管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

回覧板


 
 
 昔の「団地」などでは、”なんでもかんでも回覧板にして回す”ということが多かったと思います。

 私が以前住んでいた賃貸マンションでも、「火の用心」といった、”どうでもいいよ、わかってるよ”といったものや、「○○幼稚園入学者募集」といった”うちには関係ないよ。もう小学生だよ”といったものなど、」なんでもかんでもすべて回覧板にするため、毎日のように何かしらの回覧板がぶら下がっていて、「これじゃ、回覧板作る人も大変だなあ」と思うぐらいわずらわしいものでした。

 今のここのマンションでも、極力回覧は避けています。でも、重要なものや名前の記入が必要なものなどは、しかたなく回覧します。

 しかし、問題があります。

なかなかまわらない・・・留守宅が一軒でもあるとストップしてしまいます。”留守の時は飛ばして”と指示しているのに、お構い無しにひっかけたままです。また、外国人の部屋は、確実にシカトです。まわすことさえしてくれません。2週間程度期間を設けてもまわりきらないことがよくあります。家の中に持ち込んだはいいものの、「そのまま忘れていた」「下駄箱の上に置いたままだった」というケースもよくあります。急用の場合は意味をなしません。

◆風で飛んでしまう・・・しょせん、バインダーと紙ですから風に弱いです。ドアノブにぶらさげただけでは飛んでしまいます。強風時に巡回するとよく飛んでます。きちんと認印を押していない人がけっこういるんで、「引き続き、このあと誰から回せばいいんだ?」と悩みます。「強風だから」と気を利かして、ドアノブでなくて、郵便ポストに突っ込んでくれる人もいるんですが、ポストのサイズが小さいのに無理やり突っ込んだために、ポストが壊れてしまったことがあります。

◆「留守」がわかる・・・空き巣被害があってから、防犯の意識が高くなっています。「回覧板がドアノブにかかっていると、その部屋が今留守であることの証明になる。空き巣を呼び込む結果になる。よくない」という意見があります。そのとおりかも。

◆個人情報が漏れる・・・今のマンション住民の中には、「隣の部屋の人にも自分の家の家族構成を知られたくない」といった、過度のプライバシー意識、疑心暗鬼な人がいます。まあ、こういう世情ですから仕方ないかもしれません。こういう場合、「町内会からのお知らせ。来年度小学校に上がる子供に記念品をあげます。この紙に住所氏名電話番号を書いて、町内会に提出して下さい」といったものは、あまりよくありません。同じ階の住民のみならず、町内会役員の中にも、ロリコン変態がいるかもしれません。そんなのに、「この部屋には小学校1年の女児がいる」なんて知らせるのは危険です。よくわからないのは、この種のもので「市が発行」したものが時々あるんです。こんな戸籍に関することなんか、記入させないでも役所のほうで把握しているはずなのに、なんででしょ? 住基ネットは何のためにあるのか?

◆なんでも管理人に戻ってくる・・・「最後は町内会役員の○○さんへ」と書いてあっても、管理人に戻って来るんだよなあ。なんでかなあ。

◆読んでない・・・これが一番の問題です。全員の目に触れさせるための回覧板なのに、ただ、右から左へ流すだけで読んでない人がけっこういるんです。「雑排水管清掃? いつやったの?」、こんなこといわれちゃ、悲しいです。




2004/12