管理人はつらいよ　　　
マンション管理最前線

　前略、読者の皆様。私はもともと動物や昆虫、ペットというのは好きなほうだったのですが、この仕事を始めてから、１８０度転向させられ、大嫌いになってしまいました。

　今年（２００５）の夏は、「甲虫王者虫キング」のせいで、日本中で甲虫ブームがヒートアップ。外来の大型甲虫が安く輸入されるようになり、ものすごい数の外国産甲虫が現地で乱獲（ひどい業者になると、木ごと切り倒す奴がいるそうで、熱帯雨林が失われています）され、ペット業者ウハウハのぼろ儲けの中、日本の家庭に続々と入ってきました。そして、「ペアで買ったけど、オスが死んじゃった。メスには用がないから、捨てちゃえ」「もう飽きたから捨てちゃえ」と、日本の生態系に放たれ、国産と外国産の間の繁殖も確認され、日本の生態系を崩し始めそうです。

　「ファインディング・ニモ」のブームでは熱帯魚が大流行。インドネシアなどの海で乱獲が行なわれているそうです。現地の人は、安易に捕獲するため、「追いかけて網ですくう」などといった、面倒なことはせず、熱帯魚が生息する範囲に、「麻酔薬」をばら撒き、弱った魚が動けなくなったところを一網打尽にする漁法で捕まえています。その結果、その海域が化学物質で汚染され、サンゴも死滅し、死の海になってしまったそうです。

　日本というのは、どこまでエゴの国民なんでしょうかねえ。「金があればなんでもできる」と思ってるんでしょうねえ。それでなくても、食料自給率は４０％ちょっと、今、ペット飼料の輸入が激増しているので、ペットも含めると４０％を切っているのでは？という推測もあります。エネルギーの自給率は１％以下。木材もほとんどが輸入。当然、木材を原料とする紙も、間接的には「輸入」です。生活の基盤を外国に頼っているというのに、外国の自然を破壊しまくり。

　そして、今（2005/9）、大阪でサソリが２匹、琵琶湖ではピラニア、新宿と埼玉ではヘビ・・・・と世間を騒がせています。環境省は、今夏、「外国産の甲虫を放さないで下さい。最後まで飼育してください」と呼びかけ、販売店でも「いちおう、お上のいうことには従います」と、「放さないで」という貼り紙を掲示してますが、ペットを金で買うような人たちに常識は通用しません。言うことを聞くわけがない。私はこの仕事を始めてから、それがよ〜くわかりました。当マンションでも、以前、居住者の飼育していたニシキヘビ（二匹じゃなくて一匹でしたが）が逃げ出して大騒ぎになったこともあります。


　私のさまざまな経験から導かれた結論では、ペットを飼う（特にお金を出して買う）人というのは、はっきりいって、みんな極悪人です。

○金さえあればなんでもできると思っている。（その割には、買ったあとはケチだったりする）
○規則を守る気がない。
○他人の迷惑なんか関係ない、自分だけ楽しければそれでいい。町が糞尿＆毛で汚れようとも知らん振り。騒音公害なんのその。
○寂しがり屋で自立できない弱い人間。ペットに対してしか、えばれないセコイ奴。
○同じ仲間で群れたがる。しかし、仲間以外には排他的。
○環境・エコ、そんな語彙は頭の中にない。

　ろくな奴はいません。

　そんな連中に、「○○してはいけません」とか「責任を持って」とか注意したって、聞くわけがない。だから、今の騒動が起きているわけです。
　広島かどこかでは、犬の騒音を撒き散らす消防署員が近所の人に刺し殺される事件もありました。災いを消す役目が、災いを作ってどうすんの？　犬を飼うと、周囲の迷惑というのを考えなくなるんです。どこかで、「動物を愛している自分は、良い人間」と勘違いしているんです。「動物を拉致・拘束している悪い奴」と思ってください。北朝鮮の拉致問題よりも、金の力で世界中の動物を拉致し続ける日本人のほうがよっぽど悪質です。
　自民党も金持ち優遇政策ばかりしているから、ペット問題も野放しだけど、いい加減対策考えたらどうかなあ。今すぐ輸入禁止措置をとらないと大変なことになるよ。ねえ、小池百合子日和見大臣さん！。

　

2005/9



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