朝日新聞 1/24 配信記事
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一般社団法人マンション管理員検定協会は、マンション管理員やその希望者と、管理会社をはじめとする管理員を求める企業とをつなぐ人材マッチング支援サー ビスを行う。マンション管理員やその希望者(管理員など)と、管理員を求める企業をそれぞれ会員化。会員企業からの人材募集やセミナーなどの依頼を受け て、管理員などに情報配信するほか、管理員などの就職支援としてキャリアアップ講座や履歴書の書き方、面接対応などの教育を行う。2月1日に会員申請受付 を開始。早ければ年度内にもサービスを本格化させる。

 同協会によると、団塊世代の再就職希望者などを中心にマンション管理員希望は多い。一方、企業側にとっても、居住エリアなど必要な管理員の条件をもとにピンポイントで打診できるデータベースには需要があるという。

 会員への加入は、管理員など一般会員が入会金1万2000円、年会費6000円。マンション管理員や就職希望者が対象だ。企業会員は入会金無料、年会費5万円。マンション管理会社やビル管理業者、清掃業者などが対象となる。
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最初の文を読んだとき、てっきり「無料(もしくはすごい安価)でやる」とばかり思ってしまった。「資格商法を反省して、少しはまともなことをやる気になったか」と喜んだのも、束の間。

おいおいおい、入会金12000円 年会費6000円???? 金とるのかよ。ていうことは、講習なんかも当然有料なんだろうなあ。 どこまで「金 金 金」なんだよ。イアンソープかよ。

何回も言ってるけど、マンション管理士だけで、管理人を教育することは無理。
同じ、スポーツでも、「ゴルフの石川遼」が「横浜ベイスターズの監督」をやるようなもんなんだから。

社団法人といいながら、やってることは、結局「リクルート」なんかと同じジャン。手配師だよ。
それでなくても、給料の安い管理人から、金を掠め取るなんて、極悪非道だよ。管理会社も、もともと少ない人件費の中から、検定協会に多額のお金をかすめとられたら、管理人に払う給料が減って、結局、マンション管理人の待遇が悪くなるってことじゃん。これじゃ、協会の設立趣旨の反対だよ。


<2012/1/27> 本当の仕事内容、わかってるの?
http://www.m-kanken.or.jp/02/02.html
ここに、「マンション管理員の1日」というページがあって、そこには具体的な仕事内容が書かれているが、この項目は、どこででも手に入る、「管理委託契約」の雛形から転載されたもので、これを見ると、「現場の実情をわかっていない」ということはすぐにわかる。

まず、「ゴミ出し立会い」という仕事。
昔、ゴミの分別がなかった頃は、この書き方で良かった。たしかに、ゴミ収集車が、ゴミを積み込むところに立ち会っていただけで良かったから。しかし、今はどこの自治体でも「ゴミ分別」は、非常に細かく、うるさくなっている。現場で働く管理員は、ゴミ収集車が来る前に、ゴミを全部チェックして、明らかな違反は前もってはねておく。また、収集の際には必ず「違反ゴミ」が出て、「回収拒否」に合うため、これの事後処理をしなくてはならない。場合によっては、袋を開けて、中身を全部取り出し、1品1品、分別をしなおすという、気の遠くなる重労働をしなければならないこともある。このように、現代の「ゴミ」は、「立会い」だけで済むような簡単な仕事ではない。

次に、このページには「住民からの苦情受付」や「ルール違反住民への注意」という項目がない。実は、実務上の管理員業務で、一番、苦労するのがこのことである。「気苦労」という点ではすごい負担になる、疲れる仕事である。管理人は、マンション管理の最前線だから、住民からの苦情やクレームは、マシンガンの弾丸のごとく、バンバン飛んでくる。また、ルールを守らない住民に対しては、「管理人から注意しておいてやめさせろ」という命令が下される。理事長や役員は、自分が逆恨みされるような仕事はけして自分ではやらない。管理人に丸投げである。しかし、「住民が払う管理費で養われている管理人」は、立場上、住民を叱れるような立場ではない。注意をしたとしても、「俺たちの金で給料もらってるくせに、何を言いやがる!」と反論されるのがオチだ。そういう、一番疲れる、嫌な仕事のことを、このページには書いていない。

この協会は、受験者の中に「マンション住民の人たちが実情を勉強するためにも、この資格は最適です」と言っているが、実情を知らせるなら、上記項目をきちんと書き入れるべきであろう。実務を知らないから書いていないのである。




猛省を求めたい。

<2012/2/3> 節分なので「鬼は外」にひっかけて、ここの理事長日下部氏を調べてみます。

http://kusakabe-r.seesaa.net/
公式ブログ。2010年1月で止まったまま。マンションというのはずっと長い間面倒を見ないといけないものなのに、中途半端に投げ出す人間に管理できるのだろうか? ブログの中の自分のHPへのリンクはリンク切れ。

http://office-kusakabe.com/index.html
オフィス日下部、公式HPはこんな感じ。「ただいま作成中です」 やる気があるんだかないんだか。とにかく「いい加減」な性格はわかった。

https://twitter.com/#!/kusakaberie
ツイッター。10/1/11に「国交省のモデル事業資料作成をしています!」と1回つぶやいただけ。その後はなんにもなし。そのわりには、プロフィールとかちゃんと作ってるのになあ。「国の仕事をあたしはやっているのよ」自慢したかっただけか? そのプロフィールで書いてあるHPのリンクは、なんとリンク切れ。

http://bb-relife.jp/interview/vol0146_2.html
企業家を特集するHPに詳細な記事が出ている。
「それに将来、マンション管理士として独立するためには、相手側を知っていた方がより望ましいだろうと考え、マンションの管理会社に転職したというわけなんです。」
最初、銀行に勤務していたが、マンション管理士起業を念頭に、管理会社へ転職したようだ。この人最初から、マンション管理士が目的だったんだな。
「その会社には6年ほど勤めていましたが、ずっと働きながらマンション管理士の団体に参加していました。管理会社での業務以外に、団体内での個人活動として セミナーや研修の講師依頼なんかを結構いただいて、気づいたら研修の企画立案や講師も含め、年間100本位に関与していたんです。さすがに精神面では充実 していたのですが、体力・時間的に管理会社の仕事との両立ができなくなってきたので、独立しました。」
マンション管理会社でしっかり仕事をしていれば、こんな副業なんかできる余裕はないはずなのに、「年間100本に関与」って、管理会社の仕事なんかいい加減にやっていたのが想像できる。
私は、他のサイトの紹介の記事から、「管理会社で一生懸命やっている時に、マンション管理士の資格をとって、それで独立した」と勘違いしていたが、この人にとっての、「管理会社勤務」は、経験を積むための単なる腰掛だったのかもしれない。これじゃ、マンション管理の肝であり、最前線である「管理人」のことを詳しく知らないのも理解できる。

「 「儲けよう」とか「事務所を大きくしよう」とはあまり思っていません。むしろ「人の役に立ちたい!」「困ってる人を助けたい!」など足りないところを補えるようなアドバイスができたらと思っています。」
よくもまあ、こんなことを言えるよなあ。今、やってることはまさしく「金儲け」だけじゃないか。困っている人を助けたいのであれば、我々管理人サイドに立ってもらって、激貧待遇を改善するように協力して欲しい。今、日下部氏がやっていることは、マンション管理人という職業の「経費を増大させる」行為であり、このコストが将来的には、「ますます管理人の人件費削減につながる可能性がある」と言える。我々、マンション管理人たちが望んでいる待遇改善とは逆行するだろう。
「管理会社勤務時代の管理員指導経験を活かし」
あのさ、管理会社の人間がちゃんと管理人を指導できると思っているのかなあ? ここからしてアホだと思う。指導の一端はできるかもしれないが、全部は無理だよ。人生経験豊富&管理人経験者じゃないと、最前線の仕事のことは指導なんかできない。だいたい、この人は、「マンション管理員検定協会」という団体の設立メンバーに、管理人経験者を入れていない。最初からこの人は管理人を馬鹿にしている証拠だ。
「資格商法」「斡旋業」で儲けようとしているだけ。

こういう輩に騙される「国」もバカだ。