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この仕事をしていると(&マンションに住んでいると)、マンションを設計する建築士が”いかに頭が悪いか”(もしくは、手抜き仕事をしているか)よくわかります。
例えば、室内のエアコン用の取り付け金具・専用コンセント・スリーブ穴(室外機と接続するための壁の穴)の位置。これもひどいです。電気屋がよくこぼしています。「なんだ、この金具の位置は、天井がぶつかってエアコンが取り付けられないだろ!」「なんだ、このコンセントの位置は? エアコン本体で隠れてしまって、プラグ差し込めないだろ!」「なんだ、このスリーブの位置は? ホースをクネクネさせないと穴に入れないないだろ!」「いろんなマンションに行ってるが、すんなり簡単に、見た目良く工事できたことなんてほとんどないよ。専門家だったら、ちょっと考えればわかるだろうに、どうしてこんなお粗末な配置に設計するかな? 頭悪すぎ!」と。
たしかに、友達が購入した新しいマンションに行った時も、エアコンの配管が室内の壁をクネクネクネクネ、3回も4回も曲がりくねって、すごいみっともない部屋だったことがあります。「マンションは鉄骨の梁があるから、木造一戸建てよりも難しいのかもしれないけど、ほんの15cmずらして配置すればすっきり配管できるのに、なんでだろう?(tetsu&tomo)」と不思議がっていました。配管がクネクネしているとドレン水がうまく流れず、故障することもあるそうです。
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また、玄関ホールはすごく立派で、オートロックになっているのに、裏側の通用口は、コウモリ傘の1本もあればドアが開けられて簡単に侵入できるようになっているマンションもあります。「アホかいな。何のためのオートロックやねん?」とあきれます。
その他、「複数の棟がある団地型マンションで、小さい棟の方が大きい棟よりも大型のエレベーターになっている」とか、「どうしてこんなに非常階段の数が多いの? そんなにいらないだろ」「この蛍光灯どこ照らしてるの? 梁のすぐ横じゃ、光が真下にしかいかないでしょ。」etc.....
いろいろ不思議に思うことがたくさんあります。 |
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さて、本題の物干しです。昔の団地とかマンションの物干しというのは、写真Aのような、天井から金具がぶら下がっていて、そのフックに物干し竿を通すものでした。ところが、現在のマンションでは、写真Bのようなものが主流です。つまり、物干し竿の位置が低いのです。高層マンションでは、Bのように外から見えるほどの高さもない、ベランダの壁に完全に隠れるような低いものも珍しくありません。
これは、「物干し竿が万一落下した時に事故が起きると困るから」という理由からだそうです。しかし、この低い位置では「太陽の光がに当たらない」、「ベランダの壁に洗濯物がぶつかって汚れる」、「ワンピースなど背丈のある衣服だと地面に当たる」など不具合が多く、非実用的です。
その結果、実際は写真Cのように、ベランダの手摺に固定して背の高い物干しを取り付けたり、また別に、Dのように組み立て式の物干しキットを利用したりします。(よく通販でも見かけます)
結論としては、結局「物干し竿は高い位置にないと意味がない」のです。マンション設計家がいくらおかしな設計をして、事故の責任を逃れようとしても、現実には以前のとおり写真Aの物干しと同様の形に落ち着いているのです。 |
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写真Cは、非常に困ることがあります。それは鉄部塗装の時。写真Cのベランダ手摺と取り付けポールはアルミ製のようですからOKですが、古いマンションでは手摺は鉄製が多く、5〜6年に一度塗り替え工事があります。その時は面倒でもいったん取り外さなければいけません。外さないとその部分の錆が進んでしまう可能性があります。ポール部分も鉄製、取付金具も鉄製だと、これも錆びるために、いっそうひどくなります。錆びると取り外しも難しくなり、外さないと手摺本体の錆が進行し、せっかく他の部分を塗装しても意味がない場合があります。(内部から錆が広がってきます)
といっても、実際に外してくれる人なんか全然いません。取り付けた時は業者がやってますから、自分で外せないのです。(簡単な作業なんだけどね) |
こんな状況ですから、設計家の思惑は見事に外れていることになります。それなのに、いまだに新しく建築されるマンションは必ず、写真Bのような物干しです。工夫のかけらもありません。愚かな人たちです。最初から写真Aのような高さのもので設計し、発想を転換させ、「物干し竿をいかにしたら、取り外し取り付けが簡単で、かつ、確実に固定できるか」考えたほうがいいと思います。今、カバンなどに限らず多方面で採用されている、kifcoの「カチッ」とワンタッチで結ぶことが出来るプラスティックの連結器(適当な言葉が思い浮かばない)のようなものを物干し竿にも発明して下さい。簡単だと思うんだけど。 |