管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
猫の死体の処理 |
管理人をやっていて、”最もつらいこと”というのはいくつかありますが、「猫の死体処理」もそのひとつです。
「マンションの前の道路に、猫が死んでる。車に轢かれたみたいよ。気持ち悪いから管理人さん片付けてよ」 こういう依頼が年に数回あります。野良猫が大勢いますから、不運に交通事故に遭うのがいます。交通事故は悲惨です。内臓ベロリですから。とりあえず、道端に寄せて、ダンボール箱などをかぶせて、上に「猫死体 注意」と書いておきます。(何も書かないと、「爆弾じゃないの?」と騒ぐ人がいるため)
公道上の死体は、役所の管轄です。市役所の電話すると数時間後(または翌日)拾いに来てくれます。(大手の管理会社の中には、「管理委託業務の範囲はマンション敷地内のみです。公道上は業務外です」とつっぱねて、何もしない管理員もいます。う〜ん、私もそうやって断りたい。)
困るのは、マンション敷地内で死ぬ猫です。交通事故でフラフラになった猫が、敷地内に入ってから息絶えることもあります。この場合は、ズルして、公道上に移動して、「道に死体がある」ということにして役所に依頼することもあります。 その他にも、このマンションのように、大規模でかつ植栽が多く、かつ年数がたっている(つまり、植物が大きく育っている)と、草むらの中で死んでいる猫がけっこういるのです。植栽剪定でバサバサと枝を切ったあとに発見されることもあります。死んだばかりのものもいますが、何ヶ月もたっていて、腐って悪臭を放っているもの、干からびているもの、など、普段の巡回で気づかないケースもあります。敷地内で発見した場合は、その土地の所有者の責任になり、行政は助けてくれません。結局は管理人&清掃員の仕事です。しかし、清掃パートさんは、「猫だけは勘弁して。見るのもいや」という人なので、私が処理します。つらいです。気持ち悪いです。本当は埋葬してあげたいのですが、そんな場所もなく、ゴミとして処理します。清掃局の人にわからないように、くるんで出します。その日1日は気分が沈みます。
今まで、たくさんの猫の死体を始末しましたが、猫って、象なんかといっしょで、死ぬ時は、ひと目につかないような場所に隠れて死ぬような気がします。
ところで、植栽が多いマンションというのは、当然、土の部分が多いのですが、そうなると、自分のペットを勝手に埋葬する人がいます。埋めたものを「掘り起こせ」とはいえず、そのままにしていますが、「ハムスター」「小鳥」「カブトムシ」「亀」などなど、たくさんの卒塔婆があります。「ハム太郎の墓」とか、勝手に作んないで欲しいです。どこか別の場所で埋めてくれないかなあ? 最近流行のペットマンションって、ペットの埋葬場所までマンション内に用意してくれればいいけど、そんなところはないでしょうね。
ペットブームの陰で、苦労している管理人がいます。