管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

お疲れ様でした

理事長さま、3年間お疲れ様でした。



  近所の130ほどの世帯の、某マンション。昼休みにそこのマンションを訪れ、馴染みの管理人さんと、弁当を食べながら、四方山話。そこへ、そこのマンションの理事長Cさんが現れました。

 「あれ、山内さん、来てたの?」「あ、どうも理事長。元気ですか。そういえば、おとといの総会で、理事長のお役御免だそうで、3年間の長き間、本当にお疲れ様でしたね。大変だったでしょう」「うん、まあね、この3年間大変だったからね。ほんと、疲れたよ。やっと、重労働から開放されたよ。山内さんにもずいぶん世話になったね・・・・・」としばらく話が続き、理事長さん、いや、前理事長はでかけていきました。

 引き続き、そこの管理人さんとの話。「Cさんは、ほんと偉い人ですよ。私なんかにも丁寧に接してくれるし、けして管理人をバカにしないし。一人の人間として扱ってくれました。あの人じゃなかったから、私はここのマンションでの仕事は勤まらなかったですね。」「そうだねえ、あれだけ熱心な人はいないねえ。ところで、お宅、総会はどうだったの?」「私も出ましたが、出席者数は全体の2割程度ですかね。少ないですネエ。みんな無関心なんですねえ。山内さんのところは?」「うちは、今、特に問題もないし、大きな案件もないから、やっぱ、少なかったネエ。やはり、2割くらいかなあ」「C理事長さんが熱心に説明して、総会を無事に仕切って、最後に”この3年間、皆様には大変お世話になりました”と挨拶しても、他の皆さんは、役員を除いて、誰も拍手すらしないんですよ。ひどいもんですねえ。Cさんのおかげで、管理組合の会計が1千万円助かり、管理内容も画期的に良くなったというのに。どれだけ住民はCさんにお世話になったか、感謝すべきなのか、わかってないんですねえ・・・」「理事長の仕事って、いくら熱心にやっても、報われない部分が多いネエ。ある意味、”理事長もつらいよ”なんだねえ」・・・・・  といった会話が続きました。

 実は、このCさんという理事長は、3年前にこの人が理事長になりたての頃、「近所のマンションで、理事長になった者なんですが、マンション管理について、教えて欲しいんです」と、わざわざ当管理人室を訪れた人なんです。
 なんでも、”輪番制”&”アミダクジで無理やり理事長にさせられた”ものの、管理組合というものがどういうものかよくわからないし、管理会社から「修繕積立金が足らないので、値上げしないと」と急に言われて慌てている、とのことでした。そんなわけで、当マンションに来たらしいのですが、当時の当マンションの理事長はサラリーマンで昼間いないし、頼りになる人じゃないし、「この管理人さんの方が頼りになりそうだ」と思ったらしく、私から、いろいろと話を聞きだしていった次第です。その数年前に定年退職して、昼も暇で、それまでは市でやっているボランティア団体の手伝いをしていたそうです。「この団体の会計もいい加減でしたが、マンションの会計もいい加減ですネエ」と驚いていました。

 とにかく、Cさんのマンション、ひどい管理会社でした。Cさんは、「管理会社を変えるしかない」と一念発起し、立ち上がりました。それに微力ながら協力したのが、私というわけで。「昼飯おごってくれるなら、業界の話を教えてあげますよ」と、わずかばかりの報酬でお手伝いしたわけです。(コンサルティング会社が、数百万円もらうことを考えると、完全に奉仕活動ですけどね。私もお人よしです)

 まあ、そんなわけで、Cさんも重大な任務を見事に全うされて、引退されたタイミングでもありますし、Cさんのマンション「クレヨンマンション三番館」を例に、管理会社変更のことについて、少しずつ、話していこうかなあ、と思っています。


 今回は”枕”ということで。     続くかも。


2005/6