管理人はつらいよ
マンション管理最前線
転入 転出の記録 |
この管理人室にあるノートの中で、最も古いものは「転入・転出記録簿」です。もうすでに20年以上使用しています。これには、「引越しして出て行った人の名前、転出先、電話番号」「新しく入ってきた人の名前」が記録されています。これをずーっと見ると、「●●●号室は、オーナーが4回替わっている」「×××号室は、1990年から賃貸部屋になり、7人の賃借人が入っている」などのこともわかります。
ボロボロのノートですが、いまだに現役で役に立っています。というのも、昔居住していた人宛に宅急便が届いたり、友人が訪ねてきたり、など、「その人は昔いたけど今はもういないよ」「その人は、どこそこへ引越ししたよ」などと教えることが多いからです。郵便物の転居届というのも、有効期間は2年ですから、それ以上経過するとうまく転送が行なわれず、また昔のマンションに届くこともあるのです。
先日も、「15年前くらいに私が交通事故にあったときに、このマンションの△△さんという人に大変お世話になりまして。実は私どもこのたびハワイに移住することにしたため、お別れの挨拶もこめて、再度お礼がしたく参りました」なんていう老婦人が訪れました。部屋番号がわからないため、難儀しましたが、なんとかノートの中から該当する名前を調べ上げ、新しい住所を教えました。(といっても、新しくないけど) 幸い、隣町に引っ越していたので、同じ足でそこへ行き、挨拶をすることができたそうです。
「そんな昔のことなどもうどうでもいい。役に立つことなんかない」などといわず、永久に保管しておくほうがいいみたいです。警察の裏金帳簿みたいに、規定保管年限以前に捨てるなんて、もってのほかです。
ISO規格認証管理会社の場合、こういう書類の保管年限を定めているはずだけど、どうなってるのかな?