管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 親子 親がダメなら子もダメ 


   実は、4月に甥っ子の小学校入学式に、弟夫婦のピンチヒッターとして出席してきました。かわいい甥っ子のためですから、有給休暇も取ります。
 その時、校長先生の挨拶で、「時代が変わったなあ」と思う言葉がありました。

 「昔でしたら、”お子さんのことは全部学校に任せてください”と言えましたが、ご存知のとおり今の世情では、とてもそんなことは言えません。保護者の方、地域の皆さん、そして学校が力を合わせないと、子どもさんを守っていくことは出来ませんし、立派な社会人に育てることは出来ません・・・。特に家庭の役割は最も大事です。」 という挨拶でした。それを聞いて、「この学校大丈夫かいな?」と思いつつも、「言われてみれば当然のことだし、”できないことはできない”、と正直に言う、この校長のほう正直でが信用できるなあ。」とも思いました。

 やはり、子どもの躾・人格形成は、親がしっかりしないとだめです。

 翻って、このマンションを見てみると。
 マンションというのは生活の場ですから、管理人は親と子どもの両方を見ます。(この点では学校の先生よりもいろいろ見ているのかもしれないです) フルタイムで働きに出ている親は、なかなか会う機会がありませんが、管理人は土曜日も働いているので、その時に見られます。

 そうやって家族を見ていると、「この親にして、この子あり」なんだなあ、とつくづく思います。(一部例外はありますが)
 先日も、エレベーターをいたずらしてとめてしまった子供がいましたが、この親のゴミの出し方はひどいです。マンション内で立ちションして怒られた子どもの母親は、マンション内で犬の散歩をさせて、フンをさせて、後始末をせずに(夜なので見つかっていないと思ったのでしょう)、他住民に叱られた親です。
 躾というのは親がすべきものだと思うのですが、その親が「公共心のかけらもない」、「非常識」、「マナーを知らない」親だと、躾は無理です。そして、そういう親が着実に増えています。そしてマナー違反が増え、そのあおりが管理人とか清掃員に来ているような気がします。

 私は小言爺なので、「坊主、だめだろ、そんなことしちゃ」とか注意するのですが、管理人が、親に代わって社会マナーを教えるなんて、変な世の中です。

 そういう親の親(おじいさん おばあさん)が、たまに孫の顔を見に離れた実家からやってくることがありますが、タバコをポイ捨てしたり、平気で駐車違反して、エンジン止めずに汚い排気ガス垂れ流しにしたり、「やはり、”この親にして、この子あり”なのか」とあきれるしだいです。


2004/5