管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

”やりっ放し”  一人勤務の欠点を補う知恵


 
 宝くじ売り場の店員さんなど、特殊なケースを除き、「自営業でもないのに、常に一人だけで勤務する。同僚と話すこともない、という職場は珍しいのではないか?」 と思います。
 「孤立無援」のページを見てもらうとわかるのですが、「単独勤務ゆえに犯すミス」というものが少なからずあります。そこで、そういったミスを減らすために、ない頭をしぼって考えた手段があります。

「全部完了するまでは、片付けない。やりっ放しにする」

という方法です。
 
 例えば、現在、週に2回のペースで行なっている「管球類(電灯のこと)の点検」。日中は電灯は消えているので、一時的に電源をONにしないと点検できません。そのため、配電盤を開いて、「全ON」というスイッチを入れて、それから点検します。私の場合、この時に、配電盤のふたを閉めずにあけっぱなしにしておきます。いったん閉めるのが普通ですが、これだと、忘れてしまうことがあるのです。
 点検だけに集中していれば、さすがに頭の悪い私でもミスすることはないんですが、管理人という仕事は多岐に渡ります。スイッチONして、全箇所の電灯をチェックしている時に、住民に「あの〜、来週リフォームしたいんですけど・・・・・」といった質問をうけ、長々とその説明や書類配布をしているうちに、電灯点検をしていたことを忘れてしまう場合があります。(痴呆が始まってますから) 忘れたまま管理室に戻り、そのまま室内で執務します。その際、マンション内の共用部の電灯はずっと、昼間にもかかわらずついたままです。普通の複数員勤務職場であれば、別の人が、「あれ、管理人さん、電灯点検してたんじゃないの?」と注意してくれるでしょうが、単独勤務ではそういうことはありません。住民の皆さんも、「あれ、今日は電灯点検の時間が長すぎるんじゃないの?」と、ちょっと疑問に思う人もいるでしょうが、わざわざ私に注意してくれる人もいません。となると、気がつかないまま、何時間も「点灯しっ放し」ということもありえます。こういうミスを防ぐために、配電盤の扉をわざと開けっ放しにしておくのです。そうすれば、「電灯点検中」であることを忘れて、管理室に戻っても、「あれ、配電盤の扉が開いたままだぞ・・・・ あ、そうか、点検してたんだ」と気がつくわけです。

 とにかく、管理人の仕事というのはいろいろと忙しく、「今日は集中して○○をやろう」と思っても、中断されることがしばしばあります。その中断が長いと、私のように頭が弱い人間はその前にやっていたことをぽっかり忘れてしまうのです。ですから、引き出しから書類を取り出して、事務作業をする際にも、 その引き出しをひっぱったままにしておきます。「そこから何かを取り出したんだぞ」ということをわからせるようにするのです。映画「博士の愛した数式」に通じるものがあります。

 現在は、「やりっ放し方式」の他にも、「まだ終わってないよ箱」というものを新たに用意して、事務作業の途中で呼びだされた時等に、その書類を「箱」に入れてから、管理室を出ます。また、「暇ができたらやろうコーナー」というのもあって、外からは見えない壁面に、「駐車場利用者写真入リストを作ろう」といったメモを書いて貼っておきます。とにかく、思いついた時に紙に書いて貼っておかないと、せっかくいいアイデアを考え出しても、すぐに忘れてしまうからです。」

 一人勤務というのは、気楽な面もありますが、中高年の仕事ゆえ、このように、注意しなければいけないことも多々あります。これから管理人をする皆さんは参考にしてください。

 


2007/2



孤独に耐えろ!



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