管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

直前確認がない この業界





 マンション管理業界がいかにいい加減な業界か、ということは、当サイトの読者の皆さんは重々ご承知のことだと思います。

 他の業界から急に飛び込んだ私にとって、不思議な点があります。それは、「直前の確認というものがない」ということ。以前の会社では、そんなこと考えられませんでした。たとえば、地方の支店に出張する場合、その出張が1ケ月前に決定したことだとして、2〜3日前になれば、相手先に電話して、「では、○○日○○時にうかがいますので、どうぞよろしく」と電話くらいするものです。今なら、メールを送信するでしょう。このときに、「実はちょっと変更点があって・・・」といった話になることもあり、変更に関しては事前に対応をしておくことができます。このように、直前確認(挨拶ともいえる)は、最低限のビジネスマナーだと私は思うのですが。

 それが、この業界だと、直前確認はまずありません。

「雑排水管清掃」・・・・日程は、半年前くらいに決まっています。そして、当日になるまで、一切事前の連絡はありません。作業当日の朝、業者が急に、「すいません。今日はいつもと違って、東棟から作業を開始します」とか言い出しました。例年、「西棟→東棟」の順で行なっているため、西棟の住民に対しては、「おそらく午前中に行きますよ」と伝え、東棟の住民に対しては「午後ですよ」と伝えてあります。それが、順番が逆になったら、訪問する時間も午前と午後が反対になります。当然、住民からは「なんで去年と違うの? 話が違うじゃないの!」と苦情の嵐です。こういった変更というのは、3日前程度までに教えてもらえれば、なんとか準備できるのですが、いくらなんでも当日の朝はひどすぎます。

「小さな修繕工事」・・・・発注時に、「作業車は1台です。1台分の駐車スペースを確保しておいてください」と言われていたので用意していたら、当日の朝に来たのは、全部で3台。そんなの置くところないですよ。

「植栽の消毒作業」・・・・当日の朝になっても、来ません。昼になっても来ません。作業をする会社に電話をしてみると、8日(発音では「ようか」)と10日(発音では「とうか」)を聞き間違えたそうです。口約束だけで発注した、管理会社のフロントにも責任があります。日付だけでなく曜日もあわせて話せば間違えることはないのに。また、こういった、「(雨天時に中止になる) 天候に左右される作業」というのは、それこそ、前日に確認電話をするべきです。こっちは「小雨程度なら問題ない」と思っても、業者側は「雨の予報の時は、前日の段階で中止する」としている場合もあります。意思の疎通がうまくいかないのです。

「突然来るフロントマン」・・・普通だったら、「明日行きますから」とか、せめて、当日の朝に「今日、そっちに行くから」とか、予告の電話をするものだと思うのですが、絶対にありません。今までに、何人ものフロントマンとつきあっていますが、誰一人直前連絡をする人はいません。「突然行って、仕事の様子をチェックしてやろう」と「抜き打ち検査」するのなら、わかりますが、そういう気もないようです。
 理事長が管理人室に現われ、「○○さん(フロントマン)、こっちに来ることないかなあ? ちょっと折り入って相談したいことがあって、電話だといつもせわしないんで、会いたいんだけど」と言われ、「すいません。今月はもう来ることはないと思うんですけど・・・・」と私が返事をして、理事長が帰っていった1時間後にフロントが突然やってきた時など、どういたらいいんでしょうか? 会社に渡す書類を郵便で送った直後にあらわれたこともあります。切手代200円無駄にしました。また、私が市役所へ所用で行って外出中に現われて、あとから、「話したいことがあったんで行ったんだけど、外出中だったねえ」と言われても。


 しっかりやりましょうよ。この業界。

 

 


2008/4