管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 シュレッダー 個人情報を守る? 




  「管理人は、ゴミ出しマナーの最悪な人の名前を知ろうとして、ゴミあさりをして、なにか個人情報が載っている書類はないか探すことがある」というのは、このサイトでも何回か述べています。この様子を何も理由を知らない人が見ると、「何よ、あの管理人、ごみ袋あけて何やってるのかしら? 変態じゃない?」と誤解するかと思いますが、これも大事な仕事のひとつです。

 さて、管理人ができることですから、部外者もやろうと思えばできます。実際、世間ではゴミがもとで様々な個人情報が漏れているそうです。今日の新聞記事でも、特集記事が組まれていて、警告していました。個人情報を探した経験のある私からも警告させていただきます。住所氏名その他もろもろの個人情報を知る書類はたくさんあります。DMの量もすごいし、高度情報化社会の弊害かもしれません。

 「手紙」「クレジットカード請求書」「水道料金請求書」「携帯電話請求書」・・・・いろいろあります。こういったものがすべていずれはゴミとして出されます。クレジットでなくても、今様々な小売店舗では会員カードを発行しているので、そういったところのレシートには名前が記載されていることがあります。「この人はこういう時間にこんなものを買い物をしたのか?」すぐにわかります。携帯電話の請求書は、住所氏名の他にも携帯の番号が記載されていますから、もっとも怖いです。水道ガスなどは、その使用量から、「この人は一人暮らしだな」と推測できます。

 当地域では、今年から、「古新聞古雑誌ダンボール以外でも、紙製品はすべてリサイクルしなさい」と分別制度が変更になったため、今は普通ゴミの中にこういった書類が入ることは少なくなりました。しかし、逆に紙ゴミの日は、個人情報満載になります。特に紙ごみは「ビニール袋に入れることはしないで、紙袋に入れて下さい」と指示されているため、紙袋では密閉できず、簡単に抜き出すことが可能です。また、風や猫のいたずらなどでも、中の紙くずが用意に外にこぼれてしまいます。清掃局に聞いたところ、「伝票類は雑誌のページにはさんで出してください」といってましたが、そうなると雑誌類をまるごと持ち出せば、これも容易に個人情報を得ることが出来ます。とにかく制度的におかしいです。清掃局職員自身も、「正直言って、問題のある制度です」「雨の日は出せないし」と言ってました。玄関ホールには不要チラシ用にゴミ箱が置かれているのですが、このゴミも紙ゴミの日にまとめて私が出しています。(「紙ゴミ用」と書いてあっても、その他のゴミ捨てる人がいるため、紙だけを抜き取る仕分けが大変なんです)

 個人情報流出に気を使う人は自分でシュレッダーで処理してますが、シュレッドして細かくなった紙くずは、カサも増え、それこそ紙袋に入れることなどできません。ですから、「ビニール袋に入れてはだめ」と言われながらもビニール袋の中に入れている人は多いですし、私もそれを黙認しています。
 ところでこのシュレッダー、安物はだめですね。私もハガキサイズのものを持っているのですが、2枚以上重ねて切ることはできないし、使ってくるうちに切れ味が悪くなります。ハガキサイズということで小さいため、クレジットの伝票などは横方向にしか挿入できないのですが、横に並んだ文字の書類を横方向にシュレッドすると、シュレッドした切れ端から、文字を読むことが可能で、「何のためのシュレッドなのか、意味がない」ということになります。といって、大型のシュレッダーを個人で買うのも負担です。
 管理人として提案したいのですが、マンションとして大型のシュレッダーを購入し、玄関ホールとかに置いて、居住者が自由に使用することはできないのでしょうか? 管理人としてはシュレッドゴミを処理する仕事が増えますが、このほうがみんなのためになると思います。ただし、子供のいたずらとかは注意しなければいけません。余談ですが、私の前職では、コピー室にシュレッダーが併設してあって、コピーを待っている時に、書類を間違ってシュレッダーの口に近づけてしまい、そのまま吸い込まれて、コピーする前に書類がメチャメチャになった苦い思い出があります。

 ちなみに、宅急便で利用したダンボール箱をそのまま捨てるのも危険です。伝票が貼ったままだと、送り主の名前までわかってしまいますので、例えば、実家の住所も知られてしまう危険性があります。

 新聞の特集記事では、「個人情報は黒マジックで塗りつぶすように」などとチャタレイ夫人みたいなことを言ってますが、この新聞社もバカですね。そんなこといちいちできるわけないでしょう?。

 いろいろと気を使わないと安全に生きていけないせちがない世の中になりました。ゴミ問題はこのように複雑怪奇な世界です。


2004/11