管理人は超つらいよ   
マンション管理最前線

 巡回するのも命懸けの時代になりました 





2014/4

 
 実は、この春から、私が、マンション敷地内を巡回する際、「ヘルメット」を装着するようになりました。

 以前、大震災が発生し、余震が頻発していた頃もヘルメットをかぶっていましたが、その後、「工事類の実施中」以外の平時では、初めてです。

※ヘルメットは、もともとなかったので、購入を要望しましたが、管理組合も管理会社も買ってくれないので、自腹で、2個買いました。けっこう高いんだよねえ。(清掃員さんの分もある。この他にも防災用品をいろいろ購入したけど、全部自腹です)

 このため、今、巡回していると、住民から「どうしたの?」と言われるし、リフォーム工事なんかに来た業者の人は、私を管理人とわからずに、「管理人さんって、どこにいますかね?」なんて聞いてくるし。ちょっと面倒です。

 でも、巡回の際に「ヘルメット」をしないのは怖いです。というのも。

「認知症の単身高齢者が、自分の部屋からいろんなものを落とす」



という事態に、今、なっているからです。今、「物を落とす危険性のある認知症患者」が3人ほどいます。

「ペットボトル」「缶ビール」「靴」「カバン」「食器」なんてのは生易しいほうで、すごい人になると、「テレビ」「椅子」「テーブル」「布団」「魔法瓶」まで。とにかく、何から何まで、ほうり投げます。昨日なんか、「黒電話機」が落ちてました。

 その「落とし方」にしても、普通は、「ベランダから落とすのでは?」と思うかもしれませんが、玄関から廊下に出て、別のところまで歩いて、そこから落とす場合もあり、「患者住民の前を通る時だけ注意していればいい」ってものでもないのです。10階の廊下から、フライパンを落としたケースもありますが、地面のコンクリが見事に割れてました。

 おかげで、今、このマンションは、まるで「大規模修繕工事実施中」の時みたいに、あちこちで「頭上注意」という貼り紙が貼られています。(こういう対策も全部、管理人に押し付け) 当然、患者住民の家族に電話したり、行政に対処を求めたり、いろいろやっています。大忙しの管理人です。

 幸い、先日の川崎市の樹木の落下事故(幼児が重傷)みたいに、けが人が出ていないのが、奇跡的なんですが、いつ、大事故が起きても不思議ではない状況です。(それなのに、管理組合は「個人に関することだから」と、何も動かない)

 この前なんか、地面に落ちた缶ビールを、拾った住民が、それをがめてしまい、それをエレベーターの中で、ブシュっとあけてしまったものだから、さあ、大変。爆発です。中味が噴き出し、エレベーターの中が、「F1レースの表彰式」みたいな状況になり、後片付けが大変でした。当然、盗んだ当事者は連絡もしてくれず、知らん振り。でも、防犯カメラにばっちりと状況が映っていたため、事情が判明した次第です。床マットにビールの臭いがしみこみ大変でした。(まあ、でも、今は、缶とかペットボトルだから、まだ、ましかなあ。瓶だったら、誰かの頭の上に落としたら、死者がでるよなあ)

 こういったわけで、マンションの中で、一番、歩き回る「管理人」としては、「被災する可能性が一番高い」わけでして。自衛手段として、常に、ヘルメットをかぶっているのです。そして、ガラスなんかを落とされて、その破片で目をやられても困るので、花粉症用の防御メガネもしています。なんともおかしな管理人の姿です。

 今日も、午前中の巡回で、「6階の廊下から、仏壇を落とそうとしていた、Aさん」を直前で止めました。「マンション用の超小型な仏壇」だったので、持ち出せたようです。仏壇は昔ながらの大きなほうが、持てなくていいかもしれません。しかし、なんで、仏壇なんだろう? 先立ったご主人に恨みでもあったのかなあ?

 とにかく、毎日、大変です。管理人は超つらいです。

 なお、「上から物を落とす」というのは、実は、認知症だけではなく、子供もそうでして・・・・・ 詳しくは、こちらで




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