管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

掲示物B タイミング 


 また、掲示物の話で恐縮です。

 

 掲示物を貼り出す。つまり、居住者に「連絡する」「訴える」「注意を喚起する」といったことは、タイミングが大事ではないでしょうか。

 私も流通業で働いていた当時、みのもんたの健康番組で取り上げられた食品を、放映日の夕方には特設コ−ナーを作って売り出しするようなことをやってました。

 例えば、「昨夜、マンション内駐車場で車上荒らしに遭った。目撃者がいないか探して欲しい」と、住民が要請してきたとします。こういうのはスピードが大事です。私の場合、すぐにその場で掲示物を作成し、30分後には各掲示板に貼り出します。しかし、よそのマンションでは、「フロントマンに連絡」⇒「フロントマンが掲示物を作成」⇒「1週間後に掲示物を持ってくる」なんていう悠長なところもあります。管理人が掲示物を一切書かないシステムになっているのです。「PC&プリンターがないから」と理由づける所もあるけど、だったら手書きで書けばいいのに。かといって、「管理人ができないなら、私がやる」といって作成してくれる理事長も少ないのが現実です。

 住民からなにか苦情があって、「このようなことが2度とないよう掲示をして欲しい」と言われた場合も急ぎます。やはり、1週間後に貼るよりは、即日貼ったほうが、「この管理人さんはよく働く」と思ってくれます。また、「悪質な押し売りがやってきた」みたいな情報は、被害者が出る前に知らせておくことが必要ですから、これも急いで作成します。

 防災に関することは、やはり「防災の日=9月1日」がある、8月下旬〜9月中旬に行なうのがいいです。テレビでもこういった話題が放送されることが多いですから、この機会に「ベランダの荷物片付けましょう」「物干し竿がジャマで避難ハシゴが使えませんよ」・・・・といった日頃から気になっている問題点を注意するのです。また、近所で火事があって大騒ぎになった時は、翌日に掲示します。
 空気が乾燥する冬は、「タバコのポイ捨てやめましょう」という掲示を作ります。もちろん「消防設備点検」の前後もGood Timingです。

 ベランダに植木鉢を置いていて、「倒れたら危険」という人に対する注意は、台風の前後に掲示すると効果的です。

 「通路に自転車を置いている人がいて、他の人が歩くのに困る。特に杖をついたお年寄りが困っている」「迷惑駐車のせいで、救急車が入って来れない危険性がある。迷惑駐車はやめて」のような問題に関しては、8月の日本テレビの24時間テレビ放映の後が効果的です。

 新聞やニュースに合わせて、「オレオレ詐欺に注意しましょう」といった時事性のある掲示も作ります。(当マンションは高齢者が多く、被害者予備軍が多いのです) 六本木ヒルズの回転ドア事故の後には、「玄関ホールのドアは叩かないで下さい。危険です。」というもの作りました。


 以上のように、「なるべく効果が期待できるタイミングで掲示物を出す」ように心がけています。

 なお、「重要性の高い掲示物を出す時は、他の掲示物が少なくて目立ちやすい時にする」といったことも大事です。


2004/9