管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 不思議な場所 電気室 


 マンション内にある施設なのに、管理人ですら入れない場所があります。それは電気室です。電気室はマンション内の施設でありながら、○○電力が専用使用しており、管理人はその鍵すら持っていません。電力会社の人間しか鍵を持っていません。ですから、我々でさえも、「電気室の中がどのようになっているのか?」知りません。年に1回程度は点検に来ているようですが、予告も報告もないので、ここのような非オートロックマンションでは、勝手に係員が来ていても、実際にその姿を見たことはありません。(点検の連絡くらいあってもいいんじゃないかなあ?)


 左は、ネットで調べてみた、あるサイトさんから借用した、電気室内の写真です。中はけっこう広いようです。変圧器が熱を発するようで、あまり狭いのはよくないそうです。そういえば、うちの電気室も24時間ずっと換気扇がまわっています。広さは、マンションの規模にもよりますが、どこでもけっこう広く、当マンションでも、図面から調べてみると、40uくらいはあります。中が広々としているのは、換気の他にも、「将来、変圧器が増設される場合に備えて」とのことです。各部屋の電気製品が増えて、契約電気量をアップするケースがいくつかの部屋で出てくると、変圧器を増やさなければならないそうです。そのため、あらかじめ余裕を持って設計されているらしいです。

 今、マンション業界では、「電気室を取り戻そう!」という運動が一部で展開されています。というのは、この電気室と言うのは、マンション建設と同時に、強制的に設置され、かつ、”無償=使用料を徴収しない”で、電力会社が使用しているからです。「マンションを作る際に必要な施設だからしょうがないのでは」という意見もあれば、「本来なら一部屋作れるスペースを無料で電気会社に提供するのはおかしい。電気供給に必要な施設は電力会社が自前でマンション敷地外に作るべきだ。電気室はマンションへ返せ!」と主張する人もいます。たしかに、普通に電気代(特に今年の猛暑は、電気代がすごく高かった)を徴収しているのに、電力会社の施設を無償で置かせてあげるのはおかしな話です。まあ、長年の習慣でこうなったんでしょうが、「返せ」という理論も理解できます。

 古いマンションでは、旧式の機械を入れ替えて最新式にすることで、機械がずいぶん小さくなり、そんなに広いスペースはいらないそうです。すべてを”返す””撤収する”のは難しいとしても、電気室を小さな部屋に改造して、余った部分を集会室にするとか、倉庫にする、自転車置き場にする、などの方策は現実的に可能だそうで、実現している古いマンションもあるようです。マンションによっては、「集会室がない」「管理人室が非常に狭く、資料を保管する場所がない」など、スペースで悩んでいるところも多いはずです。そういったマンションでは電気室の存在にメスを入れるのも一考かと思います。

 ※貯水タンクの撤廃という手もあります。


 


2004/11