管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

事後掲示が大切
貯水槽清掃に関連して




たちさんという貯水槽清掃の専門家さんと相互リンクしたこともあり、ちょっとそれに関連する話を一筆。(以前も書いたことだけどね)

 うちにくる貯水槽清掃の業者さん。人当たりも悪くないし、真面目そうだし、仕事はきっちりやっているようですが。。。。。 ちょっと気になる点があります。

 当マンションでは、「断水のお知らせ」といった、掲示物や配布物は、管理会社から配布されたり、私が作ったりしています。私が注意しているのは、断水中のことより、それが復旧したあとのことです。

 というのも、清掃後の水道には赤水が混ざる可能性があります。赤水というのは汚れです。つまり、汚れ成分が混じっているということで、異物といってもいいかもしれません。この異物が問題なのです。例えば、トイレのタンクの手前に配置された「ストレーナー」という金網状のもの。これは、水の中の異物をそこでストップさせるためにあります。ここに、錆成分の多い赤水が通ると錆が金網をふさいでしまい、水が通らなくなることがあるのです。実際に、「トイレの水が出ない」というSOSを受けたことがあります。直すのは簡単ですけど。また、湯沸かし器も、中は細い管がクネクネしている構造のため、水の中に異物があると詰まりやすいです。これは私には無理。

 ですから、「断水のお知らせ」には、「清掃後初めて水を使う際は、トイレや湯沸かし器は使わないで、別の蛇口から、赤水を出し切って、きれいになってから他の蛇口を使ってください」という一筆を、私独自の判断で付け加えています。(管理会社が、こういう助言をしないことが情けないけどね)

 それなのに、清掃業者の人は、「どうも、管理人さん。タンク清掃終わりました。掲示板とかに貼ってあった、”断水のお知らせ”は私の方ではがして置きましたから・・・」という余計なおせっかいをするのです。清掃は終わっても、これから帰宅して、水を使う人に対して、大事な用件が記載されているのですから、はがしてもらっては困るのです。今晩いっぱいは貼っておく必要があるのです。こういうことをする業者というのは、残念ながら、「気を使っているようでも、実は3流」と思ってしまいます。

 同様に、点検とかなにかの作業に関する掲示物の中には、その作業が終わった後もしばらくの間、貼っておいたほうがいいものもあります。消防設備点検なども、「今日は昼間どこかで警報が鳴ってたけど、何かあったのかなあ」と疑問に思った人が、掲示板を見て、「あ、そうか? 点検か」と気づきます。「何日間か前から貼ってるんだから、みんな事前に知ってるだろう」とつっこむ人もいるかもしれません。甘いです。マンション住民なんて、掲示板を見ないですよ。何か変わったことを発見した時に、やっと関心を持って、「どれどれ」と初めて掲示板を見るのです。

 理事会開催にしても、「集会室での会議が終わったと同時に、開催のお知らせをはがす」のが普通だと思いますが、翌日まで貼っておいた方がいいんです。会議中に集会室前を通った住民が、「あれ? 電気がついてる、何だろう」と、ちょっと疑問に思ったまま、部屋に帰る。朝、会社に行く時に掲示板を見て、「あ、そうか? ゆうべは理事会だったんだ。役員の皆さん、ご苦労様」と思うわけです。

 こうやって気づく人は、人数としてはごくわずかかもしれませんが、そういう人のために、私は、掲示物は、ことが終わった後もしばらく貼ったままにしておきます。

 ただし、「○○日は古紙回収の日です。みなさん、出して下さい」といった掲示は、終わったらすぐにはがさないとだめです。回収後に出す人がいるからです。


2005/4