管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

FAX買ってよ 


 「備品」の頁でも書きましたが、管理人室内の電話回線・電話機は管理組合のものではなく、管理会社のものです。電話料金も管理会社が払っています。「古いマンションはつらいよ」ということも、他頁で頻繁に言っていますが、電話機に関してもそうなのです。
 
 他の管理会社のマンションでは、新旧にかかわらず、ほぼ100%、FAXがあります。「3万円も出せば立派なものが買える」「その利便性」を考えれば、当然のことです。掲示物を瞬時に、会社から管理人室へ送ることもできます。

 しかし、ケチケチが信条のわが株ム下弦のマンション現場には、FAXはないのです。私が赴任してきた時、机の上にあったのは、大昔の黒電話。ダイヤル式です。重いです。それも、ジーコジーコが遅い遅い。携帯にかけるときなど、090などダイヤルしたらすごい時間がかかります。もちろん、リダイヤルもなし。コードレスでもないです。いまどきのハイテク電話機に慣れてしまったら、使いにくくてしょうがないです。骨董品です。

 今の時代、事務所にFAXがないというのは信用してもらえません。取引先や関係機関も、「FAXありますか?」などと聞くことなく、「じゃあ、その件はFAXで送ります」と自然に言ってきます。「ちょ、ちょっと待って、実はFAX無いのヨ」と恥ずかしながら言い出さなくてはなりません。管理会社との連絡も、電話で済まないことは、すべて郵便でやり取りします。手間も切手代もバカにならず、時間もかかります。

 「FAX買ってよ」と会社にお願いしても、「よその現場も、みんな黒電話で我慢している。君のところだけ特別扱いできない」と断られました。業務の効率性を無視したケチ加減にはあきれました。数回お願いしてもだめなため、シビレを切らして、自費で買ってしまいました。紙代やインク代もかかるため、痛い出費ですが、仕方ないです。

 コードレスホン付FAXを買ったのですが、威力は抜群です。業務効率も向上し、おかげで恥をかかなくなりました。「数字や日付などの言い間違い」もなくなりました。証拠が残るというのは確実です。見積書なども簡単に送ってもらえ、便利至極。コードレスもすごい有用です。先日、害虫が発生したときは、その現場で虫を見ながら、消毒会社と話せました。留守番電話も便利です。巡回や清掃中にかかってきた電話でも用件を残しておいてもらえます。住民サービスが飛躍的に向上しました。

 副産物もありました。「スピーカーフォン」機能付という機種を買ったのですが、スピーカーから声が出た状態で通話ができるため、同時に複数で会話できます。
例えば、住民が管理人室にやってきて、「ガス会社に電話して、くわしいことを聞いてくれない?」というようなケースの場合、今までは、相手から聞いたことを通訳のように復唱し「**のように言っています」と住民に伝えていたのですが、今はその必要はなく、同時に話せます、ずいぶん便利になりました。こんな便利なものがあるのに、いまだに黒電話しかない現場がほとんどとは、梶u飯下弦」は非効率な会社です。(でも、「ISO9001取得した」、とえばってるんですが。う〜ん理解できない。)