管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

親子自転車 危険です


2008/3追記しました


 

 環境を考えれば、自転車が一番いいということはわかっています。が。危険なものでもあります。

 小さな子供とお母さんが一緒に乗っている自転車をよくみかけます。なかには、前後に二人の子供を乗せて、計3人乗りしているお母さんがいます。それプラス、ハンドルにも椅子をつけて、4人乗りしている猛者もいます。子供二人にプラスして、スーパーでどっさり買い物をしたのを、サーカスのように運転しています。

 先日、近所で、こういった3人乗りの自転車が自ら転んでしまいました。まさしく、文字通り”自転車”です。車にぶつかったというわけではなく、あまりに重いものを載せすぎて、バランスを崩して転んでしまったのです。前の座席に乗っていた子供は頭を強く地面に叩きつけ、重傷です。警察によると、「子供(6歳未満)一人は良いが、二人以上乗せるのは違反」だそうです。そして、この違反をする母親が多く、自損事故も多発しているそうです。たしかに、よく見ますが、2〜3歳程度ならともかく、小学1〜2年を二人乗せている人もいて、ふらふらしながら乗ってます。とくにカーブとか、歩道と車道の段差とか、走り始めとか、停車した瞬間とか、大きくバランスを崩すのを見たことがあります。こういう母親に限って、「こぐのが重いから」と夜でもライトをつけません。危険です。マジ軽ライト使って下さい。
 3人乗れるようにイスを付け加える自転車屋も犯罪者です。

 親子自転車の中には電動自転車が多く車体が重いです。これも、低スピード時に不安定な原因です。また、最近は子供用の椅子も豪華になり、大きいし、風防付だったりして、椅子本体の重さもけっこうあるように見えます。ハンドルに設置する、前部の椅子は振り回されるため、特に不安定です。

 当マンションの駐輪場にも数台止まってますが、強風で倒れると困ります。大きいし、いろいろついているために、倒れる際に隣の自転車を壊すことがあります。私たちが、持ち上げて起こす際も重労働です。機械式駐輪場のマンションでも、収納しづらいそうで困っているようです。

 エコロジーな乗り物ですが、交通安全のことを考えると、なにか工夫が必要ではないでしょうか? もっと重心を低くするとか。

 たまに、後部椅子に乗っている子供が熟睡していて、倒れ落ちることもあります。シートベルトないからなあ。



<2008/3 追記  3人乗り自転車容認の方向へ>

 2007年末に、警察庁は「3人乗り禁止徹底へ」という方針を示しました。3人乗りはもともと違法ですが、「黙認」してきたといえます。これは、完全に警察の怠慢であり、職務放棄です。だいたい、違法である「2つの椅子」を自転車に取り付けた時点で取り締まるべきです。なんで、自転車屋を放置していたのか、これが不思議です。中高生の2人乗りなどの場合は、警官に注意されそうになると、うしろの奴がパッと降りて、「2人乗りじゃないよ」とアピールして、警官が視界から消えると、また2人乗りに戻るといった行動をしますが(最近は、警官に注意されてもシカトする、面の皮の厚い子供が多いです)、3人乗り自転車は、「2つの椅子」という、外見ですぐに判断できる完璧な物的証拠があるのに、なぜ、取り締まらなかったのか? ほんと怠慢です。
 このために、多くの事故が発生してきました。つい先日も、マンション前の道路で、「安定が悪くフラフラ走る3人乗り自転車を避けようとして、原付バイクが転倒する事故」がありました。バイク側は接触をしていないため、ただの自損事故になりました。かわいそうに。

 さて、今回の警察庁の方針表明に対して、3人乗りの母親たちから猛反発を食らったそうです。そりゃそうです、今まで何も注意されなかったのが急に「だめだ」と言われたのですから。彼女たちからすれば、「3人乗りが違法だなんて知らなかった」「既得権を、いまさら何よ」「少子化対策に反するわよ」といったところでしょう。とにかく、今まで放置してきた警察が一番悪いです。
 反発を受けた警察は、及び腰になり、妥協案を提示してきました。「3人乗りの場合でも安全に運転できる、新たな自転車を開発し、その自転車であれば、OKとする」というものです。なんとも、その場しのぎの場当たり的な対策です。こんなことを急に受けた自転車メーカー側も、「まるっきり、新しいものを今から開発するのは、何年もかかる」と当惑しています。
 ほんと、警察とか役人とか、バカばっかりでどうしようもないです。もっと早く、「3輪タイプの自転車なら転倒しないからOK」とか、アイデアを出して検討すべきだったのです。
 新しいタイプの自転車は、かなり高額なものになることは間違いないです。今みたいに「使い捨て」ではなく、大事に使ってもらいたいです。そして、3人乗りが必要な時期は数年のはずですから、「使わなくなった自転車を、他の人に譲って再利用」ということも積極的に行なうべきだと思います。


初稿 2004/12