京都市左京区のマンションで05年6月、当時4歳の保育園児がマンホールに転落、死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われたマンションの管理会社員ら 3人の判決が26日、京都地裁であった。増田耕児裁判長は「転落する危険を過小に評価した過失は軽くない」として、3人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡 した。

 判決は、管理会社「日本住宅管理」(大阪市)の管理業務主任、稲垣知之被告(31)と、管理人の山田健二被告(63)が禁固1年執行猶予3年、同社員の武川忠男被告(61)が禁固10カ月執行猶予3年(いずれも求刑禁固1年6カ月)。

 判決によると、3人は排水作業のため、マンホール(深さ約1.8メートル)のふたと地面の間にパイプを挟んだまま、約2カ月間放置。ふたで密閉する注意義務を怠った。このため05年6月5日、ふたを開けた金原未侑ちゃん(当時4)はマンホール内に転落、水死した。

 被告側は「パイプを挟んだ行為と事故に因果関係はなく、過失はない」と無罪を主張していた。増田裁判長は判決で「子どもが(マンホールに)興味を抱き、 中をのぞき込もうとすることはあり得る」と指摘。転落、水死する危険を予測することは可能だったとしたうえで、「被害者の悲しみや苦しみは推し量るにあま りある」と述べた。

 未侑ちゃんの父、俊治さん(48)は「(被告らの)責任が認められて良かった。子どもにも報告できる」と語った。一方、被告側の弁護人は「判決内容をよく検討し、今後の方針を決めたい」としている。