管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

住居表示




   顔見知りの宅配便業者とちょっと話す機会がありました。

「うちのマンションでも、玄関や郵便ポストに表札を出さない人がたくさんいるけど、他はどうなの?」

「やはり、どこも多いですよ。特にワンルームマンションは最悪ですね。それに、新しくできるマンションほどひどいですね。人によっては家族全員プラス犬の名前まで表示する部屋もあるというのに、一切出さない部屋もあって、いろいろですね」

「それじゃ、配達大変でしょ。間違いも多いんじゃない。あて先記入間違いも多いから」

「そうですね。うちは郵便局と違って、転居情報とかつかんでいないんで、いっそう困ります。メール便なんかは、投函だけで、認印をもらうわけではないんで、よく間違えて怒られてます」

「まあ、いちおう、僕の場合は、”空室”とか”転居済み”とかの表示をポストに貼って、なるべくわかりやすくしてるつもりだけどね」

「そういう親切な管理人さんもいますが、何もしない人もいて、この商売もやりにくくなりましたよ。まあ、それでも、昔のお歳暮配達は宛名状がみんな手書きで、読みにくいのには往生しましたが、今は、活字で打ち込んであるんで、それはずいぶん見やすくなりました」



 居住者名の表示のみならず、最近は「住所の表示」も見にくくなっているようです。宅配業者は最新の住宅地図を持っているのでそんなに間違えることはないんですが、営業とか一般の来訪客は、混乱することがあります。

 一戸建ても昔は表札内に番地名を記した家が多かったのに、今はほとんどないそうです。マンションの場合、どこかに必ず番地を記した小さな金属板が貼られているものの、けっこう見つけにくい場所にあることが多く、初訪問の場合は探すそうです。

 ライオンズマンションって、素晴らしいと思うのは、「ライオンズマンション○○○○」と書かれた銘板の中に必ず、住所が入っていることです。これは、とてもわかりやすく、いいことです。おまけに、「竣工年」も書かれているので、築何年のマンションなのかすぐにわかります。これは大京さんえらいです。うちのマンションでは、こうなっていないので、しょっちゅう「築何年ですか?」とか、「番地は、1の2の3ですよね?」とか聞かれて、答えなくてはなりません。

 他のマンションでは、豪華な、マンション名の銘板が飾られていても、あくまで名前だけで住所がありません。
今のように、「マンション名が複雑で覚えにくい」、「第二とか第三とか、いくつもある」ような状態では、ライオンズのように、マンション名と住所が1箇所に固まって表示されていることが必要です。

 それから、読みにくい漢字のついたマンションの場合、ローマ字で読みを併記して欲しいそうです(この写真のマンション名も読めません)。最近の若い人は漢字を読めない人が多いため、宅配会社も頭が痛いそうです。地名の中には誰にとっても読みにくいものもあります。「壱番館」「弐番館」「参番館」といった名前も、「これってなんですか?」と聞いてくる若い配達員もいるそうで、いずれにしても、マンション名と住所は、美観重視よりも、実用性重視で、誰にでもわかるようにはっきりと正面に表示すべきです。

(東京都心では、フランス語とかラテン語のアルファベットだけでマンション名が書かれていて、カタカナがふってなくて、「誰も読めないよ」というマンションもあるそうです)

 若い女性の一人暮らしなど、「氏名を出したくない気持ち」もわかりますが、やはり、管理する側としては表札をきちんと出して欲しいですね。こういう人の中には、本当は一人なのに、表札に複数の名前を出したり、男の人の名前に改変したりする人もいます。これも良い手です。(でも、「合コンで知り合った人が、うちを訪ねてきたらしいんだけど、表札を男の名前にしていたので、”一人じゃなくて、男がいるじゃん”と誤解されて、せっかくの出会いが破局したのよ。え〜ん シクシク」という弊害もあるそうです)


2005/2