管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

クールビズ いいじゃない!



6月も下旬です。暑い季節になりました。

 「管理人はつらい」といいつつも、いいことがあります。その筆頭はネクタイをしなくていいこと。なにしろ、実質=清掃員ですから、ネクタイなんかしてたら仕事になりません。

 私は生来首が短く、ネクタイは苦痛以外のなにものでもありません。「首がない」ほど短い、ライブドアのホリエモン君ならわかると思いますが、中学生の頃の学生服の詰襟も苦しかったです。
 だいたい、日本人の体型にネクタイは無理なんです。似合わないですよ。それに、気候的にも、湿気の多い日本にネクタイは無理です。沖縄にいくと、だれもネクタイなんかしてません。「カリユシウェア」といわれる、アロハシャツみたいなものが正装です。県庁の職員もみんなそれを着ています。モノレールの運転手もそうです。(写真)

 我々の世代なら覚えていますが、昔、省エネが叫ばれた時に、太平さんが、サファリルックみたいな半そでのスーツを「省エネルック」と称して着て、「カッコワリイ」と酷評されたことがあります。でも、あの発想私は悪くないと思いました。はっきりいって、モデルが悪すぎたんです。政府主導でやらずに、民間アパレル業者がもっとがんばって、スタイルの良いモデルを使って、宣伝すればよかったと思います。

 さて、今年は、政府が「クールビズ」という言葉を発案し、普及に努めています。細田官房長官もノーネクタイです。「世界中に流れる会見シーンでノーネクタイとはなんだ!」と政治評論家の三宅さんは怒ってましたが、ノーネクタイ最高じゃないですか? 三宅さんは、ああいう頭だから、涼しいのかもしれませんが、やはり、日本の夏にネクタイは無理です。私は、政府が押し付けるものはなんでも反対というヘソマガリですが、クールビズだけは諸手をあげて賛成です。

 私は昔、流通業にいましたが、ワイシャツ着て、ネクタイして、その上にエプロンというのは、なんか変です。製造業なんかでも、ネクタイの上に作業着とか着てる人がいますが、これも変です。

 今、日本の食糧自給率は40%ほどです。しかし、ペットフードの消費量がうなぎのぼりで、その分も考えると、もっと低いのでは?と専門家は分析しています。そして、エネルギーの自給率は、なんとわずか3%です。原発の危険性の問題も論議されています。「6重のガードがあるから大丈夫」とか、言ってますが、人間が作るものに、完全なものなどありません。いつか、きっと事故が起き、日本中が放射能にまみれるでしょう。原発はなくさないといかんです。ですから、電力消費量を減らすのは、国際的に日本に課せられた地球規模の課題です。

 今、電車に乗ると寒いくらいに冷房が効いています。(だから、弱冷房車なんてものがある) 男性サラリーマンは平気な顔をしてますが、女性は寒そうです。そして、立派な会社のオフィスでは、冷房温度は24度くらいになっており、女性社員は、ひざ掛けしています。おかしな、光景です。省エネの指針である28度冷房にするには、ネクタイは無理です。上着も無理です。日本の古来からの服装には、クビを締め付けるものはありません。もともと無理なんです。体型的にも気候的にも。和服には「換気機能」がありますが、洋服にはありません。

 今、地球は温暖化が進んでます。無理やり、暑い服装をする→冷房でエネルギーを消費する→温暖化が進む→暑くなる→もっと冷房を使う・・・・ と悪循環が繰り返されます。

 「当社はISO14001を取得した、地球環境問題に真剣に取り組む企業です」と、宣伝するなら、まず省エネを努力して下さい。それには、まず、ノーネクタイです。外見よりも、仕事の中身で勝負しましょう。

 ところで、我々管理人は、マンション適正化法の関係で、常時、身分証明書を首からぶらさげています。実際の業務ではジャマでしょうがないのですが、あることに気づきました。「クビから下げる身分証明書って、ループタイみたい」なんです。つまり、ノーネクタイでも、IDカードをぶらさげていると、そんなにだらしないようには見えないんです。

 山内管理人から、日本国民への提言。

 おしゃれなIDカードを作って首からぶら下げると、クールビズがもっと普及するんじゃないの?

 みなさん、考えてみてください。

(それにしても、今世界中で流行ってる”黄色いネクタイ”って、気持ち悪くないですか?)


2005/6