管理人はつらいよ
マンション管理最前線
保証人までやらされる管理人職 |
このマンションもずいぶん古くなりました。そして高齢者が多くなりました。特に心配なのが高齢者の一人暮らし。個人情報保護の兼ね合いもあり、深入りすべきではないのですが、「非常時に備えて、親類の連絡先とか控えておいたほうがいいんじゃないのかな?」と思います。(組合さんに提言しましたが、いまのところ保留中です)
昨年末、ある高齢者が倒れて救急車で運ばれました。自分で119できただけ幸いでした。心臓疾患だったようで、しばらく入院、そして退院しました。他にも体のあちこちが悪いようで、要介護認定○とかになったらしく、時々ホームヘルパーさんも来ているようです。といっても、寝たきりというわけでもなく、時々見かけます。
そのおばあちゃんが、管理人室にやってきて、「管理人さん、ここにサインして」といいます。「何ですか?」と、その書類を見ると、「○○介護器具レンタル・・・・」といった書類です。なんか、民間の介護業者から、機械を借りるようです。その、保証人になって欲しい、という意味でした。
「ちょっと待ってくださいよ。私がなんで保証人にならなければいけないんですか?」「だって、他にいないんだもん」「でも、たしか、秋田に息子さんがいるはずじゃ?」「息子とは縁を切ったの! だから関係ないの? 他に頼れる人がいないから、あなたに頼むの!」「そんなこといわれてもね・・・・・」
いちおう、理事長に相談したんですが、「借金というわけでもないし、形だけの保証人なんだから、サインしてあげてよ」なんて、気軽に言います。「え、だったら、理事長こそ、保証人になってあげてくださいよ。私なんか本当の貧乏なんですから、一銭も出せません。理事長の方がお金持ちでしょ」「俺は、あの人とはまったく関係ないもん」「私だって、全然関係ないですよ」・・・・
そんなこんなで揉めたんですけど、後日、役所の職員がやってきて、「書類上、どうしても保証人のサインが必要なんです。ご迷惑はかけませんから、管理人さん、サインしてくれませんか?」と懇願します。「だったら、あんたこそ、しろよ」と怒ったんですが、その横で、おばあちゃんが手を合わせて私のことを拝むため、しかたなく、サインしました。
身寄りのない、一人暮らしの老人はたくさんいるのに、介護機器のレンタルに第三者の保証人が必要だなんて、変な制度じゃないでしょうか?
とにかく、なんでもかんでも管理人、というのはやめて欲しい。