管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 「選  挙」  はた迷惑です



 
 選挙は、管理人にとっては迷惑です。

 まず、選挙公報の配布。これが大変。管理人の仕事だからです。
 ふだんでも、「県の広報」「市の広報」「市議会便り」「県議会便り」を配布しているのに、これに、選挙公報が加わります。今回の衆議院では、「比例区」「小選挙区」の2種類に加えて「最高裁判所裁判官国民審査」まであります。今日はこれらの配布に3時間かかりました。この広報、いずれもA3サイズで来ており、それをわざわざポストのサイズに合わせて半分に折ります。この手間が大変です。「最初からA4サイズで作ってくれ」「最初に折っておいてくれ」と何度も、選管にお願いしましたが、いっこうに変わりません。(「折るのにもコストがかかるので」という返事。こっちは、ただ働きで折っているのに) 200以上のポストに全種類入れるのは本当に骨が折れます。それに、配布中に住民から用を言いつけられて中断すると、再開したときに、「あれ、どこまで配ったっけ?」と忘れてしまうことがよくあります。また、役所から配布された広報の枚数が、種類によって、多すぎたり、足らなかったり、マチマチなことがよくあります。足らない場合は町内会館まで取りに行かなければなりません。これが遠いんです。そして、数時間後には玄関ホールにあるゴミ箱が、紙くずで溢れます。みんな一行も読まずに捨てるのです。

 だいたい、ここの選挙区は、つい先日補選が行われたばかりです。こんなすぐに解散なんて、あの補選はなんだっかのか? 選挙にかかった何千万円という費用は、任期途中で議員職を放棄して県知事選に出た、○○君に払わせるべきです。そんな金があるなら、我々管理人にボーナスを出してください。これだけいつも行政の手助けをしているんだから。

 最高裁裁判官の国民審査にしたって、そんな広報、誰も読まないです。実際、投票所でも、ほとんどの人が棄権しているじゃないですか。だいたい、「棄権や白票=信任」という制度がおかしいのです。信任するなら”信任”に丸をつけて投票したものだけ”信任”と認識するようにしなければ意味がないです。そうすれば、裁判官も自己PRを必死に行なうでしょう。「無視されているのに、信任されていると解釈する」など、誤解も甚だしいです。無駄な制度です。(公務員は自分たちに都合のいいように制度を作る)


 次に選挙演説、うるさいです。「ご迷惑をおかけしています・・・・」、迷惑だとわかってるならやるな! 特に市議会選挙クラスになると、このマンションのように大型マンションの前に車を止めて演説する候補がいます。○産党に多いです。○産党はどの候補者も、党本部が言っていることと同じことしか言わないから、聞いていてもおもしろくないし、本当にうるさいだけです。我々貧乏人のことを考えてくれる党だから応援してもいいのですが、もうちょっとましなこと言って下さい。住民の中にはいろいろな生活サイクルの方がいます。夜勤で、昼間寝ている住民からは、「うるさくって寝られないよ。管理人さん、あの演説やめさせてよ」と苦情が来ます。私自身、イライラしてますから、「うるさいよ、ここでやるなよ」と文句を言います。そうすると「選挙妨害だ」などとバカなことをいう運動員がいるので、ますます頭に来ます。最近は、

 
騒音を撒き散らす候補者には
投票しません
という紙を作成して、候補者の前に立って、見せます。口では言いません。それでも、バカな候補者は無駄な演説を続けますから始末に悪いです。

 住民内部でも、「S学会員」と「○産党員」の活動が活発になってきます。ふだんは口をきかない人が、たびたび管理人室にやってきて、「管理人さん、△△に投票してね。よろしくね。ご家族にもそう伝えてね」と、私にまで選挙活動をしてきます。ポストにビラをまく人もいます。S学会は組織力がすごいですから、非常に目立つ活動をします。政治活動は自由ですが。。。。 ベランダにK明党のポスターを貼る人もいます。

 私としては、「選挙公報をA4サイズにします」という公約を掲げる候補がいれば、投票します。(いるわけない?)


2003/11

選挙の時だけは調子いいこと言って。