管理人はつらいよ　　　
マンション管理最前線

　
　朝、職場に出勤したら、留守番電話にメッセージが録音されていました。「会社の深夜宿直＝緊急連絡センター」からのものです。

「深夜２時にそちらのマンションの住民○○さんから、騒音の苦情がありました。なんか、外で夜中に工事しているみたいです。対処お願いします」というものです。

　この１週間、すぐ前の道路で、深夜帯だけですが、水道管の付け替えの工事が行なわれています。おそらく、このことだと思います。この方、毎日夕方４時に帰ってくる人なので、管理室で待機して、呼びとめ、説明しました。

「水道の工事なんですよ」
「そんなの俺聞いてねえよ」
「え？　でも、掲示板に２週間前から掲示してますけど」
「そんなの見ねえもん」・・・・・
　　（唖然）

　「見ねえ」って言われてもね。じゃあ、なんのために掲示板があるんでしょうか？　何のために玄関ホールに設置されてるんでしょうか？
　とんでもない人です。この人、自分が見てないくせに　会社の緊急連絡センターには、「掲示板には何も書いてなかった。しっかり管理しろ！」と苦情言ってます。これじゃ、この緊急センターのスタッフは、「あそこの管理人は何やっとるんだ」と憤慨しているはずです。私も言いたいです。「マンションに住むからには、住民としての義務をしっかり守れ！」と。

　たしか、区分所有法にも書いてあったと思うんですが、マンション住民に物事を周知する手段のひとつとして、「掲示板に貼る」ということが規定されていたはずです。つまり、掲示板に貼れば、周知徹底義務を果たしたことになるのです。もちろん、消防設備点検とか、断水とか、重要な事柄は、全住民の個別ポストに案内書を入れたりするなど、掲示板に貼るだけではない、もっと手間のかかる周知をしますが、道路工事くらいでは、そこまでしません。「工事のために、玄関から入れませんから、裏口から入ってください」なんていうものなら、そこまでしますが、特に大きな影響があるとは思えない、断水もない水道工事では、掲示板だけで十分です。

　「掲示板なんか見ねえ」とケツまくられちゃ、どうしようもないです。それに、見てないくせに、「掲示されていない」と苦情を会社に言われるのも困ります。大迷惑です。
　
　マンションの掲示板というのは、時には、自治会関係のくだらないお知らせもありますが、たいていは住民にとって影響のある大事な用件がそこに貼られています。毎日、帰宅の際に、一瞥するのは居住者としての義務でしょう。最低限の義務くらい果たして欲しいです。管理規約にも、「掲示板を必ず見ること」という項目を加えて欲しいです。

　それにしても、苦情を言う奴ほど、掲示板を見ないものです。参ったもんだ。

　（水道局にしても、もう少し、大きな文字で掲示物作れよ。年寄りには読めないよ。）

2005/9