管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 ホームレス 


 一般の人はホームレスとかルンペンというと、「なんかこわい人」とか思うでしょうか?

 実は、このマンションの近くには大きな池のある公園があり、その周囲にホームレスのテント村のようなものがあります。というわけで、この地域ではよく見かけます。

 「ゴミ置場を荒らす」などのように、何かいたずらみたいな犯罪があると、「ホームレスの仕業じゃない?」と管理人室に言ってくる住民の方も多いですが、今のホームレスはそんなにひどくないです。不況のため、高学歴&立派な社会人がホームレスになるケースもあり、レベルが上がっているようです。そこらへんの中高生のほうが、よほどひどいと思います。テント村に行くと、思いのほか清潔にしていますし、いろいろな家具を持ち込んで、「別荘」のようなマイホームを作り上げている人もいます。

 冬場になると、当マンションの玄関ホールの隅で夜だけ寝ている人がいるようで、時々苦情が来ます。住民は、「出て行け」というと、逆に襲われるかもしれない、などと危惧していますが、たいていのホームレスは、「だめだよ、ここに寝ちゃ」と注意すると素直に出て行きます。そんなに悪い人はいません。缶の回収日は、ホームレスたちの仕事日です。私が勤務を開始する前に、アルミ缶はきれいに抜き取られています。彼らにも仁義があって、散らかしてアルミ缶を抜き取るのではなく、きちんと後始末をしていきます。だんだんと顔なじみも増えてきて、「これ、まとめておいたから持っていきなよ」とアルミ缶を渡してあげることもあります。それにしても、自転車の両脇&前後に、まるでフグがふくれたように大量のアルミ缶を積んで走る様は、すごいです。それだけ回収しても2000円にもならないそうですが。

 今は汚い恰好の人より、きちんとした背広を着た人のほうが怪しいです。営業マンの振りをして、空き巣に入る下調べをしている人もいます。とにかく見かけでは判断できません。

 それにしても、年々ホームレスの数は増えています。小泉があのように無能では仕方ないです。これからももっと増えるでしょう。アルミ缶の取り合いも激しくなりそう。


2003