的性格によって、大きく変わります。
「管理人=便利屋」と思っている住民の方がけっこういます。「うちの部屋のリビングの蛍光灯の取り替え方がわからないから手伝って」「トイレが詰まった」「(勤務先から電話で)雨が降ってきたので、干してある布団を取り込んで」などなど。本来は契約事項に入っていないことでも、頼まれることが多いです。特に、高齢女性の一人暮らしの住民の場合、「頼れるのは管理人さんしかいないのよ」と、なにかにつけて用事を頼まれたりします。「うちの嫁がだめな女でねえ・・・」と愚痴のはけ口として管理人を利用する人もいます。断るのが苦手な性格の管理人だと、どんどん仕事が増えますから、最初に「私は、決められた仕事しかしません」と宣言するほうがいいでしょう。
うちのように「高齢者がすごく増えた」マンションでは、高齢者福祉の一端も管理人が担っていると言えます。見守りみたいなこともしていて、「あの人、すごく痩せて、顔色も悪い。市役所の福祉担当に相談しないと」といったことをよくやっています。
<どういう勤務体系なの?>
※この項目は、不動産チラシに掲載されている「管理形態」のことを説明しています。「管理形態」と「管理方式」の違いは、ブログのこの記事を参考にして下さい。
1.住み込み
そのマンションの中に、管理人用の居室があり、そこを借りて住み込んで勤務する方式です。「住み込み」のことを「常駐勤務」と称するところもあります。(※ こういう用語の定義は曖昧で、法律で決まっているような確たるものはありません。不動産のチラシとかもいい加減なので、「常駐勤務」と書いてあったからと「住み込みなんだな」とか思い込まないで下さい。普通の通勤型のフルタイム勤務を常駐勤務と称する管理会社もありますし、取り扱う不動産業者がマンション管理のことをに詳しくなくて、適当に書く場合もあります)
住み込みは、以前はかなりあったのですが、最近は減っています。といっても、新聞の求人広告を見ると、まだまだ「夫婦住み込み管理人募集」の広告を見かけます。「2名で25万円」なんていう激安な給料が掲載されていて、びっくりします。どう考えても最低賃金を切っています。住み込みの場合、「住居費と光熱費は無料」のことが多いため、出費が少なく、実際の所得はそれほどひどくはないとはいえ低賃金です。「勤務時間は○時から○時」と決まってはいますが、そのマンションに住んでいるため、実際には勤務時間外にも仕事をさせられることが多く、サービス残業ばかりになってしまいます。(やめる人が多いから、求人も多いのでしょう)
2.通い常駐勤務
「通勤勤務」とか「常勤勤務」とか呼ばれることもありますし、「常駐勤務」と呼ぶところもあります。ややこしいです。とにかく、住み込みじゃなく、そのマンションまで通勤するってことです。
つまり、一般的なサラリーマンと同じ勤務体系です。基本、フルタイム(週40時間)働きます。ただし、マンション管理の業界は、世間一般からすると最下層の職種のため、完全に週休二日制にはなっていないところがたくさんあります。(会社のフロントマンは週休二日になっても、管理人はそのままです)
法律で週40時間が規定され、全国的に週休2日・週40時間勤務が広まっても、管理人とか警備員業はそこから、暫定除外されていた職種のため、週40時間になったのは遅いのです。以前は、月曜〜土曜・朝8時〜夕方5時という長時間労働が当たり前でした。
今は、週40時間ですが、それでも、「土曜日もゴミ収集があるから、出勤して欲しい」という声があり、1日あたりの勤務時間を減らして、土曜日も出勤させているところがあります。(うちもそうです) 時短促進法という法律もあり、国は「週休2日制」を唱えていますが、土日休める管理人は意外と少ないのです。良くても、隔週土曜休みだったりします。
土曜に出勤させるために、「水曜日だけ半日勤務」「火曜と木曜は午後3時まで」など、一部短縮をして、合計で週40時間に合わせるという、よく意味のわからないおかしな勤務のところもあります。
以前、「毎週45時間の勤務体系だが、残業手当を払っているから、いいのです」などと、真顔で言う、労働基準法すら知らない、救いようもないひどい管理会社が存在してました。ブラックな業界です。
なお、祝日が休みでないところもあります。祝日でもゴミ収集日にあたる場合は出勤させられるのです。常識では考えられませんが、労基法上、「祝日=休日」とはなっていないため、違法ではありません。
ただし、残業はほとんどありません。
3.巡回勤務
