管理人はつらいよ
マンション管理最前線
蛍光灯交換 |
エレベーターの中の照明は、エレベーター点検会社が交換します。その他はすべて管理会社側が、蛍光灯と電球を交換します。
省エネが叫ばれた結果、今現在、当マンションには昔ながらの「白熱灯」の「電球」はありません。昔電球を使用していた箇所も、「電球型蛍光灯」に切り替えました。パルックボールとか呼ばれるやつです。単価は高いですが、消費電力量は約4分の一、寿命は4倍で、コストパフォーマンスは抜群です。ただし、スイッチを入れてから本来の明るさになるまでに1分くらいかかります。マンションでは、つけっ放しですから問題はありません。翌月の電気料金から早速効果は現われます。
蛍光灯を換えるタイミングですが、3種類あります。
1.住民からの連絡によって、そのつど管理人が交換
2.電気関係点検(月1回)の時に、作業員がスイッチを全部入れてチェック
3.管理人が月に1回、スイッチを全部入れてチェック(上記2の半月後くらいに)
普通は住民からの連絡が一番多いです。でも、言ってくれない人もいます。気にならないのか、「管理人がいつ気がつくか待っている」のかもしれません。定期チェックの場合、実施する人によってもやり方は違います。私の場合、「消えている」「チカチカしている」のように、症状が出た段階で交換します。作業員によっては、「両隅が黒くなり始めたら、点灯には問題なくても替えてしまう」こともあります。後者は、当然、交換頻度が高くなり、お金もかかります。ただし、チカチカする前に取り替えてしまうため、消えてしまうような事態はなくなり、住民に不便をかけることはありません。「お金をかければ、いつもきれいに点いている」「節約すれば、チカチカするまで使い切るから、時には消えている蛍光灯が発生する」 管理組合の懐具合によって、要望すればいいのではないでしょうか?
脚立を使って交換作業をしますが、上層階だとけっこうこわいです。マンションの廊下というのは、水はけのために傾いてます。屋上のエレベーター室のところはかなり恐怖です。また、交換作業をすると、天井の高さが、いろいろ違うことに気づきます。全部同じではないのです。交換作業で嫌なのは、埃やゴミが顔に落ちてくることです。蛍光灯ってかなり汚れます。風の通り道は特に汚いです。取り替えるときにはチョコチョコっと掃除しますが、建物全体を見ると、蛍光灯部分が汚れている箇所がかなり多く、業務仕様書の清掃部位ではないため、「やらなくてもいい」と言われても、「三ケ月にいっぺんくらいは、大掃除しなければいけないかな」、と思っています。ただ、実際にやると数も多いし、マスクとメガネは必需品だし、当マンションでは水道は使えないから、バケツを持っていかなければならないし、かなりの重労働です。冬はさすがに出来ません。清掃パートさんに高いところに登らせるのは悪いし、よそのマンションのように「特別清掃」というのを実施してくれるといいのですが。(非常口看板の中の蛍光灯も替えるのですが、この看板の中にはよく虫がたまって死んでいて気持ち悪いです。小さな隙間から入り込んでいるようです。
時々失敗をします。それは、点検時に「照明全ON」にしたまま、「タイマーセット」状態に戻すことを忘れることです。これがけっこうあって、「管理人さん。もう点検は終わったんじゃないの? もう2時間以上ついたままだけど」と、注意されることがあります。最悪なのは、「タイマーセット」状態に戻すつもりで「全オフ」に切り替えてしまった時。その夜は照明は一切点灯せず、真っ暗でした。誠にすいません。
他のマンションでは、「うちは毎日点検している」というところもあります。仕事熱心なようですが、毎日30分程度全数点灯させるのは電気代の無駄ではないでしょうか? それに、昼間のチェックではOKでも、その日の夜に切れることもあります。「毎日点検している」と標榜しているのに、住民が夜帰ってきたときに切れていたら、「ちゃんとやってるのか?」と疑問を持ちますから、こういうことは言わないほうがいいです。多いところでも3日に1回やれば十分ではないでしょうか?
取り替えた場所はすべて台帳に記録します。そのノートを見ると不思議です。均一に交換されていません。すぐにだめになっているところ、5年も使っているところ、バラバラです。メーカーによっても違うようで三菱の蛍光灯は早くだめになるデータがあります。やはり東芝が長持ちするようです。夏場よりも冬場の方が、点灯時間が長いせいか交換頻度が高いです。(倍くらい違うから、時間だけでなく低温も関係しているようです) また、雨風にあたる箇所は早くだめになる傾向もあります。
それから、当マンションの場合、管理組合が直接、予備蛍光灯をまとめ買いして集会室に置いてあります。管理会社任せより安いからです。
蛍光灯交換費が毎年まったく同じ決算書は怪しいです。絶対そんなことはありませんから。
高いところは彼女に頼もう
建物の構造によっては、容易に手の届かない場所に照明がある場合があります。(壁面の高いところ、とか) これは通常の脚立では届かず、交換作業が出来ません。背の高い脚立があっても、単独作業では危険なため、あえてやりません。設備点検の専門係員がやってきた時に二人で協力して換えるそうです。というわけで、切れても、何日間も放置されることになります。メンテナンスのやりにくい建物を設計する建築家は頭が悪いです。
2006/7 追記
電気関係の専門のサイトを見ていたら、「蛍光灯は低温に弱い」ということがわかりました。このため、「冬は切れやすい」「雨や風の影響を受けやすい場所は、雨や風によって蛍光灯が低音になり寿命が短い」ということでした。なるほど、やはりそういうわけでしたか。蛍光灯の外側にカバーをかけるのは、明度を犠牲にするものの、風に当たらないという点では、寿命を延ばすことになり、有効だそうです。