管理人はつらいよ　　　
マンション管理最前線

　ゴミ分別の仕事が飛躍的に忙しくなった今、事務仕事のために残業することが多くなりました。

　最近、当地域ではまた犯罪が多発しており、空き巣被害も数多く報告されています。警察からの注意書きには、「犯人は必ず、下見に来る。日頃から不審者に注意して欲しい。安心させるために背広姿のことが多い。不動産の見学を装ったものも多いので、気をつけて・・・」などと、事例が書かれています。

※ついでに。「下の階のものですが、水が漏れてきてます」といって部屋にあがり、女性を暴行する「漏水暴行事件」が頻発しています。みなさんも、漏水を口実にした不審者にはご注意下さい。

　当マンションは防犯カメラが設置されていないため、警察から「要注意マンション」に指定されています。不審者対策ですか。難しいですねえ。いろいろな掲示物は貼りましたが、管理人一人ががんばっても、あまり意味がありません。特に、怪しい人間が入ってくるのは、管理人が帰ったあとに多いのです。
　それに、私の欠点は、人の顔を覚えないこと。これ、管理人としたら致命傷です。「あなた何してるの？」と聞くと、「俺は住民だ」と怒られることもシバシバです。１〜２回見ただけじゃ、覚えられないんです。住民も私らみたいに身分証明書を首からぶらさげてくれるといいんですが。（無理無理）

　そんなわけで、明らかに初めて見る顔とか、見るからにあやしそうな奴、住民から「あの人変よ」と通報を受けた人などは、声をかけて、「何をなさってるんですか？」と聞きますが、「もしかして住民かなあ」という場合は、顔を見つめて、「こんにちわ」と挨拶するだけで、尋問はしません。うちのマンションの場合、住民のほうがよっぽど怪しい人が多いので、「怪しい人に気をつけて」と警察に言われても困ります。それでも、相手に顔を見られて、声をかけられるだけでも、泥棒は嫌がるといいますので、無視するよりはましなようです。

　ある日、残業して、いつもの３０分後に管理員室を出ようと、扉から顔を出したら、見知らぬ男性が、メインエントランスから入ってくるところで、ばったり顔が合ってしまいました。そうしたら、その男性、急に踵を返して、出て行ってしまいました。そして足早に逃げていきました。「怪しい奴だ」」と思って、あとを追いかけ、「なんで逃げるんですか？」と問いただすと、「いや、ああの、チラシ撒きに来たんですけど、管理人さんがまだいたなんて思わなかったもんで」。
　ピンクチラシの配布員でした。たしかに、管理人が帰ってすぐの時間帯というのは、チラシ配布員によっては大忙しの時間帯らしいです。今は、「チラシ類配布一切ＮＧ」というマンションが多いですから、チラシをまくのは、管理人のいない時間を狙ってやるのです。（昼休みも多いです）

　でも、この話、その後巡回に来た巡査に聞いたら、「ピンクとかサラ金のチラシ配布員を装って空き巣の下見に来る奴いるから、注意してよ。ピンクチラシだと、逃げて捕まっても、”ピンクだから逃げました”って言い訳できるんだよ」と言われました。なるほど、空き巣もいろいろと深く考えているんですねえ。すごい。

2005/9

不審者お断り




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