時間の短い勤務体制です。世帯数が50以下の小規模なマンションでは、管理人を常駐(週40時間勤務)させることはコスト的に高くつきます。そのため、「月水金のみの隔日勤務=週21時間勤務」などという体制にしてコストを削減します。普通は、ゴミ収集日にあわせます。管理会社をリプレイスする際、顧問のマンション管理士が、「成功報酬型」(管理委託費を減らせば減らすほど、マンション管理士の報酬が高くなる方式)で契約している場合、「管理人の勤務時間を減らしましょう」と言い出すことが多く、リプレイスの流行とともに、短時間勤務が増えた気がします。
その他、「週1日だけ」「週2日だけ」「月水金の午前中だけ」など、管理組合の規模や懐事情に合わせて、様々な勤務があります。アルバイトやパートの管理人さんの場合、「体力的にきついから、週3日の勤務でちょうどいい」という人もいます。また、「月・水はAマンション、火・木はBマンション、金午前はCマンション、金午後はDマンション、土午前はEマンション」なんていう複雑怪奇な勤務になって、トータルで「フルタイム勤務」という人もいます。(これが「巡回勤務」という用語の出自です)
巡回勤務は仕事の時間が短いですから、どちらかと言うと「管理人」というよりも「清掃専門員」と言ったほうが正確かもしれません。
<どんな人がなるの?>
管理人になるのに、特に必要な資格・研修はありません。もちろん「マンション管理員検定試験合格者」なんていう詐欺みたいな資格も不要です。極端な話、誰にでもなれます。(注:誰にでもなれるが、誰でも「きちんと仕事をこなせる」わけではない) 体力もさほど必要としません。最近は女性管理人が増えていると思います。ただし、少ない休みで毎日勤務しますから健康でないとだめです。上述のように、電球交換とかの仕事もあるので、背の高い人は有利かと思います。
資格要件がない代わり、給料は激安(ほぼ最低賃金)です。そのために、生活に余裕がある人しかできません。具体的には、「高額年金生活者」「奥さんが十分稼いでいる夫」「お金持ちの道楽」「リストラされて緊急避難的に就職した人」「子供が大きくなって手がかからなくなった奥さん」などです。というわけで若い人は皆無です。
賃貸マンションのオーナーが、自ら自分のマンションの管理人をやっていたりもします。このように生活レベルは幅広いです。
※最近の電子化の流れで、「PCを扱える人」という資格要件を設ける場合があります。
※「管理人はマンション管理士資格が必要だ」とか思っている、ド素人さんもいますが、それ間違ってます。
※電気とか水道に関する知識がある人は、大沢、もとい、有利です。
<孤独な仕事>
管理人は、孤独に耐えられない人にはできない仕事です。大型マンション以外では、同僚に会うことはほとんどなく、たまに会話をするのはマンション住人だけです。それも、たいていは苦情の受付ですから楽しい話ではありません。当然飲み会などもなく、退職するときもただ去っていくだけです。明石家さんまなら狂い死にするでしょう。逆に、孤独が好きな人にはいい職場です。
<「管理」という用語を誤解しないで>
「管理人」というと、「何でもやって、全部責任を負う」みたいに誤解している人が大勢います。「管理人なんだから、○○さんに注意してよ」とおっしゃる方もいます。しかし、管理人には、何の権限もありません。しいて言えば「管理人室を管理している」くらいなもので、他の場所は「管理している」とはとても言えません。見回りしているだけです。管理人が何でもできると思って、用件を押し付けられるのは迷惑です。そんな報酬はもらっていません。
管理人は、管理会社や管理組合を代表しているわけではなく、ただの”用務員”です。管理の主体はあくまでも管理組合です。
「小使いさん」だと思ってください。
「違反駐車している奴に注意しろ」と言われて、実際に注意してたとしても、言うことを聞いて駐車をやめる人なんて一人もいません。住民は管理人のことをバカにしています。「俺たちが払った管理費で食ってるんだろう。住民に文句なんか言うな!」と反撃されるのがオチです。何の能力もないのです。
蛇足:「自腹」が多いです
この仕事、意外と自腹が多いです。管理人室の中で使用する文房具が全部自腹だったり、会社から支給される清掃用品は性能が悪いものが多いため、自腹で高性能なものを買ったり。(植木鋏なんかも高額なものじゃないと、よく切れない) 「管理人専用携帯電話」とかないので、ポンプ室の中で「ポンプの調子が悪いんですよ」と会社に電話するのも、自分の携帯で、通話料は自腹で連絡したりします。
いっぽう、「貰い物」もけっこうあります。(引っ越しの挨拶とか)
管理人の身分・立場
マンションの所有形態 管理委託形態 管理員の雇用 備考 分譲マンション
マンションの所有者は各部屋の区分所有者になります。その区分所有者が「管理組合」を組織し(区分所有法という法律で強制的に作らされます)、その管理組合が、管理の主体となります。
管理会社に管理を全面委託 管理会社が管理員を雇用して派遣
