管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 水道検針 その他 


   
 当マンションの場合、玄関ホールの裏側に「集中水道メーター」というものがあります。水道局の職員が2ケ月に1回やってきて、ここで目盛を見て、請求書をその場で印字し、郵便ポストに入れていきます。携帯型のコンピューターでパッパとやって帰ります。早いものです。

 時々、その職員から質問を受けることがあります。「管理人さん、この部屋の人最近引っ越した?」「この部屋空室だったけど、誰か入った」など。前回の目盛と大きく違う場合、原因をチェックしていくのです。というのも、もし何も変わっていないのに水道の使用料が増えた場合は、”漏水”の可能性があるためです。知らず知らずのうちに少しずつ漏れていても、トータルではけっこうな量になります。漏水はかなり漏れないと階下などに影響が出ませんから、メーターでのチェックが重要です。おかげで、空室のはずの部屋に誰かが住み始めていることがわかる場合があります。何の届けもしないで、引っ越してくる人がいるのです。(特に外国人に多い。水道局や電力会社に届けを出さずに住み始めることも多く、困りもの) 
 メーターが壊れていて使用料が増減する可能性もあります。その場合はメーターを交換します。交換後、使用料が元に戻った場合は、「前回のは払いすぎのため、何円分返しますよ」「いや、もっと返せ」なんていうアメ横の店で値引き交渉しているみたいなことが起こります。(交渉で金額決めていいんだろうか?)

 さて、この水道検針ですが、マンションによっては管理人が手作業でやっているところがあるようです。(雑居ビルに多いようです) しかし、戸数にもよりますが、いちいち手作業で計算するのはすごく大変だと思います。なんでそんな前近代的な非効率なことをやっているのか不思議です。昨年秋、会社の健康診断で会った、別の管理人さんのところはもっと悲惨でした。1〜2階が事務所で3〜10階が住居の築30年くらい、120世帯の古いマンションなんですが、ここでの管理人業務は筆舌につくしがたいです。一瞬信じられませんでした。

@水道検針
A電気量検針
Bガス検針・
・・電気・ガスまで管理人がやるところは他では知りません。水道と違って毎月ですから大変です。 

 検針と請求書作成業務で毎月丸5日はつぶれるそうです。そりゃそうです。電卓で計算して手書きで書類作っているんですから。(この人の前の管理人さんは自前でパソコン&プリンターを持ち込んで、処理していたそうです。でなきゃ無理でしょう)

C郵便配達

 これが信じられません。なんとこのマンションでは、郵便屋は管理人室のカウンターに、どさっと全所帯分の郵便を置いていくそうです。そして、その後の仕分け&各ポストへの投函はすべて管理人の作業だそうです。なんなんでしょう? 知り合いの郵便局員に尋ねたところ、「そんなことは絶対にありえない。会社の独身寮のようなもので各部屋のポストがないとか、ホテルなどの場合は、まとめて置いてゆくが、マンションでそんなことはしない。怠慢だ」と驚いていました。「昔、何か事情があってそうなって、そのままずるずる引きづっているんじゃないかな。とにかく、郵便局に言えば、すぐにきちんと配達するよ。もうすぐ公社になるし」とのこと。とにかくこの管理人さん、毎日、郵便の仕事で2時間つぶれるそうです。最悪なのは、元旦も年賀状の投函のために出勤しなければならないそうです。おかしいです。会社のフロントは何をやってるんだろう?
(案の定、この人、この春辞めました。この仕事量で給料は他と変わらないのですから、誰もやらないでしょう)

 管理人の世界も不思議です。




2003/6