管理人は チョー つらいよ   
マンション管理最前線

 へそまがり役員には困るよ 理事会運営 



 管理会社のフロントというのは、たくさんのマンションを一人で抱え、いつも忙しいような感じですが、時々、わが管理事務室を喫茶店のように利用して、のんびりと時間をつぶすこともあります。担当マンションの管理事務室の中で、管理人とよもやま話をする分には、会社的には「仕事をしている」ということになりますので、うまく利用しているようです。お金もかかんないし。

 といっても、私はいつも忙しく外にでていますので、「適当に自分でお茶でも入れて飲んでよ。」とほったらかしていることも多いです。

 先日、管理人業務もわりと暇な時に、このフロントマンから、理事会運営のことで愚痴を聞かされました。周辺のマンションの中には、「管理人が理事会に出なければいけない」というところもあり、その管理人さんからも時々理事会の愚痴を聞いています。そのあたりをちょっとまとめて。


<管理会社=悪 だと思っている役員>
 昨今のマスコミの報道が悪いと思うのですが、「マンション管理会社=ボッタクリの悪徳企業」と刷り込まれている人がいます。なんでも不信感をあらわにして、管理会社側を批判します。委託費についても、何の根拠もない(他のマンションがどれくらいだとか、積算内容を調べたとか、何もしていない)のに、ただ、「高い。安くしろ」と言うのです。この人、理事会の開催のたびに、「理事長、意見です! 委託費が高い! 管理費を下げろ」と発言し、他の案件もいろいろあるのに、その審議のジャマをして、理事会内でも浮いています。当、「飯加減」社は、管理内容はお粗末かもしれません(なにしろ管理人が私だから)が、委託費に関しては、今のような競争激化の状況の中でも、安いほうです。昔、マンション管理にみんな無関心で、どこの管理会社もボッタクリしていた時代から安いのですから、その点では優良企業なんじゃないか?」と私は思います。とにかく、「人間を雇えば、最低限これくらいかかる」ということも考慮しないで、とにかく、「高い! まけろ!」というのはおかしいです。

<へそ曲がり役員 とりあえず、なんでも反対>
  管理会社に不信感があるとかないとか別にして、理事長とか管理会社フロントが「では、こういうことでいきたいと思います」と決定しようとすると、「反対!」と手を上げる人がいます。とにかくなんでも反対なんです。理事会というのはなるべく「全員一致」で事を進めようとしますので、一人でも反対がいると、議論を差し戻してやりなおすことになります。最終的には、この人も賛成するのですが、とにかく、「議案がスムーズに決まりそうな時は必ず反対する」という性癖があるような変人なのです。
 この人、役員の任期完了の際の懇親飲み会で、酔った際に、理事長に対して、「俺は、正しいことであろうと、とにかく1回は反対しないと気がすまない性格なんだ」といったそうです。その瞬間、出席役員全員、コケタそうです。理事長さん、「あんた一人のおかげで、合計何十時間理事会の時間が延びたかわかっているのか?」と、心の中で叫んだそうです。

<すぐに横道にそらす>
 議論が白熱してきた、いいところで、、「あの〜、ところで・・・・・」「話はちょっと違うんですが・・・・・」「急に思いついたんですけど・・・・」と全然関係ない話題を持ち出す人がいる。

