管理人はつらいよ
マンション管理最前線
「管理業務主任者」資格について、あっさりと |
マンションにかかわる資格の中で、代表的なのは、「管理業務主任者」と「マンション管理士」です。
マンション管理士は、「マンション管理士でなければ、これはできない」といったものが特にないです。運転免許のように、「免許がないと運転してはいけない」というものではなく、ただ、「資格のないものが”マンション管理士”と名乗ってはいけない」とういうだけの「呼称独占資格」と言われています。
マンション管理士は、合格率が10%以下の、難関資格であり、我々のような頭の悪い人間には無理です。ただ、法律に関する問題が多く、実際のマンションのことを知らなくても、マンションに住んでいなくても取れる資格であり、いわゆる「勉強のできる人」なら、がんばって受験勉強すれば合格するでしょう。有資格者の中には、「マンション管理士のくせにそんなことも知らないの?」という、眉唾の人もいて、一般の人間が考える、「マンション管理士って名乗るんだから、なんでも知ってるんでしょう」という思い込みは間違いです。はっきりいって、現場のことは、管理人のほうがよく知ってます。
マンション管理士は、どちらかというと、「マンション管理組合側」に立った資格です。「管理会社に騙されないためにはこうしなさい」といったアドバイスをします。しかし、実際の有資格者は、マンション管理会社の社員であることが多く、あまり、意味がありません。独立自営でマション管理士業を生業としている、というか、それで飯が食える人、というのは、マンション管理士全体の1%いるかいないかじゃないでしょうか? マンション管理士が行なうアドバイス業務というのは、「不動産コンサルタント」業の人でもできますし、極端な話、私でもできますし、「マンション管理士だけができる」というものではないので、ありがたみがなく、金にならないのです。(資格誕生にかかわる政治的取引が原因でもあります)
さて、マンション管理士が「組合側の立場」「この資格がないとできない、という必須のものではない」という性格であることに対して、「管理業務主任者」は、マンション管理会社を経営するなら、必須の資格であり、これがないと会社経営ができません。(といっても、一定の割合で置けばいいので、”社員全員が有資格者でなければいけない、というものではない)
「管理業務主任者」という言葉だけだと、「何の管理だよ!? 生産管理か? 資材管理か? いろいろあるだろう」と突っ込みたくなる、おかしな名称ですが、「マンション管理」のことです。これは、この資格がないと会社が運営できないことから、初年度は試験が甘く、合格率は40%くらいありました。(難関試験にすると、マンション管理会社が有資格者がいなくて困るから) 今は、けっこう難しくなり、合格は大変です。といっても、マンション管理士ほどは難しくないので、管理人の中にも有資格者がいたりします。
先日、高管協のHPを見ていたら、東京・埼玉・千葉では、管理人の講習会を開催していて、修了者〜管理人就職希望者のリストが掲載されていました。といっても、東京に数人いるだけで、千葉埼玉はゼロでした。(わが県では、市の高齢者雇用推進協会で講習会を開催しています) これが、「この研修を受ければすぐに就職できるほど、有利な研修」なのか「誰も受けないから、修了者も少ない」のかは、わかりません。さて、この東京都の数人の中には、管理業務主任者資格を持っている人が2名ほどいました。すごいですねえ。えらいですねえ。でも、資格持っていても、きっと給料は15万円程度ですよ。資格手当とかないと思います。それに、「インテリの人は、会社の方針に反対するから困る」と逆に採用を敬遠されるかもしれません。何にもしらずに、黙々と清掃する人のほうが扱いやすいですから。
さて、近所の知り合いの管理人さんが、「俺んとこ、暇だから、今年の年末に試験を受けようと思うんだよ。時間はたっぷりあるからね」と言ってました。その年(65歳)で、向上心があるとは敬服します。そこのマンションは、ゴミ置き場が地下にあり、きちんとハードが分別に対応していて、24時間いつでも出せるようになっています。当然、カラス猫の被害もなく、ゴミ専用の清掃パートさんもいて、管理人が楽なんだそうです。そんなんで、この人が問題集を持っていたので、私もちょっと解いてみました。
私は流通にいたため、会計のこととかは簡単でしたが、ひとつ悩む問題がありました。「”管理組合で、町内会の会費を徴収し支払った” これは正しいか間違いか?」というような問題でした。現場にいる人間からすると、「正しい」なんですが、正解は「間違い」でした。
管理組合と町内会は別物であり、組合で町内会に関することはすべきでない、という意味らしいです。でも、現実問題として、居住者を全員町内会員に加入させ、管理費から町内会費を支払っているマンションはたくさんあります。公団の団地などでは、管理組合=自治会という、完全に一体化しているところだってあります。この設問って、実際の管理を知っている人にとっては、ひっかけ問題じゃないでしょうか?
出題者は、マンションの現実を知って欲しいです。交通法規だって、時速40キロ制限の道路で、40キロを忠実に守っていたら、道路の流れを乱すでしょう。実際は50〜60キロでみんな走ってるんですから。それと同じです。最終的には現場の問題に役立つための資格なんだから、現実に即して欲しいです。「規則を守らない住民に対してはどうしたらいいか?」みたいな設問はまったくありません。
とりあえず、私も受験してみようかなあ? 忙しくて勉強できるかどうかはわからないけど。
でも、受験料高いなあ。どうせ、これも建設省天下り役員の給料になっちゃうんだろうなあ。9000円近くするんですよ。マークシートなんだから、3000円くらいでできるはず。ボッタクリ! それに合格発表になんで1ヶ月以上かかるかなあ? 電算機にパッと通すだけでしょ。翌日発表できるはずなのに。小泉君、小さな政府にするんじゃなかったっけ? 行政改革はどうしたのかな? 何もしてないじゃん。
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