管理人は長つらいよ
マンション管理最前線
緊急センター 1 |
どこの管理会社でも、「管理員が不在の時間は、ここに連絡してください」という緊急センターのようなものを持っています。(あるいは警備会社などと契約している場合もあり) わが社にもあり、誰かしらが本社に当直で残っており、何かあれば24時間体制で対応します。
当然、そこの電話番号は、玄関ホール内の住民からよく見える位置に貼りだしてあります。でも、基本的にはこの電話というのは「緊急事態」(停電とか水道がストップしたとか)のためのもので、「管理人さんにこれ伝えておいて」というような使われ方をされては困ります。
「金払っているんだから何やってもいい」という考え方、なんとかならないもんでしょうか? 朝の4時頃に緊急センターに電話してきて、「今日の午後、うちに荷物が届くんだけど、生ものだから管理人室で預からないでね」とか、「ねえ、布団って粗大ゴミで出さないとだめ?」とか、そんなことを言う人がいるのです。
こういうどうしようもない人もいれば、対人恐怖症なのでしょうか「管理人と一切顔を会わせない。口をきかない」というのがいます。ちょっと変わった独身男性のようです。(でも、部屋は一番広いタイプ) 入居の時も親が挨拶に来ただけで、本人の顔は見ていません。電話も来ません。なにか連絡や質問があるときは不動産屋を通じてでした。入居したあとも、仕事が忙しいのか、隣室の人でさえ顔を見ていません。管理人室にはもちろん電話はありますし、今はfaxも留守番電話もあります。管理人室用ポストもあって、手紙やメモを入れることもできます。それなのに、この人、連絡してくれるときはいつも深夜に緊急センター経由なのです。ですからいまだに声さえ聞いたことがありません。なんとも不気味です。「僕の部屋の前にガムが落ちている、掃除しておいて」みたいなことまで、緊急センターに連絡するのです。会社からは、「そんな小さなことで電話させるな。そっちで処理しろ」と怒られます。
先日も、「廊下の電灯が切れてる」と緊急センターに電話があり、緊急センターの若手社員は生真面目に、その内容を当管理室にfaxしてくれました。しかし、faxが紙詰まりして、うまく印刷されないため、何度も送信を繰り返しました。そうしたら、「こんな夜中に管理人室の電話が何度も鳴っているし、変な機械音が聞こえる、何かあったんじゃないか?」という他住民からも通報が、また緊急センターに行ってしまった、なんていうこともありました。
この人、外出先からでも電話1本くれれば簡単に伝わるのに。そんなに私と話したくないのでしょうか? 不思議です。