管理人はつらいよ   
マンション管理最前線

 ゴミ置き場にネットがつけられました
しかし・・・
 




 ゴミ置き場のゴミがカラスや野良猫によって荒らされる問題。ずいぶん前から理事会の案件になっていました。各種カラス避け対策をやってきましたが、向こうさんも学習能力があり、効果があるのは最初だけで、じきに薄れます。そんなわけで、「やはり、置き場全体を囲むようにしなくてはいけない」という結論が出ていたものの、「予算どうしよう」「どんな方法が一番いいの?」といつもお流れになっていました。(こういう時に的確なアドバイスができないフロントマンは、困り者)

 こういうものが「お流れ」になる背景には、
「”それは管理人がやるべき仕事。組合がお金を支出して楽させることはない”と考える人がいる=”いじめ”"偏見”"社会的差別”」や、
「日中いる人は、ゴミ置き場が散乱している状態を見ることが出来るが、朝早く出勤していく人は、帰宅時には管理人・清掃員がきれいに片づけした跡しか見ないため、荒らされている現実を知らない」
という"無知”という問題があります。

 しかし、昨年始まったゴミ分別細分化で、もうひとつ問題が増えました。それは、「プラスティック容器&包装ゴミの日。ゴミの質量が非常に軽いため、風が強いと、飛ばされてしまう」ということです。特に、発泡スチロールなどの「かさばって、軽い」ものをさらにゴミ袋に入れて出すと、すぐに飛んでいきます。これに対して、周囲の住民からも苦情が来たため、「何か対策をとらないと」となったわけです。

 理事会では、いつものように、管理人に反感を持つ、犬飼い主が反対したものの、「周辺のマンションはみんなきちんとした金網とかで囲ってるし、青空天井にしたままのマンションはうちだけだから」という意見で、多数決で可決されました。ただし、予算はずいぶんケチりました。「雨の日のゴミ作業は大変なので、屋根をつけて欲しい」という意見は無視され、「強固なフェンスにして下さい」という願いも無視され、「一番安い方法=ネットで囲う」になりました。ゴルフ練習場なんかのネットと同じです。出入り口はカーテンレールのようにスライドさせます。それでも、10万円かかりましたが。

 「ずいぶん安上がりな方法にしたなあ。それでも、ないよりはいいや」と納得したしだいです。工事は簡単で1日終わりました。効果はありました。ずいぶんカラス・猫の被害は減りました。とはいえ、ゴミを捨てた人が、ネットカーテンを閉めずにそのままいけば、やはり襲われます。大きな紙に「開けたら必ず閉めてください」と書き、ネットに縛り付けましたが、イマイチです。(ここの住民に公共マナーを期待するのは無理)
 その後のある日、困った事が起きました。誰かがいたずらしたのでしょう、無理な力を加えたようで、ネットを思い切り引っ張ったのか、ネットがはずれてしまいました。支柱も曲がってしまいました。もともとチャチな作りなので、壊そうと思えば簡単です。意図的に壊さなくても、たとえば、ネットにひっかかって、そのまま大人が倒れてしまえば、これくらいの被害になるのかもしれません。
 これだと、設置した工事業者の責任でもないため、組合で修繕しなければなりません。とりあえず、私のほうで応急措置をして、なんとか使えるようにはしましたが、支柱が曲がったため、カーテン部分の開け閉めがスムーズにいかなくなりました。これは、ちょっと専門家の修理が必要です。

 なんでもそうなんですが、マンションの設備というのは、「いたずらされることが前提条件」として強固に作るべきだと思います。最初のお金をケチルとろくなことはありません。

 


2005/10



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