管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

放置自転車



 私はアンチ巨人のため、報知新聞が嫌いです。そして放置自転車もきらいです。

 このマンションでは、自転車置き場から自転車があふれて、共用部分に置かれています。ですから、少しでも自転車を減らそうと、週に一度は自転車チェックを行ないます。

 「マンション敷地内に置く自転車はすべて登録シールが必要です。ないものは処分します」という警告書を貼ります。普通は、「すいません。シールがはがれてしまったので」「新しい自転車を買ったので」と、弁解して再登録しに来ます。しかし、中にはずっとシカトとのままで、ホコリをかぶっている、まったく使用されていないものもあります。これは盗難車(駅前などで盗んできたものをマンション内に放置する)の可能性もあり、警察に照会します。盗難車の場合は、相手先に連絡して引き取ってもらいます。喜んで来る人もいれば、「もういらない。そっちで処分して」なんていうわがままな人もいます。照会の結果、当マンションの住人が持ち主だった場合もあります。しらばっくれて放置して、管理組合の費用で処分してもらうつもりだったのでしょう。まったく持ち主のわからないものも年に5台程度あり、管理組合のお金で処分します。

 逆に、「おたくのマンションのシールを貼った自転車が、うちのマンションに放置されているんだけど」という連絡もあります。当該部屋の人に聞くと、これまた「先週駅で盗まれたのよ。でも、新しいものを買っちゃったからもういいわ」なんておっしゃいます。(今は自転車は安いから、簡単に買えます) しかし、先方には迷惑をかけていて、そうもいえないので、私がはるばる回収にいきます。もう一回持ち主に交渉して、粗大ゴミの手続きをしてもらい処分してもらいます。

 マンション前の道路にもよく放置自転車があります。これは行政の担当です。ただし、行政は行動が遅く、来てくれて警告書を貼り、2週間程度反応を待ち、それから処分してくれます。ひどい場合、撤去までに1ケ月程度かかることもあります。それでも、無料で処分してくれるのはありがたいです。

 お願いです。「自分の自転車は自分でしっかり管理してください」

 イタリアの名作映画「自転車泥棒」でも見て、物の大切さを覚えて欲しいなあ。あの頃は自転車って「高級品」だったのに。


2003/5

最近は折りたたみ式が流行