管理人は町つらいよ   
マンション管理最前線

 電球型蛍光灯  


 
 最近急速に普及している「電球型蛍光灯」。価格は普通の白熱電球の10倍(1000円ちょっと)しますが、消費電力は約4分の1、寿命は約6倍の”経済的な”ランプです。

 当マンションは、築20年超。建築当時は、このようなランプがなかったため、玄関ホールを中心に旧式の白熱灯がたくさん使われています。私が赴任してしばらくしてから、経費節減のために「電球型蛍光灯」に全面的に交換しました。この結果、共用部分の電気代はおよそ10%安くなりました。
 管理人サイドとしても、交換の頻度が激減したため、非常にありがたいです。また、電球と違って熱の発生が少ないのが、特に夏場は助かります。以前は、スイッチを入れてから明るくなるまでに1〜2分かかったのですが、最新のものはすぐに明るくなり、いっそう便利になりました。

 「新しいマンションには、みなこのタイプの電球が使われているのでは?」と考える方が多いと思いますが、「高級マンション」ほど、照明に凝っているため、コストよりも「見た目重視」で、意外とこの電球型蛍光灯が使われていないマンションが多いです。ハロゲン電球が結構使われていて、これはたしかに明るいですが、発生する熱がものすごく、電気代もさほど節約できません。照明器具が焦げることもあります。オシャレな照明は、カッコイイかもしれませんが、間接照明や一部しか照らさないスポット照明は、実際は、「暗い」「場所によって明るさが大きく異なる」など実用的ではないようです。間接照明は電球が上を向いているため、ほこりが溜まりやすいです。また、スポット照明は、広く照らせるのをわざわざ狭くしか使わず、電力を無駄にしていますし、電球が奥に入っているため、交換時は面倒です。

 まれにですが、住民から、「浴室の電球が焦げてるの」というSOSが来ます。浴室内の電灯は防水構造になっていますから、熱が逃げることができません。そのため、規定のワット数以上の明るい電球(60Wのところに100Wを使用したりする)を使ったりすると、高熱によって電球カバーが焦げてしまうのです。この場合は、浴室などにも使えるスリムタイプの電球型蛍光灯に交換してもらいます。ついでに、玄関やトイレも「交換したほうが経済的ですよ」と勧めます。電気のトラブルに限らず、住民の部屋に入るときは、ちょっと見回して、白熱灯をまだ使用している場合は、「取り替えたらどうですか」と余計なおせっかいをします。

 ただ、勧めるときに注意しなければいけないことがあります。電球型蛍光灯は最近用途が広がっているために、色の種類が増えました。何でもいいと買ってくると、「なんかすごく冷たい色で嫌」なんてことになります。「色をよく確認して買ってくださいね」と念を押しておきます。


2003/9