管理人はつらいよ
マンション管理最前線
駐輪場 自転車置き場 不足 |
新しく建築されたところ、かつ、敷地の余裕のあるところでは、「駐輪場の数は、一戸あたり2台以上」という羨ましいマンションもあるようですが、普通はそうはいきません。自転車の置き場所に関する悩みは、どこにでもあるようです。
このマンションも建設時は、「一戸につき1台分確保」という数でした。少ないです。ただし、すべて平地&屋根つき、この点はGoodです。
とはいえ、当然不足するわけで、数年後空きスペースをつぶして、「2台目用駐輪場」を設置しました。ただし、10台のみ。ないよりはあったほうがいいですが、やはり足りません。2台目駐輪場の抽選に漏れた人は、仕方なく共用部分に自転車を置きます。通路や階段下、その他ちょっとしたスペースに置きまくりです。その数、現在50台くらい。まあ、もっとひどいマンションもあるようですし、ここの住民は自室前の廊下などには置いている人は少数のため、ましかもしれません。(廊下は狭いため、置けません。ただし、端っこの部屋でその住民以外は通らないような部屋は廊下に置いています。)
規約上はもちろん「共用部分に自転車などを置いてはいけません」なんですが、現実的にはそうも言っておられず、黙認です。管理人としても、組合さんからの意向で「実際の生活に支障がない」置き方の場合は、そのままにしています。しかし、マナーの悪い置き方をして、通行の邪魔をしているケースもあり、そういうのだけは、強制的に移動します。巡回時に毎日チェックしています。一部屋だけですが、家族5人とも自転車を保有していて、毎日好き勝手なところに置くのがいて、この一家だけは頭痛のためです。強制移動しても翌日は元の位置に戻っています。(この一家は、その他のこともすべてだらしない。親がだらしないと子供もだらしない)
※「どちらかというと良質」という評判の「東急コミュニティー」さんでは、こういう「規約/細則」に関して、「厳密に守らせる」という姿勢で臨んでおり、うらやましく思っています。「ちょっとくらい、黙認してもいいじゃない?」って、人情に訴える人がいますが、こういう「ルール」というのは、「ひとつ」破ると、あとはなし崩し的に、ボロボロになるものです。最初に、バシっと突っぱねるのは大事なことです。
自転車に乗らない家もあるため、空きがあります。普通のマンションでは、使われていない置き場を抽選で他の人に貸しているみたいですが、ここはそんなことはしません。「個人同士で話し合って、貸し借りしてください。管理組合は関係ないです」としています。とにかく、組合が汗をかく、ということを避けるのです。
しかし、無断で勝手に借用する人がいます。時々、「新しく自転車を買って、置こうと思ったんだけど、自分の場所に○○○号室の人の自転車が置かれている。注意してくれない?」と依頼が来ます。「相手の部屋番号がわかってるんだから、自分で言えば」と心で思いつつ、相手の部屋へ行って移動をお願いします。「空いてたから置かしてもらっていたの」と、皆さんおっしゃいます。「許可取りました?」「いいえ」「とにかく今日からあそこは置けませんので移動してください」「じゃあ、どこにおけばいいの」「邪魔にならないところを自分で探して下さい」・・・ なんてことがよくあります。こうやってあふれていると、自転車の出し入れに便利な共用スペースは取りあいです。巡回時に見てますが、「今日はここのスペースは、Yさんがとったのか」などと思っています。
ところで、正規の駐輪場にはもともと屋根部分に番号が振ってあったのですが、鉄部塗装の際に消されてしまったそうです。そんなわけで私が赴任した時には、番号はわからず、新しく越してきた人は、困っていました。管理人室に元の位置表があるため、それを見せながら、「ここですよ。覚えて下さい」と説明していました。でも、これも不便なので赴任後一ケ月くらい経ったときに、私がマジックで全部の場所の部屋番号を屋根部分に記入しました。おかげで今は非常にわかりやすいです。でも、そろそろ鉄部塗装の時期です。「困ったなあ。全部消されるんだろうなあ? テプラみたいなのがあるといいのになあ? 管理組合で買ってくれないかなあ? いろいろ便利なのになあ」などと思っております。
最近の自転車で困ったことがあります。それはスタンドが簡略化されていることです。片側にしかついていないものが多くなり、これは自転車を斜めに傾けて置くため不安定です。風ですぐに倒れます。将棋倒しです。直しても、またすぐに倒れるため、風がおさまるまでそのままです。昔ながらの両側にあるものはまっすぐ立つため、倒れにくいです。
バイクに関しては、小さな原付スクーターであれば自転車置き場に置けないことはありません。(管理規約に駐輪場の定義がのっていないため、「自転車に限る」とは規定できないのです) これは平地のいいところかもしれません。
それより大きなバイクに関しては、10台分のバイク専用置場があります。今のところ、これでうまくいってるのですが、1点困ったことがあります。もう10年間も乗っていないボロボロの大型オートバイ(すごい派手なハーデーダビッドソン)が置いてあるのです。事実上「放置」なのですが、駐輪費も毎年払っていますし、事情を聞くと「いずれ友人に売る予定なので」という答え。その「いずれ」が何年かはしりませんが、車検も保険も切れ、錆もひどいし、ブレーキレバーは折れているし、いったい誰が買うんでしょうか? 一度、バイク業者に見てもらったら、「これはもう下取りできないね。逆にこっちが処理費用をもらわないと」とのこと。持ち主の住民に何度も「処分して下さい」とお願いしていますが、だめです。この1台のために、他の住民で「中型バイクを買いたいんだけど」という人が買えないでいます。他人の迷惑を考えない人です。「金払ってるんだからいいだろ!」という問題ではありません。美観上も問題です。(こういうわがままな人は、たいていペットを飼っている)
話は変わって、私が住むマンションの駐輪場は?、といえば。最低です。数は一戸に一台。おまけに悪名高き2段式です。最初はみんなきれいに乗せていましたが、今はだめです。構造的欠陥といっていいでしょう。特に上の段は置きづらいです。もともと置きづらいのに、下の段にカゴや幼児用椅子がセットされた自転車があると、無理です。この場合、上段は無いのと同じです。今はイロイロナタイプの自転車がありますから、あのような画一的な規格の機械はだめだと思います。一文字ハンドルだと邪魔だし、マウンテンバイクの類はタイヤが太すぎてはまらないものもあります。逆に細すぎてグラグラするのもあります。
結果、2段式駐輪場は敬遠されます。敷地に余裕が無いため、その他に置く場所はなく、また自転車盗難を避けるために、みんな自分の部屋の前まで持って上がります。おかげで、エレベーターは自転車でいっぱい。困り者です。廊下も狭くなります。登録制度すらなく、管理人は一切、注意・チェックをしません。廃車同然の自転車も放置されています。管理組合も動きません。今、廊下上には自転車があふれています。みんなモラルが無さ過ぎ。