管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 清掃員さん 


 
 私がこのマンションでなんとかやってられるのも、すべて、清掃員パートさんのおかげです。清掃員が別にいることで、管理人が清掃をする量が少なく、今まで自分の部屋の掃除もろくにしないぐうたらな私が、なんとか管理人面してこれました。これが、よそみたいに、「管理人兼清掃員」だったら無理だったでしょう。(人によっては清掃しかしない管理人もいます)
 とにかく、ここは敷地が広く、植栽もいっぱいで清掃員の業務が大変です。落ち葉も大変、花が咲いたらそのあとも大変、ペットのしつけは最悪、餌付けする住民がいますから野良猫もいっぱい集まってくるし、ゴミ出しマナーも最悪、etc...とにかく大変だと思います。おしゃべり好きの住民の相手もしなければなりません。どんなつまらないことでも、「ハイハイ、ウンウン」と聞くことが出来るのは、ある意味、特殊技能かもしれません。私だったら我慢できずに逃げ出します。

 マンションの部屋が売りに出されたり、賃貸に出されると、不動産屋が見に来ます。そしてみんなが「よく清掃されていますね」とびっくりします。おかげで「管理体制良好マンション」と広告に書いてもらえます。これもすべてパートさんの功績です。ほんと頭が下がります。

 一般の人は、”清掃”というと、「社会の最底辺の職業」とか「誰にでもできる」とか評しますが、激安給料(最低賃金に準拠。&昇給なし)で、こんなに汚い仕事、他の人にはできませんよ。真夏のギラギラ太陽の下でも、風雨にさらされる日でも、極寒の日でも、大雪が降っても、ほとんど休まずに出勤して働くのです。誰にでもできる仕事ではありません。有休だってたくさんあるのに、ほとんど腐らせています。いくら、「きれいにすることが好き」といっても、ここまではできません。

 病気で休むこともまったくありません。いつも屋外で作業するため、「体が鍛えられて、カゼもひかなくなった」とおっしゃっています。たしかに鍛えられるでしょう。
 とにかくよく働く人です。いろいろな住民の情報も清掃パートさん経由で入ってきて役立っています。なくてはならない人です。その証拠に、「清掃のおばさんに渡して」と、いろいろなお菓子やらお土産やらが住民から渡されます。住民もきちんと見ている人はいる、ということでしょう。

 「掃き溜めに鶴」といいますが、株ム下弦のようなどうしようない管理会社でも、このような優秀な献身的従業員がいるために、まがいなりにもやっていけるのだと思います。社長!感謝しろよ。


2003/5