管理人はつらいよ
マンション管理最前線
緊急センター 2 |
大手管理会社の”有利な点”として、よくあげられるのが、「自社運営の24時間緊急受付センターがありますから安心です」というもの。たしかに、聞いた限りでは「さすが大手」「大手だから安心」と思うかもしれません。実際、いいこともあります。
ただし、小さな管理会社(個人経営のような極小は除く)でも、SECOMやALSOKなどの警備会社と契約していますし、それ以外の緊急時でも、誰か当番のようなスタッフを設けて対応しています。ですから、「中小に比較して大手がものすごくいい」というものではないと思います。
実際問題、大手が自社運営のセンターを持っていても、たいしたことはしてくれません。緊急事態で電話しても、「はい、じゃあ、警備会社を行かせます。20分ほどお待ち下さい」「関連会社の社員を行かせて点検、工事させますので、2時間くらいお待ち下さい」とか、電話番程度のことしかやってません。
私が耳にした某大手管理会社のセンター。マンション内で子供が火災報知器をいたずらして鳴らしてしまったため、センターに電話したのですが、その対応は、「警備会社行かせます」だけ。
通報者としたら、今回のは、火事ではなく誤報だってことが明白なので、「警備会社がどうたら」ではなく、とにかくまず、このジリリリリ・・・という、うるさい音を止めたい。その止め方を教えて欲しいのです。でも、「私には説明できません。とにかく、警備会社の者が行って止めますから・・・」という答え。結局、非常ベルは20分間鳴りっ放し。その住民さん、「こういう事故はしょっちゅうあるはずだし、管理会社で運営するセンターなんだから、うちのマンションの警報装置がどこにあって、どういう仕組みになっているかぐらい、わかってるはずじゃないの? だったら、とめ方くらい教えてよ!」と憤慨してました。ごもっともな意見ですが、けっこう、こういうこと多いみたいです。
基本的に緊急センターの係員は電話番に過ぎず、テクニカルなサポートは期待できないのです。そういう研修もろくにしてないようで、たまたま詳しい係員にあたれば教えてもらえるかもしれませんが、社の方針としては「専門家を行かせるから、それまで待ってもらう。ただそれだけのことを言う仕事」ということらしいです。なんかお粗末な気がしますが、現実はこうなのです。
しかし、よくよく話を聞いてみると、ここのマンションの管理組合さん、管理は全部管理会社任せのため、「役員はおろか、理事長すら管理人室(警報関係の機械は普通管理人室内にある)の鍵を持っていなかった」らしく、もし、機械の扱い方法を電話で聞いたとしても、結局止めることはできなった、という”落ち”がありました。
ここまでひどい組合は珍しいとしても、普通の組合は「管理人室の鍵を持っているのは理事長だけ」というケースが多く、「理事長が留守だと開けられない」ということがままあります。何かコトが起きないと考え付かない、意外な盲点です。
2004/8
センターの人も安い給料で深夜に働かされてるんでしょうね。大変だ。
指示するだけなんです。