管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 頭上注意 


 
 私はムダに背が大きく、ノッポです。会社支給の制服も寸足らず状態で着ております。管理人は多少見た目がだらしなくても許される(本当はダメだけど)商売なので、気にせず着ております。

 さて、管理人というのはいろいろなところに出入りします。「エレベ−ター機械室」「ポンプ室」などの機械物を扱う場所は、特に頭をぶつけないように気を使います。気をつけているつもりでもぶつけることがあるので困ります。本当はヘルメットでも欲しいところですが、ありません。ですから、帽子はかならず常時かぶっています。帽子ひとつでも、ずいぶん衝撃を吸収します。「帽子がなかったら、頭をザクッと切っていたかもしれない」という経験が何度もあります。幸いタンコブ程度で済んでいます。

 機械を扱う場所には、よく白いタオルがぶら下げてあります。これは、汗を拭いたり、手を拭いたりするためにあるものではありません。「ここに突起物があるから注意しろ」という意味です。停電時に作業することもあるわけで、危険なところにはなるべく目立つような工夫をしているのです。(といっても、10何年もそのままだと、白タオルが黒タオルになっているため、時々は新しいタオルを支給して欲しいです。

 機械以外にも、非常階段の下にもぐりこんだり、植栽の下にもぐりこんで空き缶を拾ったり、けっこういろいろな場所に入り込みます。この時も頭に注意しないとケガをします。帽子は必需品です。それから、ふだんはジャマなメガネもこういう時は助かります。突然予期せぬものが目にぶつかってくることもありますから。(虫とか)

 こうやって考えると、電灯の交換や、樹にひっかかった洗濯物などを取る時は、私のように背の高い方が有利ですが、ケガをしないためには背の低い人のほうがいいような気がします。

 管理人は、ケガしても休むわけにはいかないし、休んだって何の補償もなしだからね。


 



2004/2