管理人はつらいよ
マンション管理最前線
突然すぎるよ! 何やってるんだろう不動産屋は? |
「不動産屋のいい加減さ」については過去に述べたことがありますが、先日こんな特異な例がありました。
ある月曜日のこと。見知らぬ男性Bさんが管理人室を訪れ、「あ、管理人さんですか? 実は私、このたび○○○号室を、買いまして、引っ越してきた△△です。どうぞよろしく・・・・・・・」、」「は? ○○○号室? え? 引越し? えええ? 何にも聞いていませんが」・・・・・。
その後、いろいろ話をして事情がようやくつかめました。
先週の日曜日、その部屋のもともとの居住者Aさんは引っ越していました。管理会社・組合へは何の連絡もありません。私も休みの日なんで気がつきません。他住民からの目撃情報もありませんでした(狭いタイプの部屋でAさんは単身でした。引越しも小規模で簡単だったのでしょう)。その後、火曜日に売買契約が行なわれ、昨日の日曜日、新しい居住者のBさんが引っ越してきたというわけです。
それにしても、これまでに、当事者のAさん、Bさん、扱った不動産業者からの連絡は、いずれも一度もありませんでした。非常識すぎます。
部屋の売買といえば、オープンルームを開いたり、新聞チラシを蒔いたり、見学の客が出入りしたりと、たとえ連絡がなくても、何かの手段で耳に入ってくるものですが、今回はまったく寝耳に水でした。普通、どんなにひどい業者でも最悪、契約締結後には挨拶に来るものですが、それもありませんでした。とにかく今回は不動産屋には一度も会っていないのです。電話連絡すらないのです。不動産売買の時は、重要事項説明というのが義務付けられており、そのマンションの修繕積立金の保有残高なども購入者に対して説明しなければなりません。ですから、必ず一回は管理会社に問い合わせがいくはずです。それもないということは、ろくな重要事項説明をしていないと推測されます。
私も心の中では「なんなんだ、この取引は! どいつもこいつも常識がない。プンプン」と怒ってましたが、そういったことを表に出せませんから、仕方なく、Bさんに対して、手続き関係の書類の説明、このマンションの生活全般に関する説明を丁寧にじっくりと笑顔で応対して行ないました。あらかじめ、そういったマニュアルを作ってありますから、説明自体は簡単に行なえます。やはりというか、このBさん、不動産屋からは何も聞いていないようで、自転車置き場が1部屋1台分しかないことすら知りません。呆れるのは、自分の部屋の管理費・修繕積立金の金額すら知らないのです。もうお手上げ状態です。(なんか、親がドラ息子にマンションを買い与えたようです)
本当は出て行ったAさんからも、「所有権喪失届」というのを提出してもらわなければいけないのですが、行き先さえわかりませんので、それはあきらめ、新所有者のBさんの手続きだけきちんとすることにしました。メインは管理費の引き落としの申請書類です。「記入例」のサンプルをいっしょにして用紙を渡し、「こことここに、このように記入して下さい」と事細かに説明しました。
翌日、記入済みの書類をBさんが持ってこられました。「どうもありがとうございます。ちょっと拝見・・・・・・・・・。はい、大丈夫ですね。結構です。ありがとうございました。では、当方で処理させていただきます」と答え、銀行へ行き、処理を進めましたが。。。。。 うわお! Bさん、自分の銀行口座の口座番号を書くところに、管理組合の口座番号を書いていました。これじゃ、手続きできません。やり直しです。チェックが甘かった私も悪いです。参ったなあこりゃ! 不動産屋が間に入ってきちんと事務処理を進めれば楽なのに、なんでもかんでも私がやらなければなりません。それにしてもあれほど何度も「ここには、Bさんの口座番号を右詰で記入して下さい」と念を押したのに、組合の口座番号とは。たしかに、この種の申請用紙というのはわかりにくいものですが、そのために、見本もつけて渡してるんです。 は〜、トホホのホ。
それに、Bさん、Aさんから管理規約をもらっていません。おそらく規約なんたらの説明もなかったんでしょうね。マンションを買うというのはすごい大変なことだと思うんですが、この人にとっては、コンビニでおにぎり買うようなものなのでしょう。気楽に買ったようです。うちのほうでも、そういったことはある程度わかっているので、予備の管理規約冊子がたくさん用意してあります。さっそく、その中の一部を差し上げ、「よく読んで、規則を守って下さいね。それから、規約の中にはありませんが、ゴミ分別の方法も難しいですから、この冊子ををよく読んで、ゴミ出しマナーをきちんと守って下さいね」とも、付け加えました。
ここまでひどい(とはいえ、新居住者が挨拶してきただけ、ましかもしれない)のは珍しいとしても、こういったことが最近頻発してるんで、マンションの玄関ホールには、「不動産業者様へ。当マンションの部屋を取り扱う時は、最初に”取扱申請書”を組合に提出して下さい。提出なき場合、マンション内に入ってくる不動産業者さん、ならびに見学客は、不審者として警察に通報しますからご注意下さい」という注意書きを貼ってあります。でも、申請してくるのは、いつも1社(ここは、無名の地元業者だけど、まとも)だけ。あとはみんなシカトです。
管理人を舐めんなよ!