<どうでもいいじゃない、そんなこと>
 細かいことにうるさい人がいます。
○「管理組合が貼りだす書類に、"居住者各位”って書てあるけど、組合が出すんだから"組合員各位”のほうがよくないですか?」 「いや、対象者の中には賃貸入居者もいるわけで、そういう人は組合員ではないため、"居住者各位”にしてるんです」
○「管理組合が貼りだす書類に、発信人ということで"管理組合”の文字を入れるけど、一番下じゃなくて、"居住者各位”の右端のようがよくないですか?」「別にどこでも同じじゃないの? なんでそんなこと思うの?」「いや〜、ただ、なんとなく」
○マンション内の掲示なんだから、”クーガーズマンション2番館管理組合”とか書かないで、ただ、"管理組合”でいいんじゃないの?」「そういえばそうだなあ。そのほうがいいんじゃないの?」「いや、来訪者も見るから、マンション名をいれたほうが・・・・」「いや・・・・」 (どうでもいいいことを言う人、そして、それに真剣に反応する人がいて、時間が無為に過ぎていきます)
○「エレベーター点検の時間表示、"午後2時”じゃなくて、"14時”のほうがよくないですか?」
○「管理組合の書類の日付表示はすべて”平成”にすべきだ。西暦は良くない。ここは日本だ!」

<しゃべっていないと気がすまない>
 中年婦人に多いんです。
 はっきりいって、まったく役に立たない意見しか言わない、というかジャマなのに、とにかく理事会の間中、ずっとしゃべり続けているのです。しゃべっていないと不安になるかのように。まるで、泳いでいないと死んでしまう鮫みたいです。

<しらじらしい正論しか発言しない>
 「現実はそうかもしれないが、規約で決まっているんだから」「使用細則を守らないで何の意味があるんですか?」「他人に迷惑をかけてはいけません」・・・・・ 実にもっともなご意見なんですが、こういう人に限って、「使用細則に違反してペット飼ってる」「ゴミ出しルールを守らない」といった、"実は不良住民”であることが多いのです。自分の悪いところを隠そうとしようと、正論をやたらぶつようです。(こういう人は、日ごろの挨拶も元気で、実際を知らない人が見たら、「礼儀正しい、いい人だなあ」と誤解します)
 また、こういう人の中には、平役員にもかかわらず、そのマンションを代表しているかのように、行政とか自治会相手に苦情を言ったり、要望をしたりします。そして、このとき、理事長や管理会社には何も話を通していません。あとから、行政の担当部署から管理事務室に、「おたくのマンションの代表者の方から、こういう質問が来たのですが、その返答をします・・・・・」「いや、あの、うちからはそんなこと言ってないはずですが・・・・」と管理人はしどろもどろです。

<事前に配布した資料をまったく読んでない>
 しっかりした組合というのは、理事会の時間を有効かつ迅速に使おうとして、面倒な案件の場合は、事前に詳しい資料を役員に配布して、「これをよく読んで、ご自分の意見をまとめておいてください」とすることがあります。たとえば、「駐輪場増設工事」の案件などでは、図面や見積書などややこしいものは事前にコピーして役員に渡しておくのです。また、同時に、「前もって現場を見ておいて下さい」と念を押しておきます。
 しかし・・・   まったく資料に目を通さないで理事会に臨む役員がいます。そして、資料を読めばわかることを質問してきます。おまけに配布資料を持参してこないから、もう最悪。「現場を見ていないから、はっきり意見を言えないなあ。結論を出すのは次回の理事会にしませんか? それまでに現場を見ておきますから・・・・」 (理事長の心中、 「ふざけるな アホンダラ!」)

<コストのことを考慮しない>
 お金があればなんでもできます、苦労することはありません。しかし、組合の預貯金残高、1年間の管理費収入のことなど何にも知らずに、「新しく作ればいいじゃない」「プロに頼めば」「別のを買えば」「24時間、管理人さんにいてもらえば」・・・・・と無責任に発言します。「ない袖は振れない」という言葉を知らないようです。ちなみに、この人、国家公務員。

  こういう「困った役員」ほど、なぜか理事会出席皆勤賞だったりするわけで、一度も出席しない幽霊役員のほうが、理事会運営上は実は都合がよかったりするものです。大変ですネエ。ご愁傷様。おまけに1年間かけて、まともな役員に育て上げても、すぐに総員入れ替わりです。トホホ。フロントもかわいそう。やはり、任期は2年以上必要です。



2005/10



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