管理人は超つらいよ　　　
マンション管理最前線

制服が変わりました

　

　前回、フロントマンがやってきた際、新しい制服を持ってきました。事前に何も聞いておらずちょっと驚きました。古くてボロボロになったから、というわけではなく、全社的にイメチェンしたようです。デザインや色も、ガラっと明るく垢抜けたものに変わりました。

　今回の変更は「エコマーク商品に変えた」というのが大きいようです。「環境に配慮した企業です」と宣伝したいようです。でも、まったく違ったデザインのため、今までの制服は今後着ることができません。結局処分するようです。これがエコなのかどうか？　よくわかりません。

　ちょっと困ったのは、エコマーク衣類というのは、「ペットボトルから再生されたポリエステル繊維を半分以上使用している」もので、エコはいいんですが、肌触りが非常に悪いんです。特に夏服は素肌に直接着るものですから、チクチクして気持ち悪いったらありゃしない。人によって感じ方は異なるでしょうが、少なくとも、私と清掃員さんの二人には不評です。

　制服は夏用とスリーシーズン用の２種類あります。そして、各種２枚ずつ支給されます。（洗濯するため）　今回、スリーシーズン用は従来よりも生地が厚くなりました。「冬用」といったほうが適切かもしれません。これだと、春や秋は暑いような気がします。夏服は当然薄くてペラペラなんですが、困ったのは「夏服も長袖。半袖がない」ということ。従来品は半袖だったのですが、「半袖で肌を露出すると怪我をしやすい」とのことで長袖になったらしいです。たしかに、我々も、ゴミの整理をする時は、どんな危険なものが中に入っているかわからず、また、薬品でケガをすることもあるため、長袖のほうがいいと思っております。ただ、その他、普通の巡回の時などは、長袖は暑いです。結局腕まくりをして、無理やり半袖にしています。

　デザインや色がまったく別物になったため、今のところ、住民が私たちを見るたびに驚きます。「あれ？　服変えたの？　管理人さんだってわからなかった」と言われたり、何かの工事業者と勘違いされたのか、「ちょっとアンタ、このマンションは勝手に入ってきちゃだめなのよ」と住民に怒られたりして、まだ混乱してます。でも、「制服が変わりました」と掲示を出すのもなんか変だし。慣れるまで辛抱です。

　今度の新しい制服で、便利になったのは、ポケットがいろいろと増えたこと。管理人って、けっこういろいろな物を持ち歩きますから助かります。でも、失敗したのは、ポケットにティッシュを入れたまま、洗濯してしまったことです。洗濯前のチェックでそのポケットを確認するのを忘れていました。ティッシュって、洗濯すると悲惨なんです。ちりジリバラバラに洗濯槽内に広がって、いっしょに洗ったすべての衣類にこびりついてしまいました。この後始末が大変でした。気をつけねば。

　それにしても、制服の変更というのは、事前に現場スタッフの意見を聞いてから決めて欲しいと思います。しょせん、我々は意見を聞く価値のない職種なんでしょうかねえ？

　ところで、「うちの会社、大丈夫かなあ」と情けなくなったことがあります。全社的に一斉に制服を新調したはずなんですけど、私たち二人に支給された服は、どうみても新品ではありません。つまり、お古なんです。お古の胸の部分に、会社名を書いた布を貼っています。ズボンも少し短いです。ツンツルテンです。
　管理員や清掃員をバカにしてお古なのか、それとも全社的にお古なのかはわかりませんが、せっかくイメチェンするのなら新しい服を着たいです。昨日、毎月設備点検に来る設備課の社員が来ましたが、彼の着ている制服（やはりお古）は、ちょっと見にはほぼ同じですが、よく見ると、微妙に違うデザインでした。「職種が違うから違う」ではなくて、そこらじゅうからお古を集めたから微妙に違うんじゃないでしょうか？　

　シャキッと新品を着たかったなあ。贅沢かなあ。




（そういえば、昔、プロ野球日本ハムファイターズの選手で、「新入団選手なのに、ユニフォームがお古だった。なんてケチな会社なんだ」（同じ体格の選手だとお古だそうです）と嘆いていた選手がいました。それもひどいなあ）


　

2006/7