管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

”激太り”管理人の悲劇




 知り合いの管理人さんのお話。私と同じで、前の会社をリストラされて、畑違いの管理人業をしています。その人はちょっと離れたマンションで働いているのですが、以前、昼休みになじみの定食屋でよく会って話をしたものでした。その定食屋がつぶれてからはほとんど会うことはなかったのですが、つい最近、2年ぶりくらいでしょうか、某ファミレスで再会しました。

 最初は、向こうから声をかけてきました。「お〜い、ひさしびりだねえ!」(ちょっと訛ってます) しかし、私は気がつきませんでした。「え? おたくどなた?」「何言ってるんだよ。S木だよ。○○マンションの・・・」 「あ? あ〜、S木さんか。どうも・・・」

 なんで、すぐにわからなかったかというと、S木さん、以前と比べ、すごく太っていたからです。なんでも2年間で25キロ太ったそうです。ご自分でも「こりゃまずい」と思って医者に行ったそうですが、「ストレスが原因じゃないの?」と言われたそうです。彼が言うには。


「2年前に引っ越してきた新しい住民の中に、卑劣なクレーマー奥さんがいて、その人のためにすごく苦労して、ストレスがひどくなった。今はそういったクレーマーが5人もいて、仕事がつらい」

「ゴミ分別が面倒になり、仕事が倍増し、忙しくなった。住民が全然ルールを守ってくれないので、ストレスがひどくなった」

「それまでは、週休2日のため、土日に好きな山登りにいったり、スポーツをしたりして、体を動かしていたが、土曜日にもゴミの回収が行われることになったら、1日あたりの労働時間を短くする代わりに、土曜日も出勤になり、日曜しか休めなくなった。このため、レジャーに行くことができなくなり、日曜日は疲れて寝ているだけになって、体を動かさなくなった」

「2年前に奥さんが脳障害で倒れ、半身が不自由になり、料理を作れなくなった。S木さんは料理が全然だめなので、それ以後、ほか弁ばかりになった。」

「会社が不況で、給料が減った。このため、栄養のバランスなど考える余裕がなく、安いジャンクフードが多くなった」

「ストレスはたまる一方なのに、暇もお金もないために発散することができずに、安い発泡酒とスナック菓子でまぎらわすことが多くなった」


といった、もろもろの原因が彼を太らせたそうです。悲劇です。


 「自分でそれだけ分析できているのなら、やせられるんじゃないの?」と聞いたのですが、「わかってるんだけど、生活を変えられないんだよね。スポーツジムに通ってたのも、貧乏のためにやめたしね。好きな水泳も全然やってないよ。家でも、ただ、テレビ見て、寝てるだけ。妻の介護だけで精一杯だよ」とのこと。

 お金持ちだから太っているのではなく、彼の場合、貧乏だから太ってるんですね。そういえば、アメリカでも、貧乏な町にはデブが多いです。

 管理人はつらいなあ。


2007/7




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