管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

野良猫 野良犬



2005/12追記

 動物というのは、はたから見ているとかわいいのですが、その被害に会う立場にいると、かわいいなんて言ってられません。このマンションもかなりの被害にあっています。すぐ近くに大きな池のある公園があるせいか、野良猫が非常に多いです。そして、かなりの数の猫が入り込んできます。

「ゴミ収集場を荒らす」・・・カラスも困りますが、猫も困ります。
「ベランダに入り込む」・・・中に入っていろいろな悪さをやらかします。以前いた強者は、階段を上って、なんと6階まで行き、そこのベランダを悠々と渡り歩いていました。「干していた布団に猫の足跡が・・」という苦情が相次ぎました。
「引っかき傷」・・・猫はつめを研ぐために、いろいろなものを引っかきます。けっこうやられるのがエアコンとか湯沸かし器のパイプ類です。外側の断熱材が剥がされます。
「フン」・・・当マンションは土の部分が多く、絶好の場所のようです。土だけでなく、共用廊下にもやられます。
「発情期の鳴き声」・・・うるさくてたまりません。
「足跡、毛」・・・車とかオートバイなどの上に良く乗って、ひなたぼっこしてます。足跡と抜け落ちた毛が残ります。

 被害に会う人間からすると、猫は大嫌いです。この仕事をする前はさほど気にしていませんでしたが、今は大嫌いです。マンション内で猫を見つけると、追い払います。しかし、「シッ、シッ」で逃げればいいのですが、人間をバカにして、よほど近づかない限り逃げません。逃げても、車の下とか、柵の向こうとか、人間が行けないことをわかっていて、「ここまで来れるか?」とバカにしてます。以前、悪さばかりしている猫がいたため、組合さんから「あの猫を捕まえてくれ」と頼まれて、本格的に捕獲しようと思ったのですが、道具もなく、仕事の合間に捕まえるのは、やはり無理でした。せめて、大きな捕虫網でもあればいいのですが、やはり素手では無理です。フンをしている時とか、エサをぱくついている時は、かなり無防備になり、一度捕まえたことがありますが、必死にもがくと、こちらもケガをして、手を放し、逃げられました。この猫にはさんざんひどい目にあいましたが、この前、交通事故で死にました。ひどい人間だとお思いでしょうが、「かわいそう」というよりも「ざまあ見ろ」という感想です。(その死体の処理も、こっちがするんです)

 追っかけたり、けとばしたりしていると、「動物愛護家」の住民から「虐待じゃないの?」なんて言葉が出たので、最近は水鉄砲で追い払っています。これだと、車の下にもぐりこんだ場合でも有効です。
 こっちが一生懸命追い払っても、次から次から新顔がやってきます。なにしろ、近くの公園が絶好の「猫捨て場」になっているため、いなくならないのです。時々、首輪をつけたままの猫を見ることもあります。ただ、捨てるだけならまだいいのですが、困るのは、そういう場所には必ず、「エサやり女性」が出現することです。この公園にも常連さんが数名います。
 公園職員(といっても下請けさん)と話したことがありますが、こういう人は「自分は正しい」「動物を愛すること、助けることは良い事」と思い込んでいるらしく、いくら注意しても聞かないそうです。逆に「ほっておくあんたたちのほうが悪い」とか、開き直って非難されるそうです。こういうオバカさんたちは、自己満足でエサをやり続けます。自分に寄ってくる猫を見て、「自分はえらい」と悦に入っているようです。しかし、エサをやれば、その猫の栄養状態がよくなり、繁殖能力が生まれます。子供を何匹も生みます。エサをやり続ける限りネコは増え、それによって被害を受ける件数も増えます。そんな被害者のことは一切考えずに自己満足にひたっているのです。
 エサをやるなら、せめてトイレも作ってくれないでしょうか? そしてそのトイレの始末をやってくれませんか? 結局、簡単なエサやりしかせずに、汚い後始末は全部他人任せですか? そんなに他者に恵みたいなら、我々超貧乏管理人に現金恵んでください。我々のほうがよほどかわいそうです。見た目はかわいくないですが。(エサをやるより避妊手術をすべきです。増やすことが悲劇の増加を促すのですから))

 公園内ならまだわかるのですが、マンション住人の中にもエサをやる人がいます。植栽で密集し、外からはみえにくいところにはいつも皿が置いてあります。そして、いつも3〜4匹のネコがいます。夜中にやっているようで犯人はわかりません。ゴミ集積場も、ゴミを全部取り払った跡に、魚の骨が散乱していることがあります。夜中のうちに魚を与える人がいるのです。この食べかすを掃除するのも我々の仕事です。

 公園では、鳩にエサをやる人もよく見かけます。そこにどっと群がる鳩。

 私が子供の頃、公団の団地に住んでいました。ある日、ベランダに一羽の鳩がやってきました。とうもろこしか何かをあげると、喜んで食べます。次の日、鳩は3羽になりました。またエサをあげました。その次の日、鳩は十数羽になりました。ベランダは鳩の糞だらけになりました。エサをあげなくても、それからしばらく大勢の鳩が、私の家のベランダを荒らしまくりました。子供でもわかりました。「餌付けはしてはいけない」と。

 公園で鳩にエサをやる人。ご本人はご満悦です。なにしろ、自分のいうことをきくかのように鳩が集まってくるのですから。ご自身も「俺は動物を保護している」とでも思っているのでしょう。でも、寂しい人です。鳩しかいうことを聞いてくれないんですから。それも、エサが目当てであって、本当にその人になついているわけでもありません。
 こういう人は、公園が鳩だらけになって、フンだらけになっても何も責任を負いません。自分だけが楽しければそれでいいのです。しかし、こういう人のおかげで、公園清掃のスタッフは苦労しています。

※ハトはオウム病という感染症細菌クラミジアを持っていることがあり、そのハトの糞が乾いて埃のように舞ったのを吸うと、人間に感染し、肺炎にかかることがあるそうです。

(日光の野生猿も、観光客の餌付けによって、今大変なことになっています。自然界のバランスを崩すのはいつも人間です)


 ここのところ、共用廊下各地でフンが見つかり、毎日のように掃除しています。薬品も撒いてますが効き目がありません。お金と労力ばかりかかっています。一度あまりにも頭にきて、悪さをする猫をマンション外にまで追いかけていったことがありました。そうしたら、おかしな女性が、「あなた何をするの? 動物を虐待してはだめ」と私の後ろを追い掛け回しました。「うるせいな、バカ野郎、そんなこというなら、お前がフンの始末をしろ!」と言ってやりました。(おそらく当マンションの住民ではないでしょうから言葉が汚くなりました)

 野良犬はめったにいないのですが、飼い犬が入り込んでくることがけっこうあります。この飼い主、ほとんど放し飼いみたいです。保健所に通報しても言うことを聞かないので近所中で困っています。放し飼いにしたいなら、山の中にでも住んでください。都会地で放し飼いは立派な犯罪です。




2003/8