管理人はつらいよ
マンション管理最前線
証明写真の撮影は自腹 |
民主党の公約違反という大犯罪は、まれにみる悪質なものですが、なかでも、一番期待をしていたのを裏切った、「おまえら、全員切腹ものだ。死して屍拾うものなし」という「裏切り」は、
「最低賃金を1000円に上げます」という公約。
平成23年に最低賃金は上がったけど、その中身は「12円程度」というもの。全国一高い東京都だって、16円上がって「837円」。公約の「1000円」には到底及びません。
最低賃金1000円というのは、国民の生活水準の面からも、ワーキングプアをなくす面からもすごくいいことで、「いろいろな福祉対策を考えるよりも、真っ先にやるべきもの」と私は考えていましたが、結局、「自分が主役の民主党」にとっては、どうでもいいことだったのかもしれません。もうすっかり、水平線の向うに忘れ去られています。
マンション管理業界とか、ビルメンテナンス業界というのは、この、最低賃金で働く人が多く、民主党の公約が守られれば、この業界の人の多くが喜んだのですが、みなさん、裏切られてがっかりです。
さて、国は、「与えるほう」に関しては裏切りますが、「しぼりとる」ほうに関しては、しっかりやります。
そのひとつが、マンション管理適正化法で定められた「マンション管理に従事する者の身分証明書をきちんと作成しなさい」というもの。
こういうことは大事なことだけど、管理会社からすると、「今までなかった、余計な経費がかかる。経営コストを圧迫するもの」になります。
この身分証明書が今、全国的に「3年の1度の更新時期」になっています。そして、身分証明書には当然、「顔写真」が必要です。
普通の会社なら、「会社でお金を払うから、近くの写真屋に行って証明写真を撮影してきなさい」と指示します。現に、うちのマンションの周辺のマンションの管理人さんは、「この前の全体研修会の時に、写真屋が出張してきて撮影した」とか「近所の写真屋に行って撮影してきた。その領収書でお金をもらった」「近くの機械式のスピード写真で撮影してきた。その領収書で・・・・」と、皆さん、言ってますが。
当社では、「自腹で頼むよ」という指示なんです。
時給700円程度で働かせておいて、「800円」の証明写真を自腹で撮らせるって、どういう会社でしょうか?
実は、3年前の更新時期の時もそんな話をしてまして。そうしたら、デジカメに詳しい、別の管理人さんが、「簡単なものでいいなら俺が撮ってあげるよ。写真専用用紙のお金と、インク代で、そうだなあ、1枚100円くれればいいよ」と言ってくれて、彼にお願いしました。ありがたいものです。持つべきものは友人知己です。感謝感謝です。
でも、今、その管理人さん、辞めちゃって、いないだよなあ。さて、今回はどうしようか? プリクラじゃだめかなあ。300円で撮れるんだけど。
せこいことで悩んでいる管理人です。