管理人はつらいよ
マンション管理最前線
「マンション管理員」講習会 |
どこかのHPを見ていたら、「マンション管理人は、今人気の職業で、なるのが大変。ある管理組合が直接雇用する管理人を募集したら、100人以上応募してきた・・・」という文がありました。
う〜ん、すいませんが、成り行きでなってしまった私としては実感がありません。"100人以上"、というのはきっと、管理組合が直接雇用するということで管理会社のピンハネがないため、結果的に給与が高いからではないでしょうか? 普通の人が「これくらい差しあげればいいでしょう」と思う金額が、この業界では高待遇なのです。
さて、当マンションが建つ地域の自治体でも、職業訓練コースとして、「管理員研修」というのがあるそうです。なぜ、知っているかというと、つい先日、このマンションの集会室で実地研修があったからです。いつも使っているマンションが大規模修繕実施中のために今年度は使えず、ここに代番がまわってきたようです。
下調べにきた市の労働局の研修担当職員に話を聞いてみると、年に3回程度、2ケ月かけて研修を行うそうです。女性の参加者も増えています。ぱっとカリキュラムを見る限り、まあ立派そうな名前の講義タイトルがならんでいます。「ふ〜ん、管理人というのはこのようにたくさんの勉強をしてなるものなのか?」と自分のことを振り返り、感心しました。
研修当日、私は参考のため、集会室の会場後方からひっそりと講義内容を見学していました。事前の打ち合わせでは「集会室だけ貸してください。それから、座学のあと、敷地内施設を適当に見学させていただきますので、よろしく」という話だったのに、ある受講者から、「実際の管理人さんの話が聞きたいです」と手が挙がりました。
「ヤバイ、はめられたか?」、担当者の「なんとか頼みますよ」と拝む姿に負けて、その後、私が講師になってしまい、質疑応答コーナーが始まってしまいました。
様々な質問があり、「私のHPを読んでくれればみんなわかります」ともいえず、ひとつひとつ答えました。中でも多い質問は、受水槽とか電気のこととか消防設備のこととか、どちらかというと機械関係のことです。講義でもけっこう詳しく機械関係のことを教えているようです。(うらやましいなあ、オイラなんか全然教わってねえもん)
その方面が苦手な私は、答えに窮することもありました。しかし、「住民との接し方」とか「人間関係」とか「ゴミのマナー」など、実際の管理人業務でポイントとなることへの質問はほとんどありません。おそらく、研修の講師の中に実際の管理人さんはいないのでしょう。「管理人業務を外からしか見ていないな。甘いなあ」と私は感じました。
「真面目に答えることは真面目に答える」「適当に答えることはさらりと受け流す」感じで乗り切り、このコーナーは終了しました。「さあ、これで終わり。あとは勝手に建物を見ていってお帰り下さい」と、ほっと胸をなでおろしたのも束の間、またショックな一言。「管理人室の中も見せてください!」「そうそう、私も」「僕も」・・・。「ゲゲゲ、」鬼太郎になってしまいました。生徒の皆さん、熱心過ぎますよ。まあ、今まで、教室内で本を相手にだけ勉強させられて、初めて現場で勉強する機会が与えられ、はりきったのかもしれません。
でも、「今、管理室の室内は散らかし放題で汚い」状態でして、とても、他人をお見せできる状態ではありません。参りました。どかどかと狭い室内に40人も入れ替わり立ち代わり入ってきました。「トイレは中にあるんですね」「ミニキッチンもあるんだ。これならコーヒーも沸かせる」「いろんな書類がありますねえ」という普通の感想のほか、「競馬好きなんですか?」(おい、そんなところチェックするな。スポーツ新聞かたづけておくんだった)というグサリとくる一言もありました。
全国の管理人さん、日ごろから管理人室内は整理整頓しておきましょう。