管理人はつらいよ
マンション管理最前線
「直上階がうるさい!」 でも、そこじゃないかも? |
「うちの上の階の部屋で、子供が毎晩遊んでいるようで、ドカドカとうるさいんだよ。なんとかしてくれ。管理人、おまえが、上の階の部屋に言って注意して来い!」
なんてことをよく言われます。
こういうのは管理会社の仕事じゃないから、管理組合に言うとか、自分で直接、その部屋に行って文句を言って欲しいです。こういう、嫌な役回りを管理人に押し付けようとする住民がいっぱいいて、疲れます。
そんなわけで、さっきやってきた住民Aさんも、「オレの上の会が、夜中の2時になるとうるさいんだよ。天井から、ドンドンという音がして響いて寝られないんだ。上の会のBさんに注意をしてくれ」と頼んで来ました。
でも、今回は、素直に、その話を信じられないんです。だって。理由があるんです。
「あの〜、Aさん? ほんとに、真上の部屋がうるさいんですか?」
「そうだよ。真上からドンドンと響いて来るんだから、真上のBさんの部屋だろ? なに、当たり前のことを聞いてくるんだよ。あんたはアホか?」
「いえねえ、Bさんの部屋は、2週間前から留守ですよ?」
「え? 留守? なんで?」
「なんでって。実は、Bさんの部屋は大掛かりなリフォーム工事をする予定で、Bさん一家は、工事期間中は生活ができないから、2週間前から、ウィークリーマンションに引っ越しているんです。ただ、今、日本は、職人不足で、工事ができなくて、急に、”工事開始がいつになるかわからない。職人次第だ””ってことになってしまい。Bさんの部屋は、住民は留守だし、工事もストップしている状態なんです。だから、無人なんで、音はしないはずなんですけど・・・・・」
実は、騒音とか振動というのは、「真上から聞こえる」ように感じられても、「実は真上の部屋ではない」ってことがよくあるんです。「真上の右となりの部屋からの振動なのに、真上から聞こえる」とか、よくあることなんです。音や振動の伝わり方って複雑みたいです。
この前も、管理室の前にある、集合ポストを工事していたのに、なぜか、その振動が、菅理室内の背後の壁から感じられました。
そういうわけで、「真上の部屋の野郎、毎晩うるさくしやがって、ふざけるな!」とか思って、その部屋に、文句を言いにいったら、「うちは夜中は静かにしている。いい加減ないいがかりをかけるな!」とか、逆に怒られて、ケンカになる場合もあります。十分にご注意を。そういう意味では、一度、管理人に相談するのも悪いことではありません。