管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

”派遣労働”の問題と管理人


 今、労働問題が国の重大課題になっています。特に、急激な不況に起因する「派遣切り」が深刻です。しかし、マンガばかり読んで、義務教育程度の漢字も知らない総理のもと、国は何もしてくれません。公務員は、自分達が肥え太ることしか考えていません。

 「日本人が贅沢になって、仕事のえり好みをして、3K職場につかない」という側面もありますが、とにかく、失業者が増えています。内定取消といった悲劇も多数生まれています。

 さて、我々マンション管理人業。昔は、「管理会社に雇われたパート社員。嘱託。契約社員。アルバイト」が多かったです。高齢者が大部分という事情から、まず正社員という人はいません。今は、どこの大手管理会社も、自前の「人材派遣会社」(子会社)を持っていて、そこから派遣されてくるケースが多いです。マンションとは直接関係のない一般的な人材派遣会社からも来ます。普通のマンション住民は、この仕組の詳細を知らないため、「四井不動産に管理を任せたのだから、管理人も四井不動産のスタッフなんだろう」と勝手に思いますが実際は違うケースが多いです。

 このように、雇用関係が複雑になると、いろいろと不便なことも起きてきます。例えば、住民から管理人の苦情が発せられた場合、「住民→管理会社フロント→派遣会社→管理人本人」という系統で伝わります。管理会社は、「管理人のことは派遣会社にまかせっきり」というようにしているところも多く、管理会社のスタッフで管理人の実情を知る人も少なく、ちゃんと事例を把握できません。間にもう1社入ることによって、苦情の伝わり方もおかしくなります。
 こうなると「伝言ゲーム」のように、途中で話の内容が変化してしまう、正確に伝わらない、ということがよく起きます。

 直接雇用がいいと思うんですけどねえ。


2008/12