管理人は超つらいよ
マンション管理最前線
不動産仲介 管理規約を読んでから契約してもらえないだろうか? |
自民党が平和憲法を改悪し、「戦争まっしぐら」したいようですが、私は反対です。
さて、マンションの憲法といえば、「管理規約」です。
今回の「管理規約」は、生活上の細かなルールも書かれた「使用細則」も含む、「全部まとめて一冊になっている管理規約冊子」のことを述べます。
今、年末の2013/12/25なんですが、こんな時期に、不動産業者から、「部屋の売買契約が成立したのですが、元の所有者さんが、管理規約冊子を持ってないと言うので、管理室のほうに、予備のものはありませんか? あったら、いただけませんか?」という要請の電話がありました。
普通、管理規約冊子というのは、「前所有者」が保管しているものを、そのまま、「新所有者」に手渡すものなんですが、このマンションみたいに古くなると、「前所有者」が「なくした」「どこにあるか、わからない」っていうケースが多いです。
(そういうことがないように、数年前には全戸回覧して、「紛失した方は、管理組合で予備用のものがありますので、お渡ししますから申し出てください」と、全戸で保管してもらえるように努力し、管理室の前にも、「規約冊子の予備があります・・・」という貼り紙もしてあるのだが。)
ということで、いざ、「契約」となると、「管理人さん、規約をちょうだい」ってなるわけです。当マンションの管理組合は、そのへんのことをちゃんと予想しているのがえらいと思うのですが、こういう「中古物件売買」に備えて、予備用の規約冊子が豊富に保管してあるので、新所有者に渡すことができます。
さて、ここで毎回思うのが、「なんで、契約後に、規約冊子を要望するのか?」「規約や使用細則を読んで納得してから契約するものではないのか?」「順番が逆だろ?」ってことです。
要するに、仲介する不動産業者が「いい加減」ってことなんです。
私は、ことあるごとに「中古マンション仲介不動産業者ってのはひどいよ」と言ってます。そのために、現役不動産業界の人から、すごい嫌がらせをされたこともありますが、とにかく、現実に何社も接している私から見て、やっぱり、「ひどい」ですよ。
分譲マンションを購入する場合は、わりとちゃんとしていて、売買契約の際に、「管理規約・使用細則の内容に同意します」という書面に署名をさせる手続きがあるのですが、中古マンションだと、これが省かれるんです。
いや、実際は、売買契約の際に、多くの条文の中のひとつに「規約を遵守します」っていうのがあって、それが含まれる「契約書」にサインをするわけですから、「規約遵守に同意した」ってことになるんですけど、そういう契約書なのに、契約の際に、管理規約を見せる不動産業者がほとんどいないのです。(ちゃんとしている会社は、私の長い経験でも1社しかありません)
契約後に、「規約冊子がないので、分けてください」って言ってくるってことは、当然、売買契約の際に、買主側に「管理規約」を見せていないって事です。見せていないのに、「遵守します」という条文がある契約書にサインをさせるって、「違法行為」じゃないですか? そんなことやっていいのですか? 私は疑問に思いますが、実際、どこの業者も、規約を見せず、説明もせずに、売買契約をさせているのです。そういう「いい加減」な業界なんです。
きちんとした不動産業者は、契約の前に、「規約冊子がない」ということを把握し、すぐに、我々管理人に、「これから契約する予定なんですが、買主さんに管理規約に同意してもらわないといけないので、予備の冊子をいただけませんか?」と、契約の前に、言って来ます。だって、規約を読まないのに、「同意します」って言えない筈じゃないですか。
業者の悪口ばかり言いましたが、買主にも落ち度があると思います。まだ読んでいないものに対して「同意します」というサインを安易にするほうも、おかしいです。買主がしっかりしていれば、「この条文に書いてある、”管理規約・使用細則”なんだけど、まだ、見せてもらってないのに、”遵守します”とは誓約できないよ」って、言うはずです。でも、言う人は皆無ってことですね。
(だから、私は、「マンションを買う側にも資格試験が必要だ」、っていう意見なんです)
というわけで、「いい加減な買主」と「いい加減な不動産業者」ばかりが跋扈している世の中です。契約後にもらう規約冊子ですから、これをちゃんと読む人もいません。ですから、規約を守りません。
困ったもんだ。