管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 不法投棄 



 この問題、多くのマンションで頭を抱えているのではないでしょうか? 当マンションのゴミ集積場は道路に面していて、柵などもないため、部外者でも簡単に捨てることができます。夜は外灯も暗く、闇夜にまぎれて車で乗りつけ、捨てていく輩がいます。

 特に、 ”白物家電”と呼ばれる、エアコン・洗濯機・冷蔵庫・テレビが普通の粗大ゴミで出せなくなり、高額な処理費用がかかるようになった時、かなり被害に遭いました。ゴミ置き場だけでなく、玄関ホールに置かれたこともありました。
 公共の場所(道路など)に置かれた不法投棄物は、行政が処理してくれるのですが、私有地内だと、土地の所有者が負担して処分しなければなりません。理不尽な話です。それでも、最初のうちは制度が変わったばかりで「特例」ということで清掃局が処分してくれました。しかし、ある時期以降は管理組合の負担になりました。程度のいいテレビだと、廃品回収業者が、無料で持っていってくれたこともありました。しかし、その他は組合が処理費用を払って処分しました。1台5〜6千円しますから、大きな出費です。いわば、犯罪被害者です。白物家電以外にもいろいろなものが捨てられます。「300〜500円の粗大ゴミ手数料さえ惜しいのか」と憤慨していますが、とにかくいろいろ捨てられます。こういうのは、1個捨てられると次々に増えていきます。近くのマンションでは、処理をどうしようか悩んでいる間、集積場を放置していたために、標的にされたようで、1個が2個に、2個が4個に・・・・とものすごい数が捨てられ、山のようになってしまったことがありました。管理組合も管理会社も手を打ってくれないため、「分解して小さくすれば普通ゴミで出せる」と、管理人が必死になって分解したり、本棚を切ったりしていました。見るに見かねて、私も鋸を持って(なぜか、当管理室の中に立派なものがあった)、ソファーをひとつ細かく切りました。当マンションでは、こうならないように、集会室に一時的に保管して、呼び水にならないようにしていましたが、やはり不法投棄はなくなりませんでした。

 細かくできたり、分解したり、お金を払って粗大ごみで出せるのはまだいいほうですが、困るものもあります。自動車のバッテリーもそうです。それから、どこかの建設工事現場の建設廃材などもありました。これには、なんだかわからない異臭がするものや、釘や鋸の刃など、危険なものも入っていました。この建設廃材は、一晩の間に、この地区の周辺のいろいろなマンションに捨てられていたようで、被害が大きく、社会問題となり、役所が引き取ってくれました。助かった。

 明らかに外部の者の犯罪とわかるものもありますが、マンション内部住民の不法投棄もけっこうあります。とことん調べて名前を見つけて本人に注意することもありますが、なかなかわかりません。玄関ホールにゴミを展示して警告書を貼って、処分を促します。3分の2くらいは、2〜3日中になくなるので、本人が引き取ったのだと思います。

 マンションのゴミ捨て場というのは、「家庭ゴミ」しか置けません。しかし、業務用としか思えないゴミが時々捨てられていて困ります。「事務所兼住宅」として使っている部屋がいくつかあることも原因です。警告書を貼りますが、効果はありません。今、いろいろ調べて犯人がわかりそうなので、今度注意するつもりです。(一斗缶の油は、きっと、近所でトンカツ屋を経営している○○さんだと思います。それから、業務用のアイスコーヒーの紙パック容器が1週間で「30個」も出たりします。事業用ゴミの処分はお金がかかるため、その費用を節約するのに、ゴミを、お店から自宅に持ち帰っているのかもしれません)

 清掃局から「不法投棄は犯罪です」という大きな看板をもらってきました。多少効果はあるようで、最近は落ち着きました。とにかく不法投棄はやめていただきたい。


2003/4