(正社員 契約社員 嘱託 パート アルバイト など、身分はいろいろ)実際はこの形態が大部分を占める
管理会社の職員のため、管理会社に不都合なことはできず、会社の命令に従うしかない。組合側に不利益なことを、しなくてはいけないこともある。管理会社の直接雇用ではなく、「子会社からの派遣」とか「人材派遣専門会社からの派遣」とかもある 管理会社と管理人との関係が疎遠になり、一体感がなかったり、研修がなかったりする 管理会社に一部委託するが、管理人は直接雇用 管理組合が管理員を直接雇用
(地元自治体のシルバー人材センターなどを利用することもある)
管理会社に雇用されているわけではないため、管理会社の言うがままになる必要はない。
有給休暇、社会保険など福利厚生の不備があることが多い。
管理組合が人材派遣会社などに依頼して管理人を派遣してもらう
ピンハネがすごいので、委託費は意外と高額 完全自主管理 管理組合が管理員を直接雇用
(地元自治体のシルバー人材センターなどを利用することもある)居住者の中に人材を求めることもある
病欠や有給休暇取得の際の代務員が手配できない。
社会保険や労災保険などをいい加減にしているケース多し。管理組合が人材派遣会社などに依頼して管理人を派遣してもらう
賃貸マンション
所有者はマンション全体のオーナーであり、1社(1名)のみ。
居住者はオーナーとの間に賃貸借契約を結んで居住する。オーナー自らが住む場合もある。管理会社に管理を委託 管理会社が管理員を直接雇用して派遣
(正社員 契約社員 嘱託 パート アルバイト など、身分はいろいろ)管理会社が人材派遣会社などに依頼して管理人を派遣してもらう 管理会社に一部委託するが、管理人は直接雇用 オーナーが管理員を直接雇用
地元自治体のシルバー人材センターなどを利用することもある
オーナー自らが管理員になる 管理人が「一番えらい人」になる。思うがままにできる。
全室のマスターキーを持っていることも多い。自主管理 オーナー自らが管理員になる 管理人が「一番えらい人」になる。思うがままにできる。
全室のマスターキーを持っていることも多い。
オーナーが人材派遣会社などに依頼して管理人を派遣してもらう
地元自治体のシルバー人材センターなどを利用することもあるその他
社宅・独身寮・保養所の管理人というものも存在する。 食事の準備を担当させられるケースもある。
勤務時間による形態 住み込み マンション内に住み込む
勤務時間・曜日が決まっているが、オフの時間に働かさせることもシバシバある。
単身者の住み込みと家族(夫婦)住み込みの2種類ある。夫婦住み込みで25万円前後の給料が多い。
住居費・光熱費は無料の場合が多い。
通勤管理
(毎日)一般的には 月曜〜土曜のフルタイム勤務・週40時間労働。(ちょっと前まで、週44とか48時間とか、違法に労働させていた管理会社がたくさんあった) 日曜祝日休み 夏季休暇2〜3日 年末年始休暇 12・30〜1・3
フルタイム勤務で月給は15万程度巡回型通勤管理
(曜日・時間限定)
小規模なマンションに多い形態。
「月水金の週3日」とか「月木の週2日」とか曜日が限定される。ゴミの収集日にあわせることが多い。その1日についても、丸1日勤務の場合もあれば、午前だけ勤務という時間限定のものもある。「月〜金の午前中だけ」という時間帯限定勤務もある。
ひとつのマンションしか担当しないようなケースでは、パートかアルバイトで、時給は最低賃金。
※代務専門要員 常駐の管理員が休みを取った場合に、その代わりに勤務をする専門の要員。いろいろなマンションに行くため、場所場所により、仕事の仕方が異なり、大変。「どんなマンションでもちゃんと仕事をこなさなくてはいけないから、器用で特別優秀な人間が必要」と考える管理会社もあれば、「一時しのぎの留守番だから、誰でもいい」と、質の低い人間を配置する管理会社もあり、考え方の差が出る。
管理員の執務内容による区分 なんでも全部 (これが、もっとも一般的)
清掃・受付・事務・点検・苦情処理・逃げたペットを追いかける・・・・・なんでもかんでも
清掃ばっかり
管理員という名目だが、実際には清掃ばかりやらされている。管理事務室にいて執務することはほとんどない。清掃なし
大きなマンションでは、管理員と清掃員を分けることがあり、専門の清掃員を雇用しているマンションでは、管理員は清掃をしなくて済む。
ずっと管理事務室にいて座っていることが多い。もっと大きなマンションになると、専門の警備員も配置される場合があり、「受付」係専門みたいな管理人もいる。いるだけ (警備員みたいなもの)
清掃もせず、事務作業もせず、ただ、管理員室に人がいる。
「無人だと心配だから、とにかく、どんな人でもいいから、人を置いておいて欲しい」という要望にこたえるケース。最低賃金で老人を雇う。