管理人はつらいよ
マンション管理最前線
共産党ビラ配り事件 |
2004年12月、東京葛飾のマンションで、マンション内に入り、共産党のビラを蒔いていた男が、「住居侵入罪」で逮捕され、起訴されました。一部マスコミでは話題になっていますので、ご存知の方も多いでしょう。私論をひとつ。
当マンションは「関係者以外立ち入り禁止」「無断ビラ蒔き禁止」とはっきり明示してあります。しかし、オートロックではないため、実際は出入り自由です。(上記事件のマンションも同様) 私が勤務している時間帯は、目を光らすことは出来ますが、勤務時間以外は何もできません。ですから、「ピンクチラシ」「サラ金」も入ってしまいます。一番、困るのは、集合ポストではなく、各部屋の玄関扉の新聞受けに投函するケースです。それも、きちんと全部中に入れてくれればいいんですが、目立たせるために、半分だけ中に入れて、半分外に出しておく、という手法を使います。これは、とても目立つので、効果的です。ただ、これは住民からの反発が大きいです。また、風で飛んでしまうケースも多く、我々清掃する立場からも非常に困ります。
実際問題として、管理人勤務時間以外でのチラシ蒔きを禁止することは不可能です。組合さんがしっかりしていて、住民全員が、「あんただめよ。ここはチラシ蒔いちゃいけないマンションなの」と注意してくれるなら、可能ですが、普通はそこまでしないでしょう。それに、チラシの中には有効なもの、住民が欲しがるものもあります。全部ダメとは当マンションでは言えません。蕎麦屋とか、ピザ屋とか、住民の需要のあるものは、「管理人に声をかければ、集合ポストならOK」として許可しています。基準としては、「公序良俗に反するものはだめ」(非常にあいまいな表現だけど、このあたりの基準は管理人に任されています)としています。
ただし、上記のように、部屋の新聞受けに中途半端に入れるものは、絶対にだめなので、この場合は、チラシの文面を見て、その業者に電話して「ダメだぞ」と強く注意をします。たいていは不動産業者です。これはメモしておいて、次回以降、この業者のチラシ配布員を見たときは、「お宅は以前、ひどい配り方をしたから出入り禁止だ」と言います。(配布員自体には罪はないんですがね、住友不動産はほんとひどいです)
さて、今回の事件、ひどい不平等な扱いです。私も以前、マンション内に勝手に入ってビラを蒔いたり、営業している人がいることについて、警察に話を聞いたことがあるのですが、「オートロックみたいに、完全にシャットアウトしているマンションなら、住居侵入罪に問えるが、そうでないマンションの場合、たとえ、大きな看板に”立ち入り禁止”と書いてあっても、”見えなかった”と言い逃れされ、立件することは難しい」と言ってました。
それからすると、今回の逮捕は異例です。1軒1軒部屋をノックして、怪しい商品を売りつけようとする人間でさせ、逮捕できないのに、ビラを蒔いていただけで逮捕とはおかしいです。やはり、「共産党だから」ということではないでしょうか? しつこくノックして、「赤旗購読してください」とか勧誘したなら、まだわかりますが、ビラまきだけで逮捕は行き過ぎです。法律的な根拠はあるにしても、それは不公平です。我々管理する側からにしても、「共産党」というだけで逮捕してくれるケースがあるのに、「悪質な勧誘・営業」でも逮捕してくれない、というのは納得できません。困ります。警察は公平に働いて欲しいです。
安倍君や中川君もNHKに「公平に」といわずに、警察に「公平に」と圧力かけて下さい。