管理人は超つらいよ　　　
マンション管理最前線　管理棟篇

管理人の処世術 住民が経営している店をなるべく利用する

　管理人稼業も長くやっていると、いろんなことを考えるようになります。
　
　どんなに悪質な住民がいても、管理人は、その住民に逆らえない。なぜか？？？　それは　相手は　「お客さん」だから。簡単な論理です。そこから、思いついた知恵。「自分が客になれば、立場が逆転するじゃん！」ってこと。

　具体的に言いますと。このマンションの住民の中には、この町の中で商売をしている人がけっこういます。つまり、「自営業」ってこと。その、お店を、私が「客」として利用するのです。そうなると、「マンション住民＝客」〜「マンション管理人＝僕（しもべ）」の関係が、私がそのお店を利用することによって、逆転します。

　「管理人が客」ということになると、今まで、「この管理会社はだめだ！」とか言ってた人も、態度が少し柔らかくなります。やはり、こっちが「お客さん」だからです。そこが狙い目です。本当に悪いことは、「悪い」って指摘してもらっても構わないんですが、八つ当たり的に「管理会社を悪者扱い」する人は多いですから、そういう人を一人でも減らすのが目的です。

※なお、ここの住民の中には、この地域のお店で従業員として働いている人もかなりいます。このお店に客として行く手もあるんですが、やはり、「経営者」と「従業員」では意識が全然違うので、従業員の「住民」にはあまり効果がありません。

　一番簡単なのが「飲食店」。ラーメン屋・中華料理・洋食屋・すし屋・お惣菜・居酒屋など、いろいろいます。このため、いろいろ行きました。ただ、残念ながら、どこも、「おいしくない」。だから、常連にはなれません。でもまあ、３ケ月に１回は行って、「客だぞ」という顔つなぎをしておきます。居酒屋は、１回、管理人仲間で飲み会を開催したことがありましたが、これは失敗でした。だって、管理人の飲み会というと、「悪質住民への非難･グチ」が主なのに、その住民が目の前にいるのはまずいです。酒を飲む店では、絶対に、グチを言い出しますから、住民が経営者というのは避けたほうが無難です。この町から遠く離れた別の町で開催します。

　客であることを知らしめるために行きますから、店主が厨房にいて、フロアに出てこない場合は、会計の時に、わざとらしく、厨房を覗いて、こっちの顔を見せます。「どうも、＋＋です。鴨南蛮おいしかったです」とか、おべんちゃらを言って店を出ます。私が、店に来たことを知らせないと意味がないんで。

　やっぱり、人間というのは、そういう「人情」というのがありますから、私が客として食べに行ったことのあるお店の経営者である住民は、そのあと、態度が変わります。管理人に用件を言いつける場合でも、以前は、「それ、やっとけよ」みたいな乱暴な口調だったのが、「悪いけどさあ、うちの部屋の前に、放置してある、自転車をなんとかしれくれませんかねえ？」という感じの柔和な言葉遣いになります。それなりに効果があるのです。

　その他には、「散髪屋」。３８００円と高価な店（昔はこれが普通の料金だけど）でしたが１回だけ行きました。その後は１０００円床屋オンリーなので、その店には行きませんが。
　それから、クリーニング屋。本来は自分が住んでいる地域の地元の店のほうが、もちろん便利なんですが、わざわざ、自宅からスーツを持ってきて、その店に出すこともあります。

　わがままを言うと、至近のコンビニが、ここの住民の経営だといいんだけどなあ。しょっちゅう行くから。でも、エロ本とか立ち読みしていると何言われるかわからないから、その点は困るなあ。、

　管理人、いろいろと考えております。

2013/